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吉祥寺にて「TOKYO INDIE GAMES SUMMIT 2024(TIGS2024)」が今年も開催されました。本稿では『LISA: Definitive Edition』ブースの模様をお届けします。
Beep Japanから3月21日に発売されるPS5/PS4/ニンテンドースイッチ向けRPG『LISA: Definitive Edition』は、2014年に登場した名作RPG『LISA: The Painful』とその続編である『LISA: The Joyful』(2015年リリース)をまとめて、ひとつのリマスター版として収録しています。
2012年に登場したフリーゲーム『Lisa(LISA: The First)』(『LISA: Definitive Edition』限定版にダウンロードコードが付属)から続く本作はダークな展開が特徴で、いわゆる“鬱ゲー”に分類されますが、それだけに留まらない高い評価を受けているタイトルです。
また、以前まで有志翻訳はあったものの公式翻訳としては『LISA: Definitive Edition』が初めて。本作の翻訳を務めたMaki.M氏のインタビューもGame*Sparkに掲載されていますので、併せてご覧ください。
◆軽快なテンポと台詞回しで迫りくる『LISA』の“陰惨な世界”……!
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ブースには、限定版につくであろうペーパークラフトや「LISA カードゲーム」がずらり。そんな中で早速『LISA: Definitive Edition』をプレイしていきます。
『LISA: The Painful』で描かれるのは「世界に女性がいなくなった世界」で、唯一の女性「バディ」を拾って育てていた「ブラッド」が主人公です。
グラフィックはレトロかつポップで『MOTHER』などを思わせる可愛らしさ。しかし主人公たちの身に降りかかってくる悲劇はグロテスクで陰惨……。ポップなビジュアルで外面のグロさを緩和した結果、精神的なキツさが前面に出てくるような感触がありますね。
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試遊は隠し育てていたバディの存在がバレて、仲間たちが殺され奪われるところから始まりました。家には惨殺された死体が転がっており、ブラッドはテリーと取り返す旅を始めます。
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道中では「女性であるバディ」を巡って様々な“男”が目の前に現れ、戦うことになります。この時にブラッドが使うのは「アームストロング流」というコマンド。あたかも何らかの神拳のようにボタンを押して、パンチや両手掌底を撃ち込みダメージを与えるというもの!
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『LISA: The Painful』の台詞回しも詩的な良さに溢れていて、実に良い味を出してくれています。本作では“多くの取り返しがつかない選択”を迫られることもあって、試遊中では「テリーの命」か「持ち物全部」か、どちらか選べというイベントも発生しました。
筆者は持ち物全部で見逃してもらったわけですが、ここで「テリーの命を捨てる」選択をしたらテリーは早速死んでいたのでしょう……!
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プレイ感として言うなら、アームストロング流も含めて爽快にプレイできる印象で、(崖から落ちてすぐゲームオーバーとなるようなシビアさはありますが)システム面のみを見るならサクサクと遊べるゲームだと言えるでしょう。
しかし個性豊かなキャラに対して湧いてしまう愛着心と、人が簡単に死ぬ『LISA: The Painful』の世界は良い意味で“サクサクとプレイ”できません! 心の中にずっしりとした重い感情を積み重ねていく名作です。
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まだ遊んだことがないという方はもちろん、かつて遊んでいた方も、『LISA: Definitive Edition』にて『LISA』の世界をもう一度旅してみてはどうでしょうか。
『LISA: Definitive Edition』は2024年3月21日、PS5/PS4/ニンテンドースイッチにて発売予定です。