最新ゲームが毎日大量にリリースされる昨今。メーカーやストアのゲーム紹介だけでは「どんなゲームかわからない!」とお嘆きのGame*Spark読者も多いのではないでしょうか。そこで“なるべく早く”ゲームの生の内容をお届けするのが本企画「爆速プレイレポ」となります。
今回は2022年10月18日に発売されたAsobo Studioが開発を、Focus Entertainmentが発売元のPC(Steam)/PS5/Xbox Series X|S/ニンテンドースイッチ向けアクションADV『A Plague Tale: Requiem』を紹介します。
『A Plague Tale: Requiem』とは
ペスト、あるいは黒死病という名でも知られる病気は、世界史を学んだことのある人であれば一度は耳にしたことがある病気でしょう。ネズミなどの齧歯類や犬猫などを主な宿主とするペスト菌によって引き起こされるこの病気は、治療が行われなかった場合の致死率が6割とも9割とも言われるほどの恐ろしい病で、現代でこそ抗生物質などの治療法が存在するものの、こうした手立てのない中世では、当時の世界人口の2割もの死者を出したとする推計もあるほどです。
ペストを保菌した動物から吸血したノミがヒトを刺すことで引き起こす「腺ペスト」、また、その菌が全身に回ることで手足の壊死や内出血などを引き起こす「敗血症性ペスト」、そして菌が肺に回ることで飛沫感染などを引き起こす「肺ペスト」があり、特に敗血症性ペストの患者の見た目から黒死病の名が付けられ、かの「百年戦争」や「十字軍遠征」と並ぶ中世ヨーロッパを代表するキーワードとして今に伝わっているのです。
『A Plague Tale: Requiem』は、このような中世ヨーロッパを舞台に姉のアミシアと弟のヒューゴが主人公のアクションADVです。前作では荒廃した故郷を脱出し、晴れて新天地へとたどり着いた二人。やがて二人はそこで新しい生活を始めるのですが…。前作では投石などでささやかな抵抗をしつつも主にステルス要素がメインでしたが、今作では姉弟も成長したこともあり打撃やナイフ、またクロスボウといった武器を使用できるようになり、アクション要素がより強い作風に。また、ネズミを操るヒューゴの特殊な能力も依然として健在です。
シリーズを通じて、作中のネズミは疑う余地なく怪物です。人獣をあっというまに噛み殺す様は、少なくとも私の知るところのネズミではありません。仕事柄マウスやラットの相手をすることもありますし、噛まれたことも当然あります。が、当たり前ですが噛み殺されたことはありません、少なくとも今のところは。
こんな怪物が蔓延る中で、いくら成長したとはいえ果たして姉弟が生き残ることなどできるのでしょうか?
『A Plague Tale: Requiem』の実内容に迫る!
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タイトル画面からして無数のネズミくんたちがひしめいています。…仕事場で時折見る光景とはいえ、冷たい汗が背中を流れます。多頭飼いは厳禁です。動物の福祉にも反しますからね。
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ゲームは早速緊迫した空気から始まります。だいぶ穏やかな日差しの中ですが、何者かに追跡されているようです。
どうやら顔見知りだったようです。少年の名はルカ。ヒューゴは彼を悪の魔術師だなんだといっていますが、錬金術師なのです。にしてもヒューゴくんの幼さを感じさせる微笑ましい光景ですね。
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3人で連れ立って行くうちに、廃墟のような場所でかくれんぼが始まります。ごっこ遊びを通じたチュートリアルというわけですね。息を殺して隠れたあと、ぐるりと大回りでルカの背後を取って彼をびっくりさせます。ちなみに筆者は形から入る人間なので、かくれんぼとくればまず迷彩服やらの手配から始める類です。
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おっと失敗。見つかると相手の頭上にアイコンが表示されます。優しいルカは二度目のチャンスをちゃんとくれます。
ルカは勉強のために帰る素振りを見せたので一旦お別れ、二人は辺りの散策を再開します。
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途中の小川ではスリングの練習です。ヒューゴが上流から流す松ぼっくりらしきのを狙います。
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と、突然Toninという少年が乱入。松ぼっくりをどんどん流してくるので、お次はスリング連射の練習です。最後は砲弾に見立てた大きめの石を投げ入れて終了。Toninは実家の畑の手伝いのために帰ります。
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辺りを歩きはじめた二人は、遠くに見えた城跡を目指します。施錠された扉を迂回するべく塔を登ったり、突如床が崩れて落下したり。なんだかんだで城壁内に侵入完了。
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ですが、何故か城壁内は焼け落ちています。
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そこで出会った住民、養蜂家らしいのですが全く話が通じません。どうも野党の仲間と思われているようです。
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逃げた先では、別の養蜂家ニ人が男を追いかけています。どうも男は傭兵のようです。傭兵は助けを乞うも養蜂家は無慈悲に頭部に一撃。殺伐としていますね。
画面下のような背の高い植物では、かがむことで隠れることができます。ステルスゲーでは定番の操作ですね。
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邪魔なところに敵がいるときは、小石を投げて注意を引きます。これも定番アクションです。
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道の先ではなんとToninが男二人に捕まっています。養蜂用のマスクこそ着けてませんが、話し合いはできそうにありません。結局、アミシアは押し倒されヒューゴも殴られて失神させられます。
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気がつくとどこかの島の浜辺にヒューゴ一人。そばには謎の赤い鳥もいます。鳥を追いかけて行きます。
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岩の裂け目をくぐると、そこは赤い花の咲き乱れるなんとも幻想的な場所。
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鳥を追いかけると辺りの様相は一転、たちまち闇に染まります。
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川の水で喉を潤すのですが、ふと見ると手や顔面に血管が浮き出たような跡が。
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気がつくと馬車の荷台の上。あの島は夢だったのでしょうか?このあとも紆余曲折を経て村人に追い回される羽目に。
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なんだかんだで、新天地に到着。プロヴァンス伯領のようで、なかなか陽気で豊かな街のようですが…。
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町外れはこのように悲惨な状況。どれもペストの被害者ですね。
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ちなみにアミシアは3種類のスキルツリーによる強化が可能です。足音を小さくしたり、敵を押し倒せるようになったりします。
本作をプレイしていてふと思ったのですが、色々できるようになるのに時間がかかるなぁと。ステルスゲーといえば、筆者としては真っ先に思いつくのが『メタルギア』シリーズ。主人公は歴戦の特殊部隊員ということもあり、最初から一通りのアクションが可能です。ノーキルノーアラートも好きですが、筆者の性格としては大体ランボープレイになるわけで。
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一方で、本作では主人公は二人ともあくまで一般人。アミシアはスリングこそ使えるものの、非力さが常に制約として付きまとうのが歯がゆいというか。見敵必殺、見えるもの全て排除したいのですよ、私は。なので、もう少し武器の解禁は早くしてほしいかなと思うのです。
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それに、本作の特徴であるネズミくんとの邂逅までも結構時間がかかるのです。順調にいって概ね1時間弱といったところでしょうか。一度出会うと、その衝撃に感動は必至なのですが、それまでがまた長いのです。でも、ゲーム要素としてはとてもユニークだと思いますよ。いわゆるホラー系の即死罠がネズミという形となったわけで、油断するとアッサリと噛み殺されるのですが、とにかくその数がすごいのなんの。このワサワサ感がたまりません。
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ネズミたちは前作同様、日光などの明かりに弱いという設定で、長時間明かりに当たると塵のように消滅してしまいます。なので、松明や燭台、あと発火壺などのアイテムをうまく活用することが攻略のポイントとなります。といっても数が数ですからね、全滅とか根絶とかは考えないほうが良いと思います。
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また、MAP上に存在する肉などに反応するので、ぶら下がっている死体や肉塊を使って誘導したりするのも重要です。ネズミまっしぐらってやつです。
そうそう、昔自宅で睡眠中に足の指をネズミに齧られたことあるんですよね、ガジって。とっ捕まえて「それウインナーじゃないんだからね!」とキビシク言い聞かせてやったところ、出没しなくなりましたが。
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それに、人型エネミーとネズミくんの絡みも面白いです。松明でネズミを追い払っている敵にちょっかい出すのも面白いですし、前述のスキルで敵をネズミの海に突き落としていると、なんだか餌やりをやっている気分になります。
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時には、ネズミ達を活用するギミックもあります。例えば、兵士の持っている松明や近くの照明をスリングで消火してあげると…。まぁ、ネズミくんが大好きな生肉が歩き回っているわけですからね。
MAPは基本的にほぼ一本道。個人的にはもう少し攻略ルートのバリエーションがほしいかなと思います。
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それと、上の画像にあるようにアミシアの後ろをついて回っているのはヒューゴ…ではなくルカ。ヒューゴは夢の中の奇病を現実でも発症し、現在自宅療養中なのです。一体この先どうなるのでしょうか?
しかし、ネズミの海は本当に衝撃的。…夢に見そう。
タイトル:A Plague Tale: Requiem
対応機種:PC(Steam)/PS5/Xbox Series X|S/ニンテンドースイッチ
記事におけるプレイ機種:PC
発売日:2022年10月18日(PS5日本語版は2023年中発売予定)
記事執筆時の著者プレイ時間:2時間
価格:6,980円
¥200
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)