HandyGamesは、ITEM42の手がける古代神話世界&デスメタルアクションゲーム『PERISH』をPC（Steam/Epic Gamesストア/GOG.com）向けに、2023年2月3日に配信しました。
本作は、さまざまな神話をベースにした世界を舞台にした、最大4人まで参加可能なアクションゲームです。プレイヤーは煉獄の領域内で目を覚ました戦士となり、さまざまな怪物などと戦い、ステージに用意されたさまざま目標を達成しながら「エリュシオン（楽園）」を目指すため旅を繰り返していきます。
ゲーム内では、入手したお金を使用して新たな武器や装備品をアンロック可能。また、ステージクリア時に得られる「カード」によって、強力な効果を身につけることができます。ただし、死ねばお金の大半を失い、最初からやり直しになるため、何度もプレイして少しずつ自身を強化していかなければなりません。
本稿では『PERISH』のプレイレポートをお届け。プレイ中のスクリーンショットはSteam版を使用しています。
いざ解放の旅へ！武器は刀身のない剣だ！
ゲームは主人公が「パンテオン」へとたどり着いたシーンからスタート。最初はチュートリアルとして移動や戦闘などのほか、協力プレイ用に仲間へのサインの出し方などを学ぶことができます。
チュートリアル後は本作の主人公の拠点となるパンテオンの祭壇へ。ここでは装備のアンロックができるほか、本作のメインヒロイン（？）のピューティアーさんから助言を聞くことができます。とは言え、最初は装備の強化をする事もできないので、さっそく祭壇の奥にある出発点からエリュシオンを目指す旅を始めましょう。
ゲームの流れは「巫女の像からクエストを受ける→クエスト関連やボス敵を除き無限に湧く敵と戦いながら目標を達成して報酬（プレイヤーがやられるまで有効な、パッシブ能力を得られるカード）を受け取る→ゴールを目指し、次ステージのクエストを受ける」というものです。ゴール地点では体力回復や消耗品の補充ができるほか、入手したお金を持って本拠地まで戻ることができます。
しかし、主人公の初期装備・ポノスは、なんと「刀身がない剣」です。ほとんど素手で戦うようなこの状態では攻撃力も低く、ゲームに慣れない内は敵と戦うのも苦労します。本作の、初期状態では3点しかないライフは、どんな通常のダメージ判定でも受けるたびに1点が減ります。0になればゲームオーバーとなり旅の始まりへと逆戻りです。
わかりやすく言えば、ダメージ判定が出るまでに時間がかかったり、複数回のダメージでようやく判定となる特殊な攻撃を除いて、2回までしか被弾は許されていません。回復は基本的にはステージ間で1点のみと厳しいもの。幸い初期状態でも、威力が比較的高く時間で本数が回復するダガーを投げて攻撃する事ができるので、序盤はこちらも活用しましょう。
神殿内に登場する敵は武器を持った人型や空を飛ぶ怪物、ミノタウロスなど、どれも強敵揃い。対抗するためにはこちらもパワーアップが必要です。
大斧やリボルバー、散弾銃まで豊富な武器を使いこなせ！
本拠地にある祭壇では、ゲーム中に獲得したお金を使用して新たな装備品を購入できます。装備品には武器・冠・指輪があり、指輪は6つまで別の種類を装備することができます。また、使用できる消耗品の購入・付け替えも可能です。
ショップではもうひとつ重要な要素として「オルフェウスの儀式」と呼ばれるゲーム内チャレンジを購入可能です。チャレンジの内容は「特定の武器で敵を倒す」「特定オブジェクトを破壊する」などで、達成することで、新たなアイテムの購入権をアンロックできます。
武器は初期のポノス以外に、大斧「ラブリュス」、リボルバー「ゾフォス」、投擲槍「アクリス」など、近接から銃器まで数多く用意されています。ただし、ポノス以外の武器を解放するためには、各ステージにある「武器の入った箱」を見つけ、蓋を開ける必要があります。
冠や指輪はプレイヤーにパッシブスキルを授けてくれるありがたいものです。また、各武器にはそれぞれの条件を満たすことで開放される新たな効果やセカンダリー技があったり、一部の指輪はお金で効果をさらに強化できたりもします。
煉獄の戦いを乗り越えるためには何度も何度もプレイを繰り返し、自身を強化していくことが重要です。
美麗なステージ目白押し！ただしゆったりはできないぞ！
ゲーム内に登場するステージは、神殿や闘技場、溶岩の流れる渓谷などさまざま。それぞれのステージにはヘファイストスやネクロマンティオンなど、ギリシャ神話の神や用語を使った名称がついています。いずれのステージも非常に美麗で雰囲気が良く、石像などのオブジェクトもしっかり作り込まれています。
また、各ステージ内には「コデックス」と呼ばれるコレクションアイテムも隠されています。ゲームに登場するロケーションや敵、武器などの説明だけでなく、この世界の成り立ちに関わりそうな用語説明まであるコデックスは単純に読み物としても興味深く、コレクションしたくなる魅力も十分です。
とはいえ、雑魚敵が無限湧きする本作では、悠長に観光をしているわけにもいきません。前述した通り、ステージ内では最初に受けたクエスト目標を達成する必要があります。クエストはステージごとに複数種類があり、ゲームのたびにどれが選ばれるかはランダム。クエストによってステージ内の移動ルートは大きく異なります。
もちろん、ある程度ゲームが進むと強力なボスキャラクターも登場します。ボスを倒すことでアンロックされる装備品もあるため、まずはボス戦クリアを目標にゲームを進めていきましょう。
4人で挑めばどんな困難も恐れるに足らず！
最大4人までのオンラインプレイにも対応している本作。マルチプレイはパブリックもしくはプライベートでマッチを作成可能で、プライベートの場合はルームコードを入力することで参加できます。Epicアカウントと紐づけることで、Steam/Epic両方のフレンドリストを見ることができます。
今回は4人でマルチプレイを試してみました。マルチでは手分けしてクエストを進めたり、ボスに攻撃を集中できたりと、マルチプレイならではのプレイスタイルも楽しめます。一方で出現する敵の数も多くなり、ソロプレイとは少し異なる歯ごたえのある戦闘が楽しめます。また、同じ装備品を身に付けることでシナジーが発生したり、仲間が近くにいることで強力な効果を発揮するカードなども存在しています。
ちなみにライフが0になって死んだ仲間をその場で生き返らせる方法はありませんが、参加者が一人でもステージのゴール地点にたどり着ければ全員ライフ1で復活します（それまでのカードの効果はなくなりますが）。基本的に道中で体力を回復する方法がない本作において、次のステージへ生き残るチャンスが少しでも高くなることは、それだけでもありがたいのです。
マルチプレイは接続エラーが出ることもなく、回線的な意味では快適にプレイ可能でした。なぜかプレイセッションごとにフレンドが「Steamユーザー名」と「Epicアカウント名」に切り替わる謎の症状も発生しましたが、幸いにしてゲームに影響はないようです。
ここまで紹介してきた『PERISH』。神話をベースにした世界観やBGMのメタル、美麗なグラフィックで作られたステージや敵の造形などは素晴らしく、そして印象的です。
使用できる武器はどれも魅力的で、個人的にはリボルバーの使い心地やデザインが大のお気に入りでした。近接武器もアップグレードや指輪とのシナジーで大きな効果を発揮して、縦横無尽に敵を蹴散らす派手な戦い方ができるようになります。今後はさらに指輪の種類などが増えると嬉しいかな、と思います。
その一方でクエスト自体はある程度のバリエーションがあるもののそう多くはなく、ステージ構造自体は固定なので、どうしても繰り返しプレイが単調になってしまう部分はあります。また、敵が無限湧きする仕様は良い緊張感を与えてくれるのですが、回復方法がほとんどない本作では、ときとして思わぬストレス要因になることも。一応「一定数敵を倒すと回復する」カードを入手できることもあるのですが、これも運が絡んでしまいます。
それでもゲーム内に用意されている装備品やアップグレードには強力なものが多く、遊べば遊ぶほど自分なりのスタイルが確立できるゲームデザインの、十分に楽しい一作だと感じられました。
『PERISH』はPC（Steam/Epic Gamesストア/GOG.com）向けに配信中です。
￥8,880
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
