注意
本記事タイトルが目に入った瞬間、ゲーム内の表現とは頭ではわかっていても、「気軽に病みという言葉を使うな、失礼ではないか!」などの感想を少しでも抱いた方は、ここでブラウザバックすることを強くお勧めします。
また本作には、病んでる系のパートナーとそれに伴う精神に負荷を受ける演出がしばしばあり、そういった類が苦手な方も心の平穏のためここでブラウザバックをお勧めします。
さらに本作はテキストアドベンチャー故、紹介するにあたり内容およびスクリーンショットによるネタバレは避けようがなく、事前情報少なくプレイされたい方におかれましても、やっぱりスパくんの顔を張り倒してブラウザバックをお勧めします。
最新ゲームが毎日大量にリリースされる昨今。メーカーやストアのゲーム紹介だけでは「どんなゲームかわからない!」とお嘆きのGame*Spark読者も多いのではないでしょうか。私もプレイするまで正体が掴み切れず泣いています。そこで“なるべく早く”をモットーに、ゲームの生の内容をお届けするのが本企画「爆速プレイレポ」。
今回はWSS playgroundとXemonoが手掛け、2022年01月21日にSteamにてPC(Windows/Mac)向けにリリースした、病み系配信者育成ADV『NEEDY GIRL OVERDOSE』について生の内容をお届けしたいと思います。
本作における「動画投稿・生配信及び二次創作活動に関して」は、こちらをご確認ください。
『NEEDY GIRL OVERDOSE』とは?
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本作は配信者としてネットアイドルを目指すキュートでポップな女の子との交流を楽しむアドベンチャーゲームです。いや、正確にはキュートでポップの後に「精神よわよわ」とか「クソワガママ」などが続きますし、さらに付け加えるなら「お薬キメちゃうヘヴィグラヴィティ」も添えたいところ。
あら怖い、ちゃんとハッピーエンドまで導けるのかしら……とプレイに不安を覚えるかもしれませんが大丈夫、ほぼマルチ破滅エンディングです。
ともあれ今回はありがたいことにリリース前に先行プレイをさせていただきました。発売後とは一部内容が異なるかもしれませんが、早速紹介してまいりましょう。
なお、筆者はとてもお察しな個人的理由により、大変「キュートでポップな精神よわよわヘヴィグラヴィティガール」に思い出とトラウマを刻みつけられております……。そのため記事内には度々トラウマポイントの記載がありますが、筆者の心境を心で理解して頂ければ嬉しいです。
操作・設定・言語
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設定画面は極めてシンプルで音量、言語、スクリーンサイズの変更が可能です。操作はキーボード&マウスのみに対応しており、デスクトップPCを模したインターフェースなので快適でした。
そして言語はもちろん日本語対応。パロやメタにネットミームを絡めながら、よくぞここまでアレなキャラクターを表現していると感じます。
基本的なゲームの流れ
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ゲームを起動すると郷愁を誘うロゴが表示されます。本作においてしばしば立ちのぼる「平成の香り」がたまりません。
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物語のメインストリームにおいて、プレイヤーはゲーム内で、キュートで(中略)な女の子あめちゃんのピと二人三脚して「配信者として成功」を目指します。具体的な指標として用意された「フォロワー数100万人超え」というのは大変わかりやすいですね。
ちなみにピというのはゲーム内の説明では「あめちゃんの好きなピ」、Steamストアでの説明によれば「性別・年齢・あらゆるものが不詳。つまり、あなたなのかも?」という意味。大変わかりませんね……ピーピッピ!(発狂)
ゲーム内世界には朝、夕、夜と3つに区切られた時間の概念が流れており、翌朝を迎える毎に1日経過します。全体で30日が用意されており、その限られた期間の中で目標達成と破滅のために様々な行動をとっていくのです。
マルチ破滅エンディングとありますが、見方によってはハッピーエンドな破滅(?)もあるにはあるんです。しかしそれは誰にとってハッピーで、誰にとっての破滅なのか……。
行動の取捨選択が大切
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目標達成のためには、配信を行って視聴者(フォロワー)を増やすことが基本の“基”。朝・夕の時間帯を利用して、ネタ探しなどの「自由行動」をとってまいりましょう。
行動によって時間が経過し、場合によっては翌朝まで飛ぶこともあります。配信は夜しか行えないため、行動選択の際は時間経過にも気を配る必要があります。
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それぞれの行動は画面左、縦に並んだアイコンから選択可能です。「配信」以外には「あそぶ」「ねる」「おくすり」「いんたーねっと」「おでかけ」と、一部ナチュラルに二度見してしまうアイコンはさておき、「!」がついたものは動画の新ネタを得ることができるのでおすすめ。
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例えばこちらの「あそぶ」アイコン内に並ぶ「ゲーム」や「こみゅにけーしょん」などが動画のネタトピックになるということですね……えっちなことできんの!?(二度見)
あめちゃんのステータス
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自由行動はネタ探しだけでなく、あめちゃんのステータスに影響を与えます。「たすくまねーじゃ」ウィンドウに表示される「フォロワー」「ストレス」「好感度」「やみ度」という上限100の各数値が増減することで、めくるめく破滅エンドの分岐に繋がります。
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考えなしにえっちなこといっぱいしてたら3日目でエンディングに突入した最低野郎は私でした。ならばといっぱい考え、今度はストレスとやみ度が高まる度にえっちなことしてたらやっぱり大変な目に遭ったのも私でした。ハッピーエンドってなんなんでしょうか。
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とにかくステータス管理は本作において極めて重要な要素。トレードオフな関係で響き合うので、時にはあえて「好感度を下げる」ことがむしろ未来へ繋がることもあったり。くれぐれも慎重に選ばなければなりません。
配信しよう!
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そんなこんなで迎えた夜……ストリーマーの活動時間です。配信で選ぶトピックはフォロワー数の増え方は影響を与えます。あめちゃんの「コミュ力」などの能力にボーナスがついて、フォロワー数がブーストされることもあるので、なるべく多くのボーナス項目を持つトピックを選ぶと良いでしょう。
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ただしリアルタイムで地獄のネットを相手にする配信は精神への負荷が非常に高く、トピックによっては「ストレス」の値がぐーんと上昇してしまいます。そんな時は翌日の自由行動でリフレッシュさせる必要があります。あえて1日中寝かせるのも手かもしれません。
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ところで配信中チャットに流れるコメントは、時にあめちゃんを傷つけストレスを加速させることがあります。我々ピーピッピはそんなコメントの中から「悪意があると思われるもの」を削除したり、あめちゃんがピックアップして読み上げるものを選択したりと適切に処理していくのです。
あめちゃんと交流しよう!
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本作は「自由行動」と「配信」を軸に進行していくゲームですが、その醍醐味はあめちゃんとのコミュニケーションにあります。「うぇぶかめら」に表示された彼女の様子は、ステータスによって変化し、クリックで頭を撫でることでゴキゲンを取れます。
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「ぽけったー」なるSNSにはネットアイドル以外に、素の彼女が所謂「裏垢」で本音をぶちまけており、こちらからアクションを起こすことはできませんがその内容は要チェックです。
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唯一コミュニケーションが取れる手段はメッセージアプリ「JINE」です。おはようからおやすみまで彼女に反応を返してあげましょう。ただしこちらからはスタンプ返信のみ可能。我々は概念であるため文字を封じられた存在なのでしょうか。
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……と、思ってたら文字打てる時もあった。
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この響かなさ(RT数を眺めつつ)。
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またLOVEスタンプに対してあめちゃんが「999999回言って」と返してきたので、お望み通りLOVEを連打したところ……、
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この仕打ち。
こういったやり取りも、ある種「あるある」に基づいていたネタであると個人的には感じます。なんせちょくちょく過去のトラウマが脳裏をよぎりましたから。その場のノリや感情で吐き出された言葉に振り回され、ピーラーで心を薄皮一枚ずつしょりしょりされていくあのトラウマが。
たまにはちょっとやむやむ
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彼女のステータスはこうしたコミュニケーションにも影響を与えます。画像は「あ、いかんストレス値がオレンジ!」と気づいた時には真っ赤に染まっていた図。おはようございました。
「だーくねす」なるウィンドウが表示され、ピンクのバーが肌色の長方形を上下に移動しています。そしてJINEには「切ってみてよ」といった不穏な文字。わかりますか。スタンプでぴえんとしか返せなくなっている私の心境が。
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一方でこちらは「ストレスもやみ度も正常範囲だな!」と思った矢先に送られてきたメッセ。ここでちょっとでも「めんどくせえ!」とでも思おうものならピッピ失格です。画像だとナチュラルに酷い返信選択肢が並んでいますが、筆者は過去の経験を活かし「大丈夫だよ」を選びます。
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めんどk……そんなことをちょっとでも思おうものならピッピ失格です。選択肢が相変わらずナチュラルに最悪の主張をしていますが、BGMが不穏すぎるので怖くて選べません。
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なおJINEで送られてくるメッセージは無視することも可能です。ただしそれは好感度へダイレクトに影響を与え、ぽけったーでも「未読無視すんな!」と怒りの投稿がされてしまいます。それでも無視し続けると……?
エンディングは21個……か?
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本作には3つのセーブスロットが用意されており、それぞれ30日まで毎日記録されます。
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これは大変便利な機能で、例えば意図しない結果を迎えた場合、セーブスロットから何日か前に戻ってやり直しができるのです。
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ただし戻った日以降の記録が消えるので要注意。うっかりやらかして泣きながらリトライしたのは誰あろうこの私です。そして「アカ転生」は初日からやり直しになります。うっかりやらかしてまたリトライしたのも誰あろうこの私です。
ところで画面下部に並ぶ青いアイコンはエンディング数を示しています。全部で21個あり、エンディング名はミームからきわどいものまでネタに富んでいます。エンディング分岐のヒントには……なっているのかな……?
ただ気になるのは、各エンディングに到達すると「ゲーム内で登場したイラストセット」をご褒美として貰うことができるのですが、そのセットは確認できるだけで30個あるんですよね。表示されているエンディング数は21個なので、もしかして「隠し」もあったりするのでしょうか。
おわりに
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名だたるメンバーによって、濃密ぎっちぎちに作り上げられている本作。インタラクティブな要素と、しばしば心にぐっと重いものを乗せてくる演出がこちらをぐっと引き込み、没入感を高めてくれます。個人的にプレイしていて胸がギュッとなって思わず手をおいたテキストアドベンチャーは久々かもしれません。
ともあれ筆者は2020年11月のINDIE Live Expo IIで発表されてからプレイを楽しみにしていました。あらためてこの場をお借りして、先行プレイの機会を頂戴したことに御礼申し上げます。
対応機種:PC(Windows/Mac)
記事におけるプレイ機種:PC(Windows)
発売日:2022年1月21日
記事執筆時の著者プレイ時間:5時間
価格:1,680円