気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Fábio Fontes氏開発、PC/Linux向けに1月11日にリリースされたドリフトアクション『Buck Up And Drive!』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、名作アーケードゲームに影響を受けたドリフトアクション。エンドレスに続く道を、様々なトリックを決めながら、カッコよく走り抜けていきます。他のプレイヤーやCPUと戦える1対1の対戦モードも搭載。記事執筆時点では日本語未対応です。
『Buck Up And Drive!』は、820円で配信中。
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――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?
Fábio Fontes氏(以下Fábio)こんにちは!Fábio Fontesです。ポルトガル出身で、フリーランスのイラストレーター兼インディーゲーム開発者です。本作は私が作った初めてのゲームになります。
もし数年前に「一番好きなゲーム」を聞かれていたら『ゼルダの伝説 時のオカリナ』と答えていたでしょう。しかし一本だけのゲームを好きになるということはもうやめました。ちょっと自惚れているように聞こえるかもしれませんが、世の中にはたくさんのゲームがあり、それぞれがまったく異なる体験をさせてくれます。そのため、最高の一本を選ぶと言う行為は、ゲームというものの本当の素晴らしさを狭めてしまうように思うのです。とはいえ、今でも『ゼルダの伝説 時のオカリナ』は大好きです!
――本作の開発はなぜ始まったのですか?
Fábio本作はGameMaker Studio 2と言う3Dがそれほど得意でないゲームエンジン上で、3Dグラフィックの実験をするために作り始めました。やれるならやってみよう、といった感じです。また、当時私はYouTubeで『アウトラン』と『アフターバーナー』といったスーパースカラーを使った昔のゲーム動画を見ており、これらのゲームがどのように動作しているか理解し、これと似たようなスタイルを3D環境でやってみたいと思ったのです。
――本作の特徴を教えてください。
Fábio本作はエンドレスなドライビングゲームで、スケートボードゲームのようにガードレールを使ってグラインドができます。エアトリックをしてポイントを稼ぎ、他の車を攻撃したり、パトカーにはチャージアタックや格闘ゲームのように技をだしたりできますし、1対1の対戦モードも用意されています。デカールで好きなように車のカスタマイズも可能ですよ!あなたのお気に入りのペットであるインコの写真なんかを使うこともできます!
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――本作はどんな人にプレイしてもらいたいですか?
Fábio本作は元々個人的な実験作ですので、どんな人に遊んで欲しいかと言うのは念頭に入れずに作っています。クールなものを作ろうと思っただけなのです。もしトレイラーを見て面白そうだなと思っていただけましたら、そんなあなたが本作のターゲットなのではないでしょうか。(笑)
――本作が影響を受けた作品はありますか?
Fábio上でも述べたように、メインのインスピレーションは『アウトラン』のような名作アーケード作品から受けています。他に影響を受けたものだと、スピードブーストという点では『マリオカート』、アグレッシブなゲームプレイという点では『バーンアウト』シリーズ、バトルシステムや「Shifty Gear」という1対1のモードは、いくつかの格闘ゲームから影響を受けています。また、本作の車に使われているセルシェーディングは、アークシステムワークスの最近の作品に使われているテクニックを参考にしています。他にも走っている時のビジュアルやドリフトにフォーカスしている点はアニメ「頭文字D」から影響を受けていますし、AE86に似た車が出てくるのも同様ですね。
――本作の日本語対応予定はありますか?有志翻訳は可能ですか?
Fábio自分1人のプロジェクトにしたいので、翻訳の計画はありません。しかしもしどなたかが翻訳Modを作っていただけるのでしたら、それを否定する気もありません。本作はサクッと遊べるアーケード風のゲームですので、テキストもあまり多くありませんし、英語がわからなくても楽しめるのではないでしょうか。
――新型コロナウイルスによる開発への影響はありましたか?
Fábio私はフリーランスのイラストレーターですので、以前から自宅で作業をしており、すべての仕事がオンラインです。そのため、パンデミックは私の日常や本作の開発にそれほど影響を与えませんでした。今のところ感染もしていないです。皆さんも気をつけてくださいね!
――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?
Fábioもちろんです!もしあなたがインディー開発者なら、配信者の方たちはあなたのゲームを有名にする素晴らしい味方ですよ。ファンの多い方なら尚更ですね。配信者の方にとってはコンテンツであり、視聴者の方にとってはエンターテインメントであり、私たち開発者にとっては宣伝なのです。みんなが勝者ですね!
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Fábio本作をパッと見て気に入っていただけましたら、ぜひ遊んでみていただけると嬉しいです!また、もしこれを読んでいる人でゲーム開発をしてみたい方がいらっしゃいましたら、今はオンライン上にツールやチュートリアルがたくさんありますので、以前よりも格段に簡単になっています。ほとんどのものは無料で使えますので、躊躇せずに挑戦してみてくださいね!
――ありがとうございました。
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本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に500を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。