2022年8月7日から8月8日にかけて開催され大盛況となった日本最大級のインディーゲームイベント「BitSummit X-Roads」から、ライターが気になった作品をピックアップして注目タイトルのプレイレポートをお届けしていきます。
会場にはピクセルアート、つまりはドット絵でのグラフィックを用いたインディーゲームが多数並びましたが、本稿ではその中でも一風変わったルックで注目を集めた『Tokyo Stories -working title-』のプロトタイプ版プレイレポートをお届けします。
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舞台は東京。主人公は姿を消してしまった親友を探しに、どこか幻想的な雰囲気で描かれる街を探索します。プロトタイプ版とあって今回は街を歩いて親友の姿を見かけるところまでの数分間と非常に短いボリュームながらも、音楽やグラフィックからゲームの雰囲気は十分に伝わってきます。
実はこの『Tokyo Stories -working title-』は3DCGをピクセルアート調に見せる表現を使用しており、懐かしさを感じる見た目に反してキャラクターの動きは非常に滑らかで、光源によって影が自然と動くのが不思議な感覚でした。
カメラワークはキャラクターの移動で自動で切り替わる仕様で、場面によって見下ろしや遠景を使い分けることでピクセルアート風の背景の美しさや幻想的な雰囲気が際立って感じられます。
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会場では開発者の方に本作についてお話を聞くことができましたが、やはり「ピクセルアートのゲームを作りたくて」と、グラフィック面にはこだわって制作されているとのこと。現時点でもビジュアル面の完成度は高く感じられますが「キャラクターが横に歩くときはちゃんと横歩きするようなリアルさも考えています」と、更なるブラッシュアップにも意欲を見せていました。
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友人の失踪というゲームのテーマはどことなく暗く感じられますが、あくまでホラーやミステリーではなく「『なぜ友達はいなくなってしまったのか、自分に悪いところがあったのではないか』と問いかけながら気付きを得ていくような物語」とのこと。
まだまだゲームの全貌が明らかになるまでは時間がかかる見込みですが「BitSummit X-Roads」会場内では既に大きな注目を集めていた本作。どこか懐かしさや儚さを感じる雰囲気やピクセルアート調の独特なグラフィックが気になった方は、是非続報にご注目ください。
編集部では本作でインディーゲームへも挑戦することになるドリコムと、元SCEでPS3『rain』などを手掛けた本作開発者へのインタビューも合わせ実施しました。その様子は追ってお届けします。