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横須賀市の北東に浮かぶ猿島は、幕末からの首都防衛拠点であり、かつて東京湾要塞を構成する猿島砲台があった。
この猿島を舞台にしたオンラインFPSを、横須賀市が無料公開したという。その噂を確かめるべく、取材陣は猿島の奥地に潜入した……。
◆仮面ライダーのロケ地でFPSが遊べる
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今回紹介するのは、横須賀市が観光PRや情報発信の目的で『VRChat』上でオープンした「メタバースヨコスカ」の第2弾「猿島ワールド」です。明治から昭和初期にかけての要塞跡と、数十年の月日が作り出したファンタジックな景観を、フォトグラメトリを使ってリアルに体験できるVRのワールドとして再現しました。
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そんな貴重な歴史的資産ですが、映画やドラマのロケ地としてもよく採用され、「仮面ライダー」シリーズでも繰り返し使われました。特に初代「仮面ライダー」第80話「ゲルショッカー出現! 仮面ライダー最後の日!!」では、ゲルショッカー日本支部の結成式が猿島の見張り台で行われたそうです。
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猿島ワールドには「ゲームモード」が用意され、要塞跡を舞台にチーム戦のFPSを遊ぶことができます。ただし、自治体が銃器を使ったゲームを公開したら「戦争を賛美するのか!?」などとツッコミが入ることは必至です。そこで“霊力の光を放つ、霊験あらたかなサル”を使って撃ち合う仕様となっています。サバゲーならぬ“サルゲー”なのです。
ゲームには「時間制限モード」と「フラッグ戦モード」の二種類があります。「時間制限モード」は光の玉(弾ではない)をどれだけぶつけることができるかを競います。少人数でも(1対1でも)遊べます。
「フラッグ戦」は最大5対5で遊べる戦略性のあるゲームで、マップ内のどこかにあるフラッグ(バナナ)を見つけ出し、相手陣地内にあるゴールに入れたら得点となります。今回はこのフラッグ戦を3対3で遊んでみました。
◆無料ゲームの割に、ガチに真剣に遊んじゃう
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島の入口にあるウッドデッキにゲームの説明と得点掲示板、ゲームモードセレクタなどが設置されています。テーブルの上に赤と青の5の箱があり、その箱にタッチするとゲームに参加できます。赤い箱にタッチすると赤チーム。青い箱なら青チームです。
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ゲームが開始されるとスタート地点に転送されますが、武器はまだ持っていません。スタート地点に用意された武器(サル)を手に取ってから、フラッグ(バナナ)を探しに行きます。
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バナナはとても巨大なので、遠くからでも見つかります。バナナに最初に触った人がバナナ保持者となり、あとは敵陣奥にあるゴールを目指すだけです。
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しかし、当然ながら敵が攻撃して邪魔をします。サルから出る光の玉(弾)が当たる度にHPが減っていき、HPがゼロになると死亡。そうするとスタート地点でリスポーンするので、また武器を持って出撃します。
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通路のあちこちには青く光るジャンプスポットがあり、これを踏むと高くジャンプして通路の上に登って上から攻撃したり、ゴールまでの道をショートカットすることもできます。このジャンプスポットをいかにうまく使うかが鍵みたいです。
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狭い通路を撃ち合いながら敵陣まで突破するのはかなり運が良くないと難しく、ジャンプスポットを使って山越えしたり海岸線を回ったりして攻め入るのが良さそうですが、これも慣れてくると待ち伏せされる……。なかなか駆け引きが要素があるので、取材であることを忘れて真剣に遊んでしまいました。
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◆ゲーミングPCがなくても、VRヘッドセットがなくても
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猿島ワールドの凄いところは、ゲーミングPCがなくても、Meta Quest単体で遊べるようになっていることです。以前は『VRChat』の高度なゲームやリアリスティックなワールドを楽しむには、PCVRが必須と言われていましたが、開発技術の進化もあり、企業や自治体が提供するワールドなどはMeta Quest単体でも楽しめるものが増えつつあります。また、コスパの良いVRヘッドセットとして評価が高いPICO 4用の『VRChat』もリリースされました。
ゲームをせずに猿島の景観を楽しむだけならWindows PC用の『VRChat』もありますし、Android版の『VRChat』もβ版が一般公開されています。とりあえず、興味を持ったら『VRChat』内のWorld検索で「SARUSHIMA WORLD」を探してみてください。
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メタバースヨコスカには「どぶ板&三笠ワールド」(DOBUITA & MIKASA WORLD)もあります。横須賀港周辺のどぶ板通りと戦艦三笠をモチーフに作られた近未来的なワールドで、海軍カレーのカフェやスカジャンのアパレルショップがあります。
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そして、このワールドのために作られたオリジナルスカジャンを始めとする各種3DモデルをBOOTHで無料配布しています。また、猿島ワールドのオープンに合わせて大丸松坂屋百貨店とコラボし、同百貨店が販売しているアバター用のスカジャンデータの提供も開始されています(いまや大手百貨店やアパレルブランドが、VR用のアバターやアバター用衣装を販売する時代だって知ってました?)。