気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Alawar Premium開発、PC向けに10月21日にリリースされた銀河系2Dアクションアドベンチャー『They Always Run』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は銀河を舞台に活躍し、三本の腕を持つ賞金稼ぎの横スクロール型2Dアクションアドベンチャー。独特なアートワークで表現された世界で、斬撃に射撃を駆使したアクション満載な戦闘が楽しめます。詳しいゲーム内容についてはプレイレポをご覧ください。記事執筆時点では日本語未対応。
『They Always Run』は、2,050円で配信中。
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――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?
Stepan Komarov氏(以下Stepan)AlawarのStepan Komarovです。本プロジェクトでは、プロデューサー、アートディレクター、リードアニメーターを担当しました。
もしあなたが昔からのゲーマーで、ZX Spectrum、セガ、Dendy(注:ロシア人が開発、台湾企業がロシア市場向けに製造したファミコンクローン)などを覚えているのでしたら、一番好きなゲームを決めると言うのは難しいものだとわかるでしょう。私は『Katana ZERO』から『スター・ウォーズ ジェダイ:フォールン・オーダー』まで、多くのゲームが好きです。しかし『Earthworm Jim』『アラジン』『フラッシュバック』『アウターワールド』はずっと私の心の中に生き続けていますね。
――本作の開発はなぜ始まったのですか?
Stepan私たちのチームは随分と前から直感的に操作できるゲームを作りたいと思っていました。そしてその機会に出くわすと、そのゲームのために各々がアイデアを持ち寄ってきたのです。なんとその数、100個以上!そのうちの一つは「スペースハンターアドベンチャー」と言うもので、それをきっかけに本作の開発がスタートしました。
私たちは本作の中でワクワクする冒険ができるような雰囲気を作り出したいと思いました。そしてプレイするすべての人に、宇宙船で飛び回って任務を遂行する、本物のスペースレンジャーのような気持ちになってもらいたかったのです。また私たちは、2Dアクションというジャンルに何か新しい風を吹き込みたいと思いました。最終的には、これらすべてに成功したと思っています。
――本作の特徴を教えてください。
Stepanまずは、もちろん第三の腕です!プレイヤーはこれを自由に操作できるのです。そしてこれはバトル以外にも使い道がありますよ。
2つ目は、本作の目に映るものすべてが手描きだということです!すべてのキャラクターたちと光、場所、背景、アニメーション、そしてインターフェイスもすべてうちのアーティストたちが手描きしました。
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――本作はどんな人にプレイしてもらいたいですか?
Stepan本作はストーリー主導のアドベンチャーで、練習やゲームの上手さは必要ではありません。ベテランゲーマーにも、ただ暇潰しをしたいような人にも、ぴったりのゲームとなっています。もちろん、プレイヤーキャラクターは常に動いているので、瞑想ゲームが好きな人には向いていません。何はともあれ、本作は幅広い層の人に楽しんでもらえるゲームとなっています。
――本作が影響を受けた作品はありますか?
Stepan主に影響を受けたのは、『Firefly』と「カウボーイ・ビバップ」です。また、プレイしていただくと、90年代のアドベンチャーゲーム、例えば『フラッシュバック』『アウターワールド』『アラジン』の影響にも気が付くでしょう。私はこれらの作品が大好きなのですが、だからと言って意図的に真似ようとしたわけではありません。気付かぬうちに似てしまいましたが、これは素晴らしいことだと思います。
――本作の日本語対応予定はありますか?有志翻訳は可能ですか?
Stepan現時点では日本語対応予定はありません。しかしもしどなたかが日本語翻訳を手伝ってくれるということであれば、大歓迎です!ぜひメールでご連絡ください。
――新型コロナウイルスによる開発への影響はありましたか?
Stepan新型コロナ以前、私たちチームは全員がオフィスで一緒に仕事をしていました。しかし、リモートワークにはすぐに慣れることができましたし、今では国のどこからでもゲーム開発が一緒にできるんだということがわかりました。
――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?
Stepanもちろんです。少しだけ秘密をお教えしましょう。私たちは、本作の動画をすべて見ています!プレイヤーの方々のリアクションを見るのが大好きですので、本作のレビューや配信も、楽しく見させていただきますよ。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Stepan私は、日本と日本のゲーム、アニメ、日本文化が大好きです。残念ながらまだ実際に行ったことはないのですが、いつか必ず行ってみたいと思っています。私は東京を歩く動画を見るのが大好きなのですが、まさに日本は未来の国ですね!私は1997年、初代PSで『バイオハザード』をプレイしていた時、ゲームというのがここまで複雑に、映画のようになることができるのかと驚かされました。
本作を遊ぶことで、楽しんで、幸せな気分になってもらえると嬉しいです。ありがとうございました!
――ありがとうございました。
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本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に500を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。