最新ゲームが毎日大量にリリースされる昨今。メーカーやストアのゲーム紹介だけでは「どんなゲームかわからない!」とお嘆きのGame*Spark読者も多いのではないでしょうか。私もプレイするまで正体が掴み切れず泣いています。そこで“なるべく早く”をモットーに、ゲームの生の内容をお届けするのが本企画「爆速プレイレポ」。
本記事では2021年11月30日に、PS4/ニンテンドースイッチ向けにリリース予定の2D横スクロールACT『時計じかけのアクワリオ』をご紹介。今回ありがたいことにニンテンドースイッチ版を事前にプレイする機会を頂きました。そのため本記事で触れた内容は、もしかしたら製品リリース時と一部異なるかもしれませんがご容赦頂ければ幸いです。
『時計じかけのアクワリオ』とは?
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本作にもともと、株式会社ウエストンビットエンタテインメントの共同設立者である西澤龍一氏によって、1992年にアーケードゲーム向けに開発が進められたものの、当時のゲームセンターの流行と噛み合わずにお蔵入りという経緯がありました。
しかしそこから約30年の時を経たいま、ININ GamesとStrictly Limited Gamesが当時の開発オリジナルメンバーの力を借りてついに復活へと至ったのです。
基本的なゲームの流れは、3人のキャラクターから1人を選んで、アクション豊かな2D横スクロール型マップを駆け抜け、敵のハンギョ博士をとっちめるというもの。親玉が魚っぽい名前のためか、敵のデザインも海の生き物がモチーフになっているのが可愛らしい。
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基本はシングルプレイですが、コントローラーを2つ用意すればローカルで協力プレイも可能です。ともあれさっそく紹介してまいりましょう。
コンテンツがいっぱい
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メニュー画面には、トレーニングモード、各難易度モード、ボーナスステージ、アーケードモード、さらにはギャラリーやサウンドトラックなど充実のコンテンツが並びます。ゲーム自体に慣れたいという方は、まずはトレーニングモードで練習すると良いかもしれません。
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各ゲームモードでは画面の設定が可能で、当時の感慨に浸りたいなんて時はエフェクトを調整すると、まるでブラウン管のモニターを再現!……ということもできます。
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ちなみにアーケードモードでは、もっとマニアックな「テストモード」に入る部分も再現されていたり。
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なおサウンドトラックに収録されている楽曲は、2006年にリリースされた内容と同じで坂本慎一氏によるものがメインですが、他アーティストによるRemix版も一緒に収録されています。
ゲームの流れ
道中の雑魚敵
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可愛らしい3人のキャラクターはお好みで選ぶと良いでしょう。道中で倒れてもコンテニューの際に違うキャラを選んで続けることも可能ですしね。
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性能差という程でもありませんが、ロボのGUSH(ガッシュ)はブースターのおかげか落下に少し浮遊感があります。
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さて本作の進行は、マップ最奥のボスを倒すことで次ラウンドに進むステージクリア型。マップ構成は前半と後半に分かれており、その間に中ボス、最奥にはマップボスが配置されています。
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ちなみにゲーム開始時に流れる数秒のムービーは、すべての操作法を端的に紹介する素晴らしい演出になっていたり。
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雑魚敵は道中のいたるところにスタンバイしており、たいていはその場で何らかの動きを繰り返して邪魔をするか、火の玉など遠距離攻撃をしてきます。それに対して主人公キャラたちは上からの踏みつけ、下からの頭突き、またはパンチや投擲によって攻撃することが可能です。
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ただし主人公たちは敵の攻撃や敵自体に触れるとダメージを負ってしまうので要注意。1回ならダメージを受けても行動可能ですが、2回目は死んでしまいます。敵の動きとタイミングを合わせて倒していくと良いでしょう。
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2回目のダメージで死ぬのは、一部を除きほとんどの雑魚敵も同じ。たいていは1回目で青くなって目をまわし2回目で破裂という儚い命です。ちなみに投擲による攻撃は、この青くなった状態の敵を投げつけることで行います。
投げる方法は簡単で、特別なボタン操作は必要なくキャラが勝手に持ち上げてくれるので、そのまま好きなように投げつけましょう。うまく敵にあてると一撃で溶けていきます。
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なお2人プレイの際は味方を殴りつけることで、同様に投げることもできます(鬼の所業)。個人的にここらへんは仲間内でワイワイ遊ぶとき、非常に盛り上がるポイントだと感じました。
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ところで、雑魚敵は倒すことでスコアポイント以外にアイテムを落とすことがあります。それらには体力回復アイテム、集めることで残機を増やせるアイテム、さらには無敵モードアイテムというのも。もし体力MAX状態などで持ちきれない場合は、そのまま投擲武器としても使用できます。
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また画面中央には残り時間も設定されており、0になるとゲームオーバーになってしまいます。ただそのタイマーはマップ前半、中ボス、後半、ボス戦と切り替わるたびにリセットされるので、よっぽど手こずらない限りはそこまでプレッシャーを感じる場面はありませんでした。
ボス戦の心得
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雑魚敵と比較すると中ボス、マップボスはトリッキーな動きをし、倒す際もやや高度な操作が要求されます。その上で中ボスとマップボスを比べると、サイズ差もさることながら攻撃の激しさは大きく異なります。とにかく攻撃を畳みかけてくるのです。
ダメージ2回で三途の川を渡る世界において、主人公チームにとって何よりのピンチは、画面内にダメージ判定のある障害物をたくさん並べられること。マップボスはそこらへんをよく心得ています。
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特に厄介なのは見かけと実際の判定にややズレがある攻撃。避けたと思ったら爪先をかすって昇天なんてこともしばしばでした。まあタンスに勢いよく小指ぶつけたら「ひんっ……(悶絶)」ってなりますから致し方ないのかもしれません。
ともあれ相手の攻撃は、基本的にはよく見れば必ず避けられるので、焦らずタイミングを合わせて確実に攻撃を当てていくと良いでしょう。あとは主人公の残機を利用して、あえて敵の頭上で復活することで踏みつけ攻撃を当て逃げしたりという戦い方も……。
おわりに
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約30年経って復活という胸を熱くさせるドラマを持つ本作。実際にプレイしながら感じるのは、本作が大切にされてきたという想いでした。月日は流れたものの、かつて幻となって消えかけたタイトルが、こうして「新作レトロゲーム」となって帰ってきたことは大変喜ばしいことかもしれません。
通常版以外に書籍とCDが同梱されたスペシャルパックもリリースされる本作、この機会にもし興味を持たれた方は是非触れてみてはいかがでしょうか。
対応機種:PS4/ニンテンドースイッチ
記事におけるプレイ機種:ニンテンドースイッチ
発売日:2021年11月30日
記事執筆時の著者プレイ時間:2.5時間
価格:通常版・スペシャルパックともに各ストアで価格が細かく異なるため、下記リンクの公式ウェブサイトからご確認ください。