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11月12日に開催された同人・インディーゲームイベント「デジゲー博2023」にて、筆者が注目するゲームを実際に遊んできました。今回紹介するのは『亜電』です。
本作はかわいいイラストが特徴的ですが、想像の斜め上を行くアイデアで攻めてきた奇抜な作品でした。ハイテンションなリズムアクションとベルトスクロールを融合した斬新な作風をしており、プレイしていて思わず踊り出したくなってしまうような魅力を持っています。
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本作の冒頭部分ではテキストアドベンチャーパートが用意されています。ここでは本作の世界観やシナリオが描かれていますが、カオスで素敵な導入となっていました。冒頭のシナリオを簡単に紹介すると、本作の主人公は空を割って落ちてきた記憶喪失の少女「とあか」。その落ちてきた先はライブステージ上で、たまたまそこに居た少女「こばこ」にダンスを教えてもらうことになります。
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そこでとあかは「ダンス」というものを知り、その魅力に取り憑かれ「もっともっとダンスがしたい!」と思うようになります。その直後、現れた「暴」と呼ばれる人類危機をもたらす存在と対峙することとなり、世界を救う使命を背負ったとあかは、踊り続けることに……混沌極まりない世界観が予想される本作はシナリオにも重きを置いているそうで、ここからどのように展開していくのか非常に気になるところです。
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ぶつかる→よける→ふっとばす→ダンス!の4拍子、シンプルながらアイデアが光るバトルシステム
本作は、『ファイナルファイト』シリーズを代表とするベルトスクロールアクションを基本としています。プレイヤーは「とあか」を操作し、敵対勢力「暴」との激しいバトルに挑みます。とあかは移動中もダンスを続けており、敵に接触すると相手を掴むことが可能です。掴んだ状態で相手をプロレス技のように扱い、ぶんぶん振り回して周囲の敵を巻き込み、一気にダウンさせることができます。
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相手がダウンしたらチャンス到来です。一気に攻撃を畳み掛けボコボコにするのかと思いきや、相手にダンスを強要。ダンスではリズムゲームのように曲に合わせてテンポよくボタンを押すことになります。ボタンを押すタイミングがバッチリと合えば敵もとあかも、キレッキレのダンスを見せてくれて、これにはプレイしていて心も踊ってしまいました。
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本作は「ただのベルトスクロールに終わらないアイディアの詰まった作品」であるとプレイしていて感じました。本作最大の特徴でもあるダンスだけにとどまらず、ボス戦のギミックも単調にはならず、意外性のあるものでした。ベルトスクロールアクションとなると、ボタンを連打したり飛び蹴りをしたりと単調になりがちですが、本作はそうならないように豊富なアイディアが詰まっています。試遊した時間は10分程度でしたが、まだまだ遊んでいたいと思えるほど魅力のある作品でしたので、ウィッシュリストに追加して発売を楽しみにしようと思います。