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5月4日にインディーゲームイベント「東京ゲームダンジョン 5」が開催されました。本イベントはその名の通り、多くのインディーゲームが軒を並べるゲームイベント。今回ご紹介するのはべすとまん氏が開発中の『RewindGirl』です。
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『RewindGirl』は“時をかけるギャル「わこ」”がタイムリープが使ってマップをクリアしていくアクションパズルです。時間を操作するとあって独特な思考が必要で、本作の歯ごたえは高め。しかし可愛らしいビジュアルと相まって、気付けば黙々と遊び続けたくなる魅力に満ちた作品でした。
◆“先を読む思考”から生まれる歯ごたえと爽快感!
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プレイを開始すると手帳を模したUIからオブジェクトまで実にポップなテイストで良い感じ。キャラの挙動もハイテンションで、ギャルっぽい可愛さに満ちています。しかしそのライトでポップなノリとは裏腹に『RewindGirl』ではかなり頭を使わせられます。
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『RewindGirl』では主人公「わこ」の持つタイムリープ能力を使って“過去の自分の行動”と“今の自分の行動”を組み合わせてゴールを目指します。こう書くとシンプルですが、過去と未来が混在する中で“時間を把握”することは案外難しく、良い意味で歯ごたえを感じます。
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たとえば序盤のステージでは「ボタンを押して橋の出現をコントロールする過去の自分」と「過去の自分が出現させた橋を渡る今の自分」をコントロールします。ここでは「未来にどう動くべきか」は簡単にわかりますが、「未来の自分のアクション速度」を考慮に入れるのが難しい。橋のオンオフを未来の自分の動きにあわせる、あるいは過去の自分に対処する形でアクションする必要があります。
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なかばチュートリアルのこのステージですら「過去の自分」と「今の自分」の連携が重要になるのですが、ステージが進むにつれ「過去」「今」「未来」、そして「さらなる未来」の自分と協力することになってくるわけで……「(巻き戻す時間の中で)今がどの時間で、過去の自分たちはどう動くか」と四次元的ともいえる“時間軸の把握”に迫られます。これが今まで使わなかった脳の部位がフル稼働しているようで心地よい!
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そして、慣れてくると着地地点に「今、足場がなかった」としてもジャンプ中にタイムリープを発動して「橋があった過去」まで戻して対処するという、まさに“時間操作能力者”ならではの攻略もできるようになっていきます。アクションとしての腕の向上、時間軸の把握が上手くなっていくことでカタルシスを感じられる良いゲームバランスですね。
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主人公「わこ」は死んでしまっても自動で時間を戻す「めちゃつよな能力を持つギャル」で、タイムリープが上手く扱えるようになればなるほど爽快感が増していきます。
しかしその分パズルおよびアクションとして立ちはだかるハードルも高く「過去の自分の行動に干渉したため起きるタイムパラドックス」「タイムリープしたがゆえに詰む」という問題が次々に襲い掛かってきます。
落下でのゲームオーバーなどは“落下前”にまで時を戻せず、何度も何度もリープ回数が尽きるまで落ち続け「死に続けるのをただ見ている」という衝撃的な絵面になったりも……。
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『RewindGirl』では、「未来の自分」が動くために“今どのように移動した方が良いか”を考え、同時に「過去の自分」の動きにタイミングをあわせる思考が必要とされます。“タイムリープで複雑になった時間軸を把握する”ことそのものに爽快感と難しさが同居しています。“時をかけるギャル”であるためには賢くないといけないのです!
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筆者のプレイした範囲ではパズルのみとなりストーリーまでは体験できませんでしたが、この時点ですでに満足度は高め。追加されるストーリーにも期待が膨らみます。
『RewindGirl』ではポップでキュートな絵柄から彩られたタイムリープアクションが味わえます。 歯ごたえのあるアクションパズルやほんわかポップなギャルにグッとくる方は、ぜひチェックしてみてはどうでしょうか。