注意
本作はテキストADV的な要素があり、初見で楽しみたいと考えている読者の皆様におかれましては、この時点でブラウザバックをおすすめします。また記事内における情報のいずれかが、攻略のヒントになり得る可能性もあるので、その点についてもご注意ください。
Time Glitch just released on Steam!
— Spelkollektivet (@spelkollektiv) January 11, 2024
Embark on a bite-sized tabletop RPG journey in Time Glitch, where your knowledge of the past defines the future.
👇 Steam page in comments#indiegame #roguelite pic.twitter.com/SiXmNayMRx
今回はSpelkollektiveがパブリッシャーを担い、2024年1月12日にSteamにてリリースしたPC(Windows/ Mac)向けタイトル『Time Glitch』をご紹介したいと思います。開発チームの各メンバーは次の通り(順不同、敬称略):Christopher Entzenberg、Rémi Fusade、 Matej 'Retro' Jan、 Tobias Joppen、 Mari-Anna Lepasson、 Patryk 'Badger' Pawłowski……といった皆様。
『Time Glitch』とは?
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本作は、テーブルトークRPGをベースに進行していくアドベンチャーです。ピクセルアートで描かれたゲーム世界でアンデッドの王を倒すべく、4人の仲間と1人のゲームマスターと共に挑戦していきます。ところどころテーブルトークあるあるなネタもはさみつつ、運命のダイスロールを振り、いくつもの分岐を生き抜いて様々なエンディングを見ていきましょう。
……と、ここまで書くとボードゲームで楽しむアナログ体験を、デジタルな味付けによってゲームに置き換えただけと思うかもしれません。しかし本作の最もユニークな特徴は、このテーブルトークRPGに興じる5人を、我々プレイヤーがさらに「外側」から観察しているかのようなポジションにいることです。
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これが何を意味するのかと言うと、ダイスの出目を我々だけが知っているため、振るタイミングをうまいことズラしたりすることで、パーティーメンバーが預かり知らぬところで、話の流れをコントロールできるのです。
出目とその順番を記憶し、各ロールが行動に合わせて適切にダイスを割り振ることが攻略のキー。グッドとバッド全部で15個あるエンディングは、一瞬タイムリープもののテキストADVを思わせる部分もありますが、ダイスロールが時にこちらをも翻弄するため一筋縄ではいかない面白さもありました。さっそく紹介してまいりましょう。
操作・設定・言語
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本作はキーボード&マウスで操作します。それ以外の設定項目は、サウンドと言語およびフォントという潔いシンプルぶり。個人的にフォントは、ピクセルスタイルだとしばしば読みづらい箇所が存在したので、途中から他のスタイルに切り替えてプレイしています。
なお言語については、残念ながら日本語非対応です。とはいえ英語は難しいレベルのものが使用されてはいないと感じます。
基本的にはテーブルトークRPGのノリで会話等が行われるため、一部あえて使用される「もってまわった言い回し」を除き、雰囲気を感じ取りやすく、全体的にそこまで苦労せずに遊べるのではないでしょうか。
本編開始
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さあ始まりました『Time Glitch』。タイトル画面からキーを押すと即ゲーム開始なので、これが一瞬OPデモなのかどうかわからず、さっそく置いていかれかけた筆者。本作ではキャラクター自体を操作する必要はなく、表示されるメッセージを送りながら、求められるタイミングでダイスを選び、振っていくシンプルなものです。
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……重い鉄の扉を開けた先で、アンデッドの王とさっそくご対面。ピンク、グリーン、オレンジ、ブルーで特徴づけられた4人パーティーが、持ち回りに口上を述べていきます。それに対して不敵な笑みを浮かべて魔法を唱え始めるアンデッド王……ここで画面に、人数分のダイスと要求値が表示されます。
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我々プレイヤーはクリック&ドラッグにより、任意のダイスを任意のパーティーメンバーへ割り振ります。王の攻撃を防ぐためには出目が要求値以上である必要がありますが……!?
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全員空振りでした。現実は非情である。
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特にやり直しの機会等も与えられずあえなく全滅するパーティー。
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……重い鉄の扉を開けた先で、アンデッドの王とさっそくご対面。ピンク、グリーン、オレンジ、ブルーで特徴づけられた4人パーティーが……あれ?さっきと同じ流れですね。
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そうなんです、一度全滅してからがこのゲームの本領発揮。我々プレイヤーは先程の戦闘で、どのダイスがどの出目を出したか知っています。
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今回はグリーンに出目9のダイスを割り振って王の魔法を無効化します。
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ダイスの出目は最初一切不明で、1回振るごとに1つずつ明らかになり、振った分だけ回数と出目の関係性もわかります。ダイスAは1回目に9が出て、2回目には4が出る……といった具合ですね。
状況ごとに要求される値が異なり、「1回目の攻撃成功には出目が4以上必要」という状況がわかっていれば、「ダイスAを振って9を確定で出せばOK」となります。ここも本作の面白いところで、続く状況で例えば、「2回目の防御成功には出目が9以上必要」ということになると、ダイスAでは対応できない……しかも場合によっては、それ以外のダイスも出目が不明またはタイミングが合わないということも有り得ます。
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どのダイスをいつ振るか、というタイミングも考慮しないと、肝心なところで何もできずに全滅ということになってしまいます。全体のタイムラインを把握するには、何度も死に戻り(?)を繰り返していく……なんだかシュタインズ・ゲートへ至る道を探す感じになってきました。
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本当はもう少し画面を進めて紹介したいのですが、1プレイ20分ほどのシークエンスを何度も繰り返して分岐とエンディングを埋めていく本作は、テキストADV的な要素も強いため、ネタバレ配慮のためここで打ち止めにします。
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突然現実世界へ引き戻されて、実際の4人がキャラクターシートや飲み物を手元に置き、あれこれ話しながらプレイする場面も挟まれたりする本作……テーブルトークRPGなどのボードゲームを遊んだことのあるプレイヤーなら、クスリと来るあるあるネタ(?)も多く、そういった部分も含めて、間違いなく面白いプレイフィールでした。
タイトル:『Time Glitch』
対応機種:PC(Windows/ Mac)
記事におけるプレイ機種:PC(Windows)
発売日:2024年1月12日
著者プレイ時間:2.5時間
サブスク配信有無:記事執筆時点においては、無し
価格:350円
※製品情報は記事執筆時点のもの
スパくんのひとこと
むかし秋葉原のボードゲームショップ定例会に顔を出していた頃を思い出したスパ