注意
本記事はプレイレポという性質上、ネタバレが含まれます。というか初見だからこそ「んもう、おバカ!」と笑うタイプのゲームだと思うので、そこらへん事前情報ナシで遊びたい方はここでブラウザバックを強くおすすめします。
最新ゲームが毎日大量にリリースされる昨今。メーカーやストアのゲーム紹介だけでは「どんなゲームかわからない!」とお嘆きのGame*Spark読者も多いのではないでしょうか。私もプレイするまで正体が掴み切れず泣いています。そこで“なるべく早く”をモットーに、ゲームの生の内容をお届けするのが本企画「爆速プレイレポ」。
今回はMajorariattoが、2022年03月29日にSteamにてPC(Windows/Mac/Linux)向けに無料でリリースした剣を抜くコメディゲーム『The one who pulls out the sword will be crowned king』について生の内容をお届けしたいと思います。
『The one who pulls out the sword will be crowned king』とは?
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本作は台座に刺さった剣を抜いたら王になれるゲームです。説明おしまい。
……いや、本当にこれ以外の説明ができないのですよ!そもそもタイトルからして「剣を抜いた者が王になる(直訳)」という出オチで、実際のプレイもタイトルに偽りなしという直球勝負も良いところなんですこのゲーム。
そんな腰砕けタイトルであるにもかかわらず、リリースから1日も絶たないうちにレビューは「非常に好評」。記事執筆時点において、投稿されたレビューは既に3000件を越えるという盛り上がりを見せています。
レビューの内容を見るに、やれ「抜きゲー」だの「エルデの王」だのさっぱり意味がわからないけれど大喜利状態。人々をここまでお祭り騒ぎにする本作の魅力は一体何なのか?
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「実績が2つしかない」という部分にも妙な胸騒ぎがしますが、早速紹介してまいりましょう。
王の設定あれこれ
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操作はマウス&キーボードに対応。剣を抜く動作はマウスによるクリック&ドラッグによるものですね。そのマウス感度はゲーム側の設定から10~900%までお好みで調整可能。敏感な王となれ。
言語は英語・スペイン語に対応、その他スクリーンモードの設定など基本的にはシンプルですが、アクセシビリティについてだけは最も特徴的な本作ならではの項目が並びます。
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「剣の長さ」と「剣の重さ」……オフラインモードで遊ぶ場合はこの2つを弄ることでゲームの難易度を調節できます。これらについてはまた後ほど。
正統な王となれ
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さあやってまいりました本日の「王となれ」のコーナー。本作はオフライン・オンラインの2つのモードが存在し、後者においては世界中から集まった王にならんとする人々が剣を抜こうと争っています。
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しかし筆者は平和原理主義武闘派なので、まずは他者との争いのないオフラインで王を目指しましょう。画面中央にあるエイムカーソルを剣に合わせてクリックしてホールド、そこから上方向へドラッグすることで剣はゆっくり抜けていきます。
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剣をつかむ場所は持ち手でも刀身のどこでも良いのですが、途中でクリックをやめてしまったり、またはカーソルが剣の左右からはみ出してしまうと、手からスルリと台座に落ちてやりなおし。ただ力任せに引っ張り上げるのではなく、優しく丁寧に抜いてあげることが肝要なのです。
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ただし問題は、プレイする筆者が握るマウスはテーブルの上にあり、つまるところ物理的な制約によりドラッグできる限界距離があること。そのため限界までマウスを動かしたら一度、クリックしたままマウスを宙に浮かして元の場所に戻し、再度ドラッグをする必要があるのです。
これがまた曲者で、その浮かして戻してのちょっとした手の動きが、そのままカーソルの「ブレ」として反映されるので、いつもの調子でカッカッとマウスを触れば簡単に剣を取り落としてしまいます。
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鉋掛け(かんながけ)の要領でマウスを両手でつかみ、机の上を静かに滑らしては戻す繊細な作業……王となるには、天の声と地の声に耳を傾け、特に地の声そのものである民心を理解するには、ときに細やかな気配りも必要になってくるのです……あんまりにも地味な反復作業なので思考が明後日に飛び始めますが正気を保ちま……
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…………………………。
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微笑んでモニターを見つめる筆者。
王となれ(Take2)
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くしゃみひとつで剣を取り落した衝撃を忘れて再挑戦です。先程の敗因は机の上という狭い環境で抜こうとしたのがいけなかった。片付けて空きスペースをこしらえてもせいぜい60~70cm程度の直線距離。
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それでれば床でやればメートル単位で距離が稼げるぞと、床に四つん這いになって始める筆者。どうですかなりの高ペースで抜けてきていますよ。
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そんなとき窓に反射した自身が写る視界の隅。深夜、蛍光灯が無機質に照らす真下、そこにはダウンドッグのポーズでマウスを進める狂人がいまs……あもう腕限界
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…………………………。
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微笑んでモニターを見つめる筆者(画像使いまわし)。
王となれ(Take3)
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もうやってられるか。なにが王だ……ということで、ひとつ攻略法に気づいた筆者。
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そう、抜いてる途中でEscを押せばポーズメニューに入れるのですが、ポーズ解除するときにクリックを保持してさえいれば、ブレを気にせず位置調整ができてしまうのです。
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これまで限界距離までドラッグしてから、そろりそろりとマウスを戻すという作業が不要になり、代わりに戻す際にポーズを一度挟むことでだいぶ操作が楽になりました。もちろんその場合であっても、勢いをつけて動かすのはご法度で、左右にはみ出さないよう注意する必要はありますが、それでも大きなテクニックの発見です。
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だいぶ抜けてきました……って、どこまで長いんだこの剣!!よーく観察すると、少しずつBGMが壮大になり始め、また天から光が降り注いでいることがわかります。
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まだかよ!BGMはすでに「もう抜けますよ!クライマックスですよ!絶頂絶頂!」というくらいに大盛りあがりで、実際とのギャップにただただ心が焦れていくのを感じます……と、その時。
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へ?
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一瞬の空白、「俺またなにかやっちゃいました?」的な空気を挟んでからBGMが切り替わり、王の椅子?へといざなわれる筆者。あら、皆さん後ろにスタンバってたんですか。じゃあアレですか、私、衆人環視のなかでポーズメニュー戦法をやってたんですね……民草よ、卑怯とは言うまいな?
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このあともエンディングムービーは続くのですが、流石にそこは割愛。
真の王となれ
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さて今度はオンラインモードです。正統な王(実績名)になったことですし、剣を抜く勘所は掴みました。いまなら電磁抜刀もできるはず(悪鬼)。
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オンラインはランキング100のリストがあり、王となったプレイヤーたちが名を連ねます。たかだか剣を抜くだけで何故ランキング?と思われるかもしれませんが、それは特殊なルールに理由がありました。なんと一度抜かれるたびに剣がより長く、そして重くなっていくのです。
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物は試しと持ち上げようとしましたがビクともしない。何回かの往復で、柄が辛うじてやや上方へ移動しているのが確認できる程度には重い。めっちゃ重い。
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踏ん張ってウンウン唸ってる時、「他の誰かが王になった」ことがリアルタイムで通知される謎のオンライン要素が笑いを誘います。
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だめだ!現在難度が9500に届くということもあって、生半可なマウス捌きでは太刀打ちできないようです。
偽りの王となれ
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オンラインはやはり魔境でした……そこでもう一度オフラインに戻り、長さだの重さだの一体何がどう影響するんだ、ということで本日の検証コーナー。その前にまずはカーソル感度を900%にして、操作感の違いを確認しましょう。
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敏感すぎて剣を掴むことすらままならない感度3000倍の王が誕生しました。スタートすら難しいのでこれは玄人向けの難度ですね。
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次は長さを最短にしていみます。
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短っ!
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あ、いいですいいです連れて行かないで。
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では今度は最長にしてみます。
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長い長い。
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長い長い長い!
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あ、いいですいいです連れて行かないd……見切れとる!(右下)
なお重量については、一番重くしてもオンラインよりかは動かしやすい体感でしたね。
おわりに
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腰砕けゲームではありますが、こうして色々攻略を考えているときはなかなか楽しいものがありました。オンラインで真の王にはなれませんでしたが、おそらく集中力を保ちながら根気よく続ければいつかは剣も抜けるはず。
というかこれ、本作が注目される前にスタートダッシュを決めたプレイヤーたちのほうが圧倒的に有利であります。ここらへん現実も同じであるとやや強引に絡めた教訓話として活用できる……かもしれません。
対応機種:PC(Windows/Mac/Linux)
記事におけるプレイ機種:PC(Windows)
発売日:2022年03月29日
記事執筆時の著者プレイ時間:1.5時間
価格:無料プレイ