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今この記事を読んでいるあなたは、『SAEKO: Giantess Dating Sim』というゲームをご存じでしょうか。本作について、公式な説明文を引用すると、「不思議な能力を持つ少女・冴子と、親指ほどに縮んでしまった小人たちの生活を描くアドベンチャーゲーム」とのことです。
この一文だけを見ると、箱庭のような世界で暮らす小人と、それを眺める少女が見守る様子や、暖かい交流などが描かれるゲームと思われるかもしれません。しかし、今日まで公開された情報から考えると、さきほどの予想とは異なりそうです。
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いえ、実際はそうなのかもしれませんが、まだ製品版が出ていないため、いずれにせよ断言はできません。しかし、惹かれるほどの魅力を感じているのも事実。その全貌を知るには製品版の登場を待つほかありませんが、本作の断片を知る手段はあります。
『SAEKO: Giantess Dating Sim』は「東京ゲームショウ2024」に出展されており、来場者なら誰でも試遊版を遊べます。そこで本作の一部を味わうのも、ひとつの手です。
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とはいえ、全員が会場に足を運べるわけではありません。そこで今回は、筆者が試遊版を遊んだ体験を通して、『SAEKO: Giantess Dating Sim』の概要や魅力を実体験のレポート形式でお届けします。「名前は知ってるし、興味はあるから、その内容を知りたい」という人は、ぜひご覧ください。
■独特の視点も納得の演出─巧みな構図が作品の本質を切り取る
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タイトル画面には、ピクセルアートで描かれた可愛い女性「冴子」の姿が画面の半分ほどを占めています。その理由のひとつは、カメラの視点がやや低いため、相対的に彼女の姿が大きく映し出されているからです。
カメラの位置は、彼女が向かっている机の位置くらい。そのため、見上げるような角度になっています。実は、この角度や距離感が、『SAEKO: Giantess Dating Sim』にとって非常に重要なのです。
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その理由は、ゲームを開始するとすぐに分かります。画面の構図が切り替わり、椅子に座っている冴子と、彼女が向かっている机の様子を真横から映す構図になります。
そして、机の上には小さな人間が。……そう、タイトル画面の視点は、机にいる小人から冴子を見上げたものでした。
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プレイヤーの分身となるのは、この小人。名前はリンと言いますが、それ以外は何も覚えておらず、記憶喪失のようです。なぜ小人になったのか、自分は誰なのか。何も分からないリンに、「小さなあなたを見つけて、危ないと思って持って帰ってきた」「一緒に、元に戻る方法を探してあげる」「それまで、私のところで暮らさない?」と、冴子は親身になって接してくれます。
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リンは何も分からない状態なので、冴子の申し出を受け入れるほかありません。冴子の手に平に乗り、これから過ごす場所へと案内されました。
■リンが過ごす、もうひとつの世界
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いつの間にか眠ってしまったリンは、暗い場所で目を覚まします。すでに冴子の姿も気配もありませんが、そこには凛と同じ小人たちがいました。
最初に声をかけてくれたモコ、以前からリンを知っている様子なのにそれを否定するチオ、ここの生活について教えてくれるタキと、3人の小人に囲まれます。
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『SAEKO: Giantess Dating Sim』は、冴子とのコミュニケーションも重要なパートですが、この部屋で過ごすひとときも、もうひとつの大事なパート。今回の試遊版ではお披露目程度ですが、その範囲でも重要な情報がいくつも出てきました。
モコやタキの説明をまとめると、この部屋は引き出しの中で、リンは新たな管理人に指名された模様。その初仕事として、引き出しの中に置かれたコマをタキに渡す作業を頼まれました。
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この仕事は、コマをドラッグし、そのまま移動してタキにドロップすれば完了。おそらく、操作方法のチュートリアルを兼ねているのでしょう。もちろん、何の問題もなく初仕事が終わりました。
この部屋にあるモノは冴子の私物なので、直接触っていいのは管理人であるリンのみ。ほかの小人は、リンから渡してもらうことで、触れていい許可を得ることになるようです。
■徐々に怪しくなる雲行き
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続いて、部屋にあるピーナッツをモコに与える仕事に移ります。操作は同じなので悩む必要はありません……が、ここで筆者にいたずら心が芽生えました。モコではなく、他の小人にピーナッツを渡したらどうなるのかな、と。
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そこで、まずはチオにピーナッツをドロップ。断られるのか、それとも素直に食べるのか……と思いつつ反応を伺うと、「……あなたがそう決めたなら、私は受け入れるわ」と返答。予想よりも重めの言葉です。
さらに「ありがとう、リン。つらい決断だったと思うけど……頑張ったわね」と、チオが続けます。予想外の反応に焦ったのか、リンは「間違っちゃったかも! 考え直します!」と撤回します。
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微妙な疑問が浮かびつつ、今度はピーナッツをタキに渡してみました。すると「…あ、ああ、そう! ま、間違えてるよ!」と、こちらも奇妙な反応を示します。さらに「食べ物はモコにあげるんだ! 絶対だよ!」と強く念を押してきました。
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疑問はさらに深まるばかりですが、ピーナッツを渡せる相手はもうモコしかいません。彼女に渡したら「ありがとうね、リン」と、こちらはごく普通の反応。ふたりとのギャップに首をひねりつつも、チュートリアルらしき過程が終わりました。