最新ゲームが毎日大量にリリースされる昨今。メーカーやストアのゲーム紹介だけでは「どんなゲームかわからない!」とお嘆きのGame*Spark読者も多いのではないでしょうか。私もプレイするまで正体が掴み切れず泣いています。そこで“なるべく早く”をモットーに、ゲームの生の内容をお届けするのが本企画「爆速プレイレポ」。
今回はDejimaが開発を、Thunderful Publishingがパブリッシャ―を担い、2021年12月14日に、PC(Windows)向けにはSteam/GOG.comでリリースした、レスキューアクション『Firegirl: Hack 'n Splash Rescue』について生の内容をお届けしたいと思います。なお2022年にはコンシューマ向けにもリリース予定とのこと。
『Firegirl: Hack 'n Splash Rescue』とは?
本作は新任のレスキュー隊員として、街に蔓延る炎の魔の手から人々を救っていくアクションゲーム。プロシージャル生成によって、毎度様子の異なる現場の数々を駆け抜ける主人公「ファイアガール」の活躍を一緒に体験していきましょう。
操作・設定・言語
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設定項目は基本的な画質と音声の調整、そして操作系の変更といったシンプルなもの。本作はキーボード&マウスならびにコントローラーに対応しており、今回の執筆にあたり筆者はXbox Oneコントローラーを使用。なお、ありがたいことに言語は日本語にも対応しています。
チュートリアルステージは燃え盛る消防署
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ゲームを新規開始すると、3つあるセーブスロットからひとつを選択して早速チュートリアル。まずは燃え盛る消防署を鎮火することで小手調べという訳ですな。
レスキューの拠点に火の手があがりゃあ世話ねえぜ!というツッコミはともかく、本作の基本的な流れは、炎や障害物で大荒れの火災現場で、斧と放水ホースを使って消火作業と人命救助にあたります。扉や瓦礫は斧でふっとばしちゃいましょう。
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消火に際して放水はスティック操作で上下に向きを変えることが可能で、特に下向きにすることで上昇することもできます。ただし繊細なタイミングが求められ、上手く乗れないとただのホバリングか最悪落下してしまいます。
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この操作感は地味にストレスでした。
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ファイヤーガールは炎や落下によってダメージを受け、そのたびに画面左上のハートが1つ減って、ゼロになると倒れてゲームオーバー。ミッション失敗として拠点に引き戻されます。それでも一応、市からの予算という形で報酬はもらえたり。
体力の上に表示されているのは水の残量ゲージ。放水のたびに減少していくので、タンクが底をつく前にミッションを終えなければなりません。赤の目盛りを下回ってゼロになっても、時間経過で目盛りちょうど位に回復はするものの、チョロっとしか出なくなるので探索・救助はより難しくなります。
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炎はよく見ると顔がついたモンスター。コウモリだったり二足歩行だったりで襲い掛かってくるのもいるので放水で撃退しましょう。数秒の放水で断末魔とともに消え、それに対して制限時間は1体ごとに1秒ずつ延長されていきます。
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最初は炎をキャラクターに見立てたゲーム的なデザインなだけかと思っていたのですが、ストーリーが進むにつれどうやらそうではないことがわかり………?(安易なネタバレ配慮)
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このドクロのような炎は……!?
拠点では装備などのアップグレードが可能
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ミッション中にランダムで現れる要救助者のなかには、特別なスキルをもったキャラクターもおり、助け出して雇うことで装備などのアップグレードなどが可能になります。個人的に放水ホースの出力、タンク水量の順にアップグレードした方がゲーム序盤の苦労は減った感覚があります。
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他にも収入アップなどのボーナスを付与できるキャラクターもいたり。
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こちらは救助者とは関係なく、元から存在するショップ。主に強化装備が並んでおり、金額もお高めな設定であることから、ある程度ゲームが進んでからお世話になるところですね。
いざレスキューミッション
拠点の最奥にある消防車からレスキューガール出動です。現場はプロシージャル生成されるので、開始地点を除き、展開されるマップ構成は毎回異なります。
なかには走る列車を駆け抜けて停止させるというものもあったり。ただ開始と同時に走り出すと線路に落下してそのままゲームオーバーになるので要注意。
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マップは文字通り縦横無尽に広がります。来た道が火の手で阻まれたりするため、右に進んで2階に上がってから左に戻り1階へ……といった紆余曲折が時には必要になります。
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ミッションには画面上部にあるように3分の制限時間が設けられており、これが1分を切ると建物が傾いて崩壊をはじめ、ゼロになるとゲームオーバー。
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要救助者は接近することで自動的にRESCUED(救助完了)になります。
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なお画面右は地味に見える非常口マークが脱出口で、通ることでミッション完了。この場所もミッションごとにランダムで、たまに開始してすぐ出口部屋を見つけることもあります。
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全員助け出していると、ここに表示される死傷者の数はゼロになります。それに伴いファイヤーガールを応援するファンの数が増え、報酬金額も上乗せされます。そこで稼いだ金額は拠点でのアップグレードに使えるのでガンガン救出に向かいましょう。
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また功績に応じて勲章となるメダルをもらえたり。これらは装備することで放水時の使用水量が軽減されたりとボーナス効果があります。
惜しい点
プロシージャル生成のマップは有りだと思います。毎回違う火災現場を提供してくれるのでマンネリ防止にはなるものの、本作の場合はゲームバランスを整えたらもっと輝いた要素だと感じました。というのも制限時間×水残量×要救助者×出口といった要素が絡み合って、テンポを著しく悪くしているという状態だからです。
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例えば、現場では床や天井だけでなく壁にも火柱が上がったりしているので、安易に走ればマップ切り替えの瞬間ダメージを受けてゲームオーバーなんてこともザラでした。あと走りながらホースを構えると慣性でほんの少し前方に滑って、そのせいで止まり切れずに炎に突っ込んでダメージというのも……。
じゃあ炎含めて少しずつ消火しながら落ち着いてゆっくり歩こう、と考えますが今度は制限時間と水残量の壁にぶつかります。
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制限時間は消火活動によって延長されますが、せいぜいが消火1つにつき1秒程度。行く手を阻む炎をすべて消すには間違いなくそれ以上の秒数を使うので、延長したところでまさに「焼け石に水」。正直なところ広いマップを歩き回って要救助者を探すほど十分な時間がありません。
水の残量も(序盤ではなかなか厳しい金額を貯めて)アップグレードしない限りはあっという間に枯渇してしまい、探索・救助どころじゃないというのが実情。
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そして要救助者数もその都度ランダムで、ミッション開始前で「たまに」何人が現場に取り残されたのかがわかる程度で、実際はリザルトを見るまで正確な人数がわかりません。全員助けないと報酬も増えないので無視はできないのが厄介ポイント。
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一応、要救助者のいるエリア近くだったりすると署長のセリフが流れはしますが、それが上の階なのか下の階なのかわからないので、結局はマップ全体を探索しなければなりません。
要救助者がまだいるかもと、スルーして別の部屋を探しに行こうものなら火の手が上がって一方通行……そうやって迂回を強いられるうちに制限時間がきてゲームオーバーというパターンも。
道中にお助けアイテムとして水タンク・制限時間の回復といったアイテムも出現しますが、やっぱりランダムなので運が悪いとほとんど何も拾えないまま終わります。
おわりに
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もう少し突っ込むと、上記の惜しい点の根っこはつまるところ「制限時間」「水残量」という2つのストレスにまとめられます。それらは装備・拠点のアップグレードによって軽減されていきますが、個人的にはそういったストレスは一つに絞れば、さらにプレイ体験が向上するのではないかと感じます。
例えば連続消火で1秒、5秒、10秒という具合で加速度的に制限時間を延長させる、またはデフォルトで時間経過による水残量が回復……など。そうすればより爽快感のある消火活動がプレイできるのではないかと!
ともあれ序盤の金策に耐えてアップグレードさえ進めてしまえば、かなり遊べるようにはなります。ストーリーも先が気になるものではあるので、アップグレードだけ……アップグレードさえ進めていざゆかん炎のレスキュー……!
対応機種:PC(Windows)
記事におけるプレイ機種:PC(Windows)
発売日:2021年12月14日
記事執筆時の著者プレイ時間:2時間
価格:通常価格 1,840円、セール価格 1,656円(21年12月22日まで)