Modus Gamesは、Crackshellが手がけるアクションRPG『Hammerwatch Anniversary Edition』をPC(Steam)向けに配信開始しました。
本作は、2013年8月に発売された『Hammerwatch』のリマスター作品。戦闘や探索、パズルを楽しんでダンジョンを攻略していくプレイスタイルはそのままに、グラフィックの向上や各種システムの改善、新たな長期キャンペーンの追加などを行ったバージョンです。
本稿では、より遊びやすくなった『Hammerwatch Anniversary Edition』のプレイレポートをお届けしていきます。
『Hammerwatch』とは
2013年に発売された『Hammerwatch』は、アタリの名作ゲーム『ガントレット』の影響を受けて開発された作品。プレイヤーはパラディンやレンジャーなどのクラスを選び、舞台となる「ハンマーウォッチ城」に棲むボスを倒すための戦いへと挑む内容です。
ゲームは見下ろし型のアクションで、大量の敵モンスターとの戦いや謎解き、アップグレードなどを経て己を強化していきます。本作は「隠し要素」が非常に多いのが特徴で、壊せる壁や隠されたスイッチ、通り抜けられる壁などのギミックを見つけ出すことが攻略に繋がります。
プレイヤーは体力やマナを管理しながら探索を進めていかなければなりません。ダンジョン内のショップではアイテム購入や基礎能力アップなどが可能です。アーケードスタイルのゲームなので、残機が0になったらゲームオーバー。強力なボス戦などもあり、戦闘のシビアさや探索を楽しめる作品です。
オリジナル版は2014年に砂漠を舞台にした新マップ「太陽の塔」を実装したほか、アップデートにて複数のクラスも追加されています。マルチプレイやModサポートなども充実していて、発売から10年経った今でも高い評価を得ている作品です。
2018年には、本作の世界観をベースに拠点の成長などの要素を加えたスピンオフのローグライト『Heroes of Hammerwatch』を発売。2023年4月にはオリジナル版の続編となる『Hammerwatch II』が正式に発表され、8月に今回の『1』リマスターとともに配信が開始されています。
グラフィック向上でプレイ感を大幅に進化!
オリジナル版と比べ、本作で最も変化を感じるのはやはり刷新されたグラフィックでしょう。全体的にキャラクターの姿や演出が大きく見やすくなるように改善されていて、大勢の敵モンスターと戦闘することになる『Hammerwatch』でも自分の姿を見失うことがなくなっています。
グラフィックの向上は、マップ内のオブジェクトやギミックがわかりやすくなることでもあり、戦闘だけでなく謎解きも遊びやすくなることにも繋がっています。個人的に嬉しいのが「壊した壁の描写」で、オリジナル版では不自然に入口のようになっていたのが『Hammerwatch Anniversary Edition』ではちゃんと砕けた壁として表現されているのです。
もちろん向上したのはグラフィックだけでなく、ゲーム性にもいくつかの変更がくわえられています。『Hammerwatch Anniversary Edition』にてついに日本語対応されたのももちろんですが、マップ内に表示されるオブジェクトやアイテムなどもわかりやすく、とにかく「ゲーム性を大きく変えずに遊びやすくする」ことを第一に設計していることを感じます。
なお、基本的な謎解き部分はオリジナル版と変わっていませんが、これまでのプレイヤー向けに新たな難易度として「超ハード」が追加されています。もちろんオリジナル版でもあった特殊ルールも用意されています。Steamワークショップを含めて元々Modに関しては導入しやすい環境でしたが、こちらもルールカスタマイズがやりやすくなっている印象です。
既存の「ハンマーウォッチ城」「太陽の塔」に関しては、とにかくオリジナル版の面白さを損ねずに、より遊びやすくなっています。『Hammerwatch II』も出たし、これから始めよう、という人は間違いなくこちらの『Hammerwatch Anniversary Edition』を胸を張っておすすめできると思います!
ボリューム満点な新規キャンペーン
本作で新たに追加された「シャフトロック砦」は、スピンオフのローグライト『Heroes of Hammerwatch』をベースにしたキャンペーン。街の復興や発展などの独自システムはそのままに、ランダムマップの廃止や残機制の導入など『Hammerwatch』のルールとして再構築されています。
このキャンペーンの大きな特徴は、ダンジョン内で集めた「鉱石」を元に街のショップをアップグレードしていくというものです。イベントによっては新たな施設が利用可能になり、ダンジョン攻略もしやすくなっていきます。マップ内にはテレポーターも用意されているので、定期的に街に戻って買い物をしながら自身を強化していくことも重要です。
また、拠点やダンジョン内のNPCからクエストを依頼されたり、隠し部屋のヒントをもらえることも。全体の難易度は高めですが、拠点で気軽にアップグレードやライフを買うこともできるため、じっくりと探索や戦闘、謎解きを楽しめます。シンプルな『Hammerwatch』の面白さをRPGとして高めているイメージです。
「シャフトロック砦」は元々一本のゲームだったものを、単体モードとして組み込んでいるので当然ながらボリューム満点です。ゲーム性が異なる『Hammerwatch』『Heroes of Hammerwatch』を上手くひとつのゲームとして落とし込んでいて、どちらの既存プレイヤーも楽しめる、まったく新しいキャンペーンといっても問題ないと思います。
オリジナル版発売から10周年でリリースされた『Hammerwatch Anniversary Edition』。ゲームの面白さとしての『Hammerwatch』の魅力を損ねることなく、新規要素とオリジナルより洗練されたUIによって遊びやすさが格段に向上しています。なによりも日本語が追加されているのも嬉しいところです。
Steamワークショップでは、サバイバルモードや新クラス、クモ恐怖症の人のための見た目変更などのModが配信されています。オリジナル版からModサポートについては厚い作品だったので、今後こちらの展開にも期待したいところです。
『Hammerwatch』の良さはそのまま大幅にパワーアップ!初プレイでも経験者でも楽しめる素晴らしいリマスタースパ!
タイトル:Hammerwatch Anniversary Edition
対応機種:PC(Steam)
記事におけるプレイ機種:PC(Steam)
発売日:2023年8月16日
記事執筆時の著者プレイ時間:10時間
価格:2,801円