Wiiリモコン、PS Move、Kinect、VR……これまで数々の体感操作コントローラーを使ったゲームが世に出てきましたが、読者の皆様はお好きでしょうか。筆者は……超大好きです!
もちろんコントローラーやキーボードで遊ぶゲームも楽しいのですが、直感的に身体を動かして遊べるゲームはより熱中できます。VRゲームなんかは、普通のゲームでやってもなんとも思わない動作すら楽しく感じてしまうのですから不思議なものです。
11月3日に発売したばかりの『超おどる メイド イン ワリオ』は、そんな体感操作のゲームがたっぷり楽しめる作品。本記事では、『超おどる メイド イン ワリオ』で味わえる体感操作の楽しさをプレイレポートでお届けします。
“カマエ”でプチゲームを次々攻略!

本作はJoy-Conを活用してプレイする「プチゲーム」がぎっしり詰まったゲームです。ストーリーは、シリーズおなじみのワリオカンパニーの社員たちが南の島「バリオモロ島」に社員旅行の目的地として訪れるところから始まります。ワリオたち一行は島に古くから伝わるJoy-Con……ではなく宝石「カマエ石」を手に、島を満喫します。

本作の基本は、Joy-Conを握って「カマエ」と呼ばれるポーズを取ってプチゲームを次々にこなしていくというものです。カマエは複数種類用意されていて、初登場する度に説明されます。

足を開いて構えたり、手のひらの上にJoy-Conを載せたりといったカマエから、Joy-Con(R)に搭載されたモーションIRカメラで手を写したり、床にJoy-Conを置いたり、手放したりと思いもよらないカマエも登場。プレイヤーはこれらのカマエを次々と切り替えなければなりません。初回プレイ時はややテンポが悪いのが難点ですが、毎回ユニークな説明で笑わせてくれます。

プチゲームが始まる前に、どのカマエをしたら良いかが必ず表示されるようになっています。例えば上図のプチゲームは、画面上に流れてくるノーツにあわせて左右のJoy-Conを振ってベルを鳴らすという内容となっており、画面を見て瞬時に判断する力が求められます。



シリーズ恒例ながら、各プチゲームはいずれもシュール。少女漫画風のものからローポリの安っぽい3Dビジュアルのものが登場し、アートスタイルからおバカ加減までいい意味で統一感がありません。予測不可能で笑わせてくれますし、今回はそれらのプチゲームを体感操作で遊ぶため、より印象に残ります。

特に凄まじいのは、とあるボスステージの内容。こちらは両手を腰に当てて胸を張る「オオイバリ」というカマエで遊ぶプチゲームなのですが、「毒りんごを飲んでしまった白雪姫が、胃液で溶かさないようにうまく排出する」というぶっ飛んだシチュエーションなのです。体をくねくねさせてりんごを転がす様はゲーム内でもプレイヤー自身の動きとしても滑稽で、いろいろな意味で衝撃的です。


そして、毎回筆者が楽しみにしているナインボルトステージもしっかり健在。任天堂が過去発売した製品がモチーフになったプチゲームを遊べるというもので、人気SRPG最新作『ファイアーエムブレム エンゲージ』やレトロなものでは『ヨッシーアイランド』までバラエティ豊か。相当なマリオファンでないと知らないであろう『スーパーマリオボール』といったタイトルから、70年代に発売された潜望鏡玩具「ウルトラスコープ」まで、数々のゲームなどを元ネタにしています。

ボスステージは『スーパーマリオ64』……ではなく、なんと『スーパーマリオ64 DS』が元ネタ。無印『64』と比べてあまり振り返られることがないこの作品をなぜピックアップしたの……!?とツッコみたくなりますが、この妙なマニアックさこそナインボルトステージの魅力といえます。本作においては任天堂作品のキャラになりきって身体を動かすような体験も新鮮です。
『超おどる メイド イン ワリオ』は、シリーズおなじみのくだらないプチゲームをJoy-Conを使った体感操作で楽しめるのが大きな魅力の作品です。アートスタイルもお題もすべてが異なるミニゲームを瞬時に判断して、Joy-Conを振ったり時には落としたりする体験は、短いながらもひとつひとつに満足感があります。
ストーリークリアまではかなり短めですが、やりこみモードやクリア後には2人専用モード、パーティーモードなどが用意されているのでそれなりに遊べます。今年ももう終わりに近づいていますし、年末にみんなで集まったときに遊ぶパーティゲームの選択肢としてぜひいかがでしょうか。

なお、近年の本シリーズはキャラクター性も押し出されており、どのキャラクターも非常にキュート。幕間にはショートギャグアニメのようなカットシーンも用意されています。公式サイトにはキャラ一覧も載っているので、「この魔女の子可愛いな……」「このメガネっ娘好きだな……」とキャラ目当てで初めても楽しめるかと思います。もしキャラにハマったら、よりキャラを深掘りできる『おすそわける メイド イン ワリオ』もぜひ……!
プチゲームの登場人物になりきるつもりで遊ぶスパ!
対応機種:ニンテンドースイッチ
記事におけるプレイ機種:ニンテンドースイッチ
発売日:2023年11月3日
記事執筆時の著者プレイ時間:2時間
価格: