ローグライト喫茶『Coffee Caravan』…効率を極める戦い、限界労働のワンオペ、おお時間が燃えている…！【プレイレポ】

今回はBroccoli Gamesが、2024年5月20日にSteamにてWindows PC向けに早期アクセスリリースした『Coffee Caravan』をご紹介。

『Coffee Caravan』とは？

本作はカフェ従業員として、設備の導入からメニュー開拓、そして実際に現場で忙しく働くお仕事系シム……かと思いきやどっこい、ローグライト方面に舵を切ったゲームです。ゆるふわな見た目で、実際はゴリゴリの「効率プレイ」が求められ、それを中心に組まれるマシンの配置、移動経路先鋭化の果てに到達する限界労働。

プロシージャルに生成される経営ルートをなぞりながら、新しい機材とレシピに翻弄され、一発でも客を怒らせたら最初からやり直しというのは過酷な日々でしたよ……！

そんな本作のSteamにおけるジャンル分けは「ストラテジー」。そう……『Counter-Strike 2』『遊戯王マスターデュエル』『Hearts of Iron IV』『Baldur's Gate 3』『Dota 2』といったお歴々と同じ土俵に立つことを意味します。正気かSteam。

オノ・ナツメな絵柄のオシャンティーカフェ漫画を想像して現場に入った筆者の顔面が、プレイを通してたちまち福本伸行な輪郭線になっていきましたがともあれ、早速紹介してまいりましょう。

操作・設定・言語について

本作はキーボード＆マウスおよびコントローラーに対応しています。どちらで遊んでも大きな違いはありませんでしたが、個人的には後者のほうがプレイしやすかった印象。ここらへんは各人の好みですね。

その他設定については必要最低限の項目が並びます。なお言語はばっちり日本語に対応。プレイする上で支障は一切ありませんでした。

ただ少し気になるのが、「決定」などのボタンが基本的に長押しの判定になっている部分。おそらく誤操作防止の対策だと思うのですが、メニューでぽんぽん選んでその勢いのままさあ行くぞという時にテンポが崩されがち。極めて小さな不満点ですけどね。

本編開始

さあ始まりました『Coffee Caravan』。タイトル画面からキャラクターカスタマイズすることで、このゲーム世界における自分の分身を作ることができます。

複数用意された各部パーツを組み合わせていくうちに、なんだか「Hooters」の店員みてえな色のバランスになっていきました。なお脇道にそれますが、アメリカで友人に初めて連れられた際に筆者は、「肉食獣の隣に置かれたチワワ」という大変不名誉な評を賜りました。何の話だ。

チュートリアルで学ぼう

新しいゲームを開始すると、ワールドと難易度の選択を行っていきます。とはいえ本作、意外とハードなゲームプレイになるので、紅茶ワールドがアンロックされるまでは、なかなかに骨かもしれません。

ともあれ最初は無難にコーヒーショップ、そしてスタンダードにドリップコーヒーを選択してきましょう。

新しくレシピが解禁されると、このように必要機材と作り方の手順が確認できるようになります。このレシピにおける工程数が、そのまま難易度に繋がっているといっても過言ではありません。手順が増えるほど時間がかかりますし、それが複数重なるとあっという間にワークロードがパンクしてしまいますからね。

そんなレシピと自分が実際どの程度動けるのかを予習するためにも、こういった練習パートにおいて、自分の手を動かして作業をすることで、コーヒーの淹れ方から一通りの作業要領を学習していきます。

新メニュー取り入れのタイミングは……！

なおレシピ解禁はルート攻略中にも発生し、即店のメニューに取り入れることも可能です。が、個人的にはあまりおすすめしません。というのもそれまでの攻略で慣れ親しんだメニューから突然新メニューに切り替えると、身体が「ついそれまでの癖で」従来のメニューを作ってしまいがち。おかげで事故がしばしば発生しました。

リカバリーできれば良いのですが、たいてい制限時間ギリギリの中で各メニューに対応しているため、正直ワンミスで追い詰められてゲームオーバー……！そのためまずは堅実に従来メニューで攻めて最後まで戦うか、またはあえてゲームオーバーにして最序盤から新メニューを用いるかという方が良いかもしれません。

激務か否かはルート次第

そんな訳でコーヒーワールド攻略開始です。画像のように最下部の緑色のマスから、1日毎に1マス進行するチャートで、時には分岐を挟みつつ、てっぺんを目指して日々の激務をこなしていくことになります。

途中で運良く、イベントやショップといったマスが続くと、激務の負担が少し減るようなお助けアイテムや資金などが手に入ります。なるべく先読みして楽なルートを選んでいきたいところですが、ゲーム中の基本収入はメニューの注文数に比例するため、結局「営業日が減るイコール資金難」で、ほしい設備やメニューがアンロックできないということになったり。

ちなみに終着駅はこんな感じ。ただルートを進むだけではゴールできず、道中で稼いだ資金等をもとに新しいレシピをアンロックするなどして、ようやく辿り着けます。クリアすると報酬（キャラバンの拡張など）を得られ、さらに難しいルートへ挑戦が可能に。

実際に働いてみよう

戦闘準備パート（開店準備のこと）に移ると、荷台に載せられた各設備をキャラバンの内外に並べていく作業が始まります。レシピに対応した設備を置かないと、注文を受けても作ることができないという事件になりますからね。

そんな具合で並べたのがこちら。キャラバンを使え。

いや違うんですよ、豆を取り出して、挽いて、水を入れて、マシンで抽出して、カップに注いで、テーブルにお届けして、食器を洗って……という各オブジェクトにアクセスして行っていく一連の手順を、ひとつの流れに乗せた結果こういうことになったんですよ。

なお一回練習モードに入ると配置がリセットされて泣くことになるので要注意。画像は絶句している筆者。

さて戦闘開始からあっという間に一日が終わろうとしています。御覧ください、このどう考えてもオーバーワークな様子。たどたどしい手つきで時間ばかりかかり間もなく破綻を迎えます。

とはいえ序盤は、ゲーム操作およびシステムに慣れる段階を同時にこなす必要があるため、こんな感じかもしれません。お金も攻略済みのルートもリセットされてしまいますが、それまでに得たレシピと設備（電化製品）は持ち越されるので、デスペナルティとしてみれば、そこまで重いものではないと感じます。

戦いの中で学習した筆者は、移動量を極力減らすべく、自身の周囲に設備を並べることで、向きを変えるだけですぐにアクセスできるよう配置を改善しました。結果的にそれなりの人数も一人でさばけるように。

お客の中にはこんな感じで「特徴」を備えたキャラクターも登場します。メニューの提供に多少時間がかかっても許してくれるのか否か、テーブルの専有時間が長いのかそうでないのか……ゲームに慣れてくると、こういったお客を見越してあらかじめバフ効果のあるオブジェクトを店頭に並べたりしますね。

そんな設備、メニューなどは攻略ルート上にある「ショップ」からアクセスすることができます。個人的にはメニューを開拓するよりも先に、電化製品およびアップグレードを積極的に行うほうが攻略しやすい印象でした。

というのも、本作ひとつひとつのアクションにかかる「時間」が何よりも重要で、ゲームクリアは時間をどうやって稼ぐかにかかっているといっても過言ではありません。そういった意味において、強力な電化製品はまさに主夫（主婦）の味方！複数を同時に対応できる食洗機が登場した時は嬉しさのあまり、わァ……と泣いたほどです。