注意
本記事はパズルゲームを取り扱いますがプレイレポという性質故、解法のネタバレになり得る情報が含まれます。事前情報を入れずにプレイしたいという方におかれまして、この時点でブラウザバックを強くおすすめします。
最新ゲームが毎日大量にリリースされる昨今。メーカーやストアのゲーム紹介だけでは「どんなゲームかわからない!」とお嘆きのGame*Spark読者も多いのではないでしょうか。私もプレイするまで正体が掴み切れず泣いています。そこで“なるべく早く”をモットーに、ゲームの生の内容をお届けするのが本企画「爆速プレイレポ」。
今回は個人デベロッパーであるPatrick Traynor氏が、2022年03月30日にSteam/itch.ioにてPC(Windows/Mac/Linux)向けにリリースした『Patrick's Parabox』について生の内容をお届けしたいと思います。
『Patrick's Parabox』とは?
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本作は一風変わったパズルゲームです。ルールは簡単で、自キャラを操作してブロックを押し動かし、指定されたマスに収めることができたらステージクリアというもの。ここまでは往年の名作『倉庫番』と同じなのですが、本作はそこへ「ブロックにブロックを出し入れする」という新ルールを追加しています。これによりさらに深い先読みが必要になり、シンプルな見た目に反してかなり頭を使います。
名作パズル『Baba Is You』がルールという「枠」自体を動かすプレイであるのに対して、こちらはパズルという「箱」自体を動かしていく感じでしょうか。いずれにせよ行き詰まって、しばらくウンウン悩んでから、解法に気づいた瞬間の爽快感たるや!戯れにちょっと動かしたブロックがトリガーとなり「あぁ!?」と、もつれた糸が一気に解けるあの感覚は筆舌に尽くしがたいものがあります。Priscilla Snow氏のBGMもまた素晴らしい……ともあれ早速紹介してまいりましょう。
上の注意書きにも書きましたが、本記事はプレイレポという性質上、パズルゲームは特に紹介がそのままネタバレになってしまいます。そのため改めて、事前情報を入れずにプレイしたい方におかれましては、ここでブラウザバックを強くおすすめします。
設定まわりについて
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本作はキーボード&マウス、ならびにコントローラーに対応。マウスに限っては、メニューとパズルのズームイン・アウト操作くらいで、基本的に主な操作はキーボードで行います。またキー・ボタン配置も自由に変えられるため、キーボードとマウスどちらで遊ぼうかしらんという方は、お好みで選ぶと良いでしょう。
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その他設定項目はかなり細かい項目を調整可能で、特にアクセシビリティが優れています。キャラクターの動き、マスの演出、配色、デザインなどなどいくつもの項目が並び、最初から全パズルが利用可能になるという項目もあったり。
なお言語は日本語にバッチリ対応しています。
本編開始
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さて始まりました『Patrick's Parabox』、本作のゲーム進行は非常にシンプル。ステージ内にはいくつかのパズルが用意されており、指定の数をクリアすると、次のステージに進めるようになります。
指定の数というのは例えば上記画像下部、緑ブロックの上に「0/9」という表示がありますが、これは「現在0個のパズルをクリア」しており、次のステージに進むためには「全9個のパズルをクリア」する必要があるとわかります。
ステージ内の各パズルは、ゴールまで直線でつながっており、最初のステージでは順番通りにクリアしていきます。ステージが進むにつれ直線が枝分かれしたり、パズルが順不同で選べたり、特別なパズルが遊べたりと自由度が上がるのでお楽しみに。ちなみに今更ですが「点々の目」がついた赤紫のブロックが、我々プレイヤーが操るキャラクター、いわば主人公にあたりますね。
こやつを狭いところへ追い込んでどのように出し入れするのか……という「視点の拡大縮小」をどれだけできるかが、後々の攻略において大切なスキルになってきます。
動かしてみよう
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さて実際にいくつかパズルを見せつつ動きを紹介していきましょう。なるべく完成形をお見せするのを控えてはいますが、途中のスクショが解法のヒントになり得るので、そこらへんについてはご容赦願います。
ステージ内で並ぶパズルブロックに主人公の身体を押し付けると、ぬるりと中に入り込んでパズルが始まります。上記画像においては、2つのオレンジ色のブロックが縦に並んでおり、それぞれ画面下部左右の白い枠線内に収める必要があるのがわかりますね。
主人公の位置も定められており、他のブロックはハマっても自分が居場所をなくすとゴールにはならないので注意が必要です。
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一見シンプルですが意外と奥深いこのゲーム、行き詰まったときは気軽に「ひとつ戻る」や「最初からやり直し」を選べるのが良いですね。
メニューからヒントを見るのも良いでしょう。大したこと書いてないがな!と思ってはいけません。魚を与えるのではなく釣り方を教えるこのヒントは、パズルを進めるにつれ「なるほど!そういうことか!」と膝を打つ場面が増えてくるのです。
出し入れしてみよう
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上のTwitterでもありましたが、別のパズルにおけるコマ送り。ご覧のように主人公だけでなく全てのブロックは、中が空洞の「箱」ブロックに入り込むことができます。ただしそのためには、受け入れる側の箱が「動かない状態」であることが条件。
あらためて画像を見るとなるほど水色の箱ブロックが、オレンジ色のブロックごと壁際に押し付けられて「動かない状態」となったところへ、オレンジ・主人公と順番に突入されていますね。
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箱に入り込むと、このように画面がズームインされ内部の様子を確認できます。そう、箱の中にも別のパズルがあるんです。なお箱から「出る」ことについては、箱自体の状態にかかわらず、主人公が出口を通るだけで外に出られます。勘の良い方は気づかれたかもしれませんが、上記の箱内部パズルは、左から入り込んで、上へと脱出できるんですよね。
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ステージが進む毎にどんどんややこしくなるパズルの中には、そういった箱自体をある種の「ワープゲート」よろしく活用するパターンもあります。例えば上記画像、ここで面白いのは、主人公が今取り組んでいるパズルと同じ構造を内部に持つ箱ブロックが存在すること。よく見ると自分自身の拡大サイズが、画面左側にいますよね?
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他にも例を見せましょう。画面右、壁際に追い詰められた紺色の箱ブロックにいま入り込まんと主人公がぴったりと身を寄せています。
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すると内部パズルが拡大され右壁際、さらに緑色の箱ブロックがあることがわかります。
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ズンズン進みます。緑箱の中にはさらに黄緑の箱ブロックが……。
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黄緑箱の内部、黄色い箱ブロックの中に、やっとお目当てのブロックを見つけました。
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もっとステージを進めるとこんなパズルも出てくるのですが……これ、全ての箱ブロックがリンクされ一周しているのです。黄色の箱に入った緑の箱に入った紫の箱の中にある青の箱には黄色の箱が入っている……このおかげで、表現としては正確ではないかもしれませんが、「卵が先か鶏が先か」みたいな状態に。理解するのにものすげえ苦労しました。
おわりに
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たまにこんなパズルも登場してプレイヤーに牙をむくのだって本作の素敵な一面。なんだか結構な数を紹介しちゃってなあい?と想われたかもしれませんが、大丈夫です。パズルは全部で350種類以上ありますから……(遠い目)
ともあれシンプルに遊べて、頭の体操にもってこいな本作。遊び始めるといつの間にかやみつきになる魅力があります。デモ版もあるので、興味のある方はまずそちらで試遊してみるのも良いかもしれません。
対応機種:PC(Windows/Mac/Linux)
記事におけるプレイ機種:PC(Windows)
発売日:2022年03月30日
記事執筆時の著者プレイ時間:2時間
価格:通常価格 2,050円、セール価格 1,845円(2022年04月06日まで)