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「中華ゲーム見聞録」第94回目は、日本語版が11月12日にSteamでリリースされた中華武侠ファンタジーアクションRPG『古剣奇譚 ~星夜に謡い継ぐ万世の夢~』(中国名『古剣奇譚三』)をお届けします。
本作は上海燭龍信息科技有限公司が開発し、北京網元聖唐娯楽科技有限公司によって2018年12月15日にSteamで配信されました。配信された当時に、「中華ゲーム見聞録」第26回目で本作のプレイレポート記事を書きましたが、今回は日本語版リリース記念ということで、作品の成り立ちや見どころ、魅力について見ていきましょう!
『古剣奇譚 』シリーズとは?
本作は『古剣奇譚 ~星夜に謡い継ぐ万世の夢~』というタイトルですが、中国では『古剣奇譚』シリーズのナンバリング3作目に当たります。以前の記事でも少し書きましたが、シリーズ1作目は2010年に発売されました。
当時の中国はオンラインゲームが主流で(今でもそうですが)、シングルプレイのPCゲームはすぐに海賊版が出回ってしまうことから収益化が難しく、「こういうゲームを作りたい!」という強い意志が無い限りは、なかなか開発に乗り出せないという事情がありました。
ただ本作は、中国の伝統や文化を表現した作品ということ、また開発者の熱意やゲームクオリティの高さが発売前からネットユーザーを中心に伝わっていたこともあり、発売後は一躍中国の人気ゲームとなります。
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中国の武侠RPGとして人気なのは、台湾デベロッパーの開発した『軒轅剣』シリーズと『仙剣奇侠伝』シリーズでしたが、それに並ぶ形で『古剣奇譚』のシリーズ化が期待されました。ちなみに『軒轅剣』シリーズは現在7まで出ており、日本では『軒轅剣 閻黒の業火』のタイトルで、Steam/PS4でリリースされています。『仙剣奇侠伝』シリーズも最新作の7が、今年10月22日にSteamでリリースされていますね。
『軒轅剣』シリーズと比べると、『古剣奇譚』シリーズはまだナンバリング3作目なので歴史は浅いと言えますが、『古剣奇譚2』(2013年)が発売された翌年には実写テレビドラマ化もされ、視聴者数1億人越えの大ヒット作になっています。日本では「古剣奇譚 ~久遠の愛~」というタイトルで、アスミック・エースから配信されました。
また2014年にはMMORPG『古剣奇譚網絡版』のベータ版を立ち上げ、2018年には正式サービスを開始。それと並行する形で、本作が同年12月15日にリリースされました。現在(2021年)からするともう2年以上前の作品ですが、いま遊んでも十分楽しめる作品になっています。特に中国の武侠RPGを経験したことのない方は、日本語化された本作をプレイしてみるのも良い経験になるのではないかと思います。
そもそも「古剣」って何?
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シリーズタイトルになっている『古剣奇譚』の「古剣」ですが、「太古から伝わる剣」のことです。本シリーズはこの「古剣」を巡る戦いを描いた作品になっています。
はるか昔、「龍淵」という地に住んでいた部族が、禁断の術を使って、強大な力を持つ7本の凶剣を造り出しました。中国の古代神話には「三皇」と呼ばれる三神(伏羲・神農・女カ(カは「鍋」を女へん))がいますが、その内の伏羲が七凶剣のことを知って怒り、人類を滅ぼそうとします。ちなみに伏羲は八卦を発明した神ともされ、女カの兄とも言われています。
心優しい女神の女カは、伏羲が人類を滅ぼすことを止めるため、七凶剣を封印しました。さらには、伏羲の追求から逃れるため、女カは龍淵の人々を「地界」へと導きます(『古剣奇譚』の世界は、天界・人界・地界の3つの世界に分かれています)。
女カのお陰で人類は難を逃れたのですが、数千年という時の経過とともに、七凶剣への封印の力は薄れていきました。こうして『古剣奇譚』の物語が始まります。ちなみに『封神演義』だと、女カは紂王の傲慢に怒り、妲己という狐の妖怪を送り込んで商(殷)を滅亡に追いやっていたりしますね。
中国の「武侠物」は、ただ剣で斬り合うだけでなく、空を跳んだり、手から炎を出したりと、ファンタジー色の強い物が多い。これは近年の傾向というわけではなく、そもそも『西遊記』や『封神演義』などといった昔の作品で、すでに表現されていることです。本作のバトルも、そのような中華武侠物の様相を呈しています。次に本作のバトルシステムを詳しく見ていきましょう。
攻撃方法が多彩なバトルシステム!
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中国武術をふんだんに取り入れたアクション性の高いバトルシステムは、本作の売りとも言える部分です。ゲームパッドだけではなく、PCでのマウス&キーボードプレイを考慮して、「コントローラーモード」「ACTモード」「RPGモード」の3種類から操作方法を選べます。「ACTモード」はマウス&キーボードの簡易操作になっていますね。
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戦闘での基本攻撃ですが、Xボタンによる「軽攻撃」と、Yボタンによる「重攻撃」の2種類があり、これらを組み合わせてコンボ攻撃を仕掛けることができます。
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画面下中央にある青いバーは「元気ゲージ」と呼ばれるもので、一般RPGで言うところのMPやスキルゲージのようなものです。LTを押しながらX,Y,A,Bのいずれかのボタンを押すことで、ゲージを消費して対応する特技を発動させられます。元気ゲージは敵にダメージを与えると増えていきます。
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画面中央の一番下にある灰色のバーは耐久ゲージ。スタミナのようなものですね。RTを押すことで、ゲージを消費して緊急回避が行えます。また押しっぱなしにすることで疾走状態(走る)になります。その上の赤いバーはHPで、これが尽きると死亡。
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戦闘中にLBを押すことで、「ショートカットスロット」を開けます。ここではアイテムの使用や、仲間がいる場合には「行動戦略」の指示を与えられます。行動戦略には「付き従う」「バランス」「攻撃重視」「回避重視」があるので、状況を見て切り替えていきましょう。
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攻撃した際に敵が白く光るのは「覇体状態」と言い、敵が特殊攻撃の準備に入ったことを意味します。この場合、特技でしか敵を止められません。また攻撃した際に赤く光る敵は「強覇体状態」で、行動制限系など特定の特技でしかキャンセルさせられません。敵をよく観察して、攻撃方法を変えていきましょう。
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RBで防御。敵が攻撃する瞬間に防御することで、防御反撃(カウンター攻撃)が行えます。RBを押しっぱなしにすれば防御状態が継続されますが、耐久ゲージじわじわと減っていきます。ゲージが無くなると防御はできません。また右スティック押し込みで敵をロックオンします。
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左スティック押し込みで照準モードになり、Xボタンで投擲攻撃が行えます。近づくと厄介な敵は、これで遠くからチクチク攻撃するのも良いですね。また破壊可能なオブジェクトを壊すのにも使えます。
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ゲームが進行すると、「戦意スキル」を覚えます。特技を使用することで画面下中央にある球体のゲージが溜まっていき、満タンになった時に左右スティックを同時押しで、周囲の敵全体にダメージを与えられます。
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本作には「星韻」というスキルツリーがあり、「星魄」を消費して特技を覚えていきます。LTとRTを同時押しすればスキルリセットができるので、色々な組み合わせを試してみると良いでしょう。
冒険を彩るミニゲーム!
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ゲーム中には様々なミニゲームが用意されています(前回の記事では「釣り」を紹介したので、今回は省略)。画像は、ゲーム内で遊べる「千秋戯」というカードゲームです。『古剣奇譚』シリーズの登場人物や武器、地名などがカードになっていますね。
ルールは日本の花札に近く、手札と同じ季節(春・夏・秋・冬)のカードを、毎ターン画面中央の場のカードから1枚取ることができます。取るカードが無ければ、手札のカードを一枚場に捨てて、山札から1枚引きます。
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取ったカードは、利用した手札とともに、画面左にストックされていきます。カードの組み合わせによって、得点をゲット。花札で言う所の「猪鹿蝶」とか「月見で一杯」とかですね。双方の手札が無くなったら終了。花札を遊んだことのある方なら、すぐに理解できるかと思います。
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役の種類は結構多いですが、過去の『古剣奇譚』シリーズをプレイしていないと、そもそも組み合わせがわからないでしょう。例えば、人と武器、人と人、人と地名などの組み合わせですね。最初は何となくでプレイして、少しずつ覚えていくといいかと思います。コツとしては、主人公格のキャラクターは組み合わせが多いので、優先的に取っていくのがいいでしょう。
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対戦相手に勝つと、レアカードをゲットできる場合があります。レアカードは、ゲーム中に同名のカードが登場した時に置き換えることができ、特殊効果を発揮します。15枚までセットして、ゲーム中に持ち込めます。
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ゲーム中盤辺りになると、「蓮中境」という場所を拠点にできます。ここではアイテムの研究や製造、植物の栽培、魚の養殖、家畜の飼育などが行えます。本作ではアイテムやお金が得にくいため、拠点を利用して生産した方が効率が良いでしょう。
画像の畑では、種を撒いて薬草などを育てられます。育つまでには一定の時間が必要なので、冒険の合間に管理するのが良いかと。水をやると生長が速くなります。
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「研究」では、街でスカウトした職人を配置し、新アイテムの開発を行えます。研究中は、ミニゲームで開発の手伝いが可能。研究が成功したら、「製造」で素材を使って量産していきましょう。
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「禽類小屋」を完成させると、鳥を飼うことができます。定期的に卵をゲットしたり、鳥を捕まえて肉や羽根にすることも。料理やアイテムの材料にできますね。他にも様々な要素があるので、冒険の合間のスローライフを楽しんでみてください。
日本語で楽しめる武侠RPGの大作!
本作はボリュームのある作品で、サブクエストやアイテム収集までこなすと、かなりのプレイ時間になるでしょう。ストーリー中心の作りになっており、テキスト量も膨大であるため、これらが日本語訳されたのは喜ばしい事ですね。
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2年以上前のゲームですが、今プレイしてもグラフィックは十分良いですね。特に町中の風景などは作り込まれていて、旅行をしている気分になれます。これまでに中国の武侠RPGをプレイしたことの無い方は、新たな世界を知るためにも、まずは本作を遊んでみるのが良いでしょう(11月25日まで60%OFFの1,236円と、ゲーム内容からするとかなりコスパの良い価格になっています)。それとバトルはそこそこ難しいので、アクションが苦手な方はイージーでプレイすることをオススメします。
製品情報
開発・販売:上海燭龍信息科技有限公司、北京網元聖唐娯楽科技有限公司
通常価格:3,090円
サポート言語:日本語、中国語(簡体字、繁体字)、英語
ストアページ:https://store.steampowered.com/app/994280/_/