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『Hello Kitty Island Adventure』レビュー:キャラゲーとしては上出来、ゲームとしてもなかなか遊べるがややぎこちない

かわいすぎるサンリオキャラクターが登場する作品を、ゲーマー目線でレビュー。

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『Hello Kitty Island Adventure』レビュー:キャラゲーとしては上出来、ゲームとしてもなかなか遊べるがややぎこちない
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ハローキティやシナモロール、ポムポムプリンなどの人気キャラクター群を擁し、国内外で高い人気を誇るサンリオ。近年はVRchat内でのイベント開催やハローキティのVTuberデビューなど最新の文化にも積極的にコミットしていく姿勢をみせています。サンリオが題材となっているビデオゲームも数多く発売されており、今回レビューで取り扱う『Hello Kitty Island Adventure』もその中の一本です。

本作はもともとApple Arcade用のゲーム(iPhone/iPad/Mac等向け)でしたが、いったいどのような内容なのかまったくの事前知識がないままにプレイしました。本作は毎日プレイすることで徐々に進行していくタイプのゲームなのですが、筆者がプレイできたのは編集部から依頼された記事制作期間である2月1日から2月5日の5日間であったため、中のコンテンツをすべて遊びつくすようなことはできていません。あくまで現在までプレイできた範囲でのレビューになる点ご注意ください。


キャラクリ要素もあるがサンリオ主力キャラに比肩するほど超かわいくはなれない

まず、本作はその外見通り『どうぶつの森』シリーズのフォロワー作となっています。類似点は外見の等身や、「リアルタイムの日が進まないと進行しない」システム、釣りや網での動物採取などがあり、全体のリラックスしたムードも似ています。ただ『どうぶつの森』シリーズと異なり、朝や夜などの時間経過はリアルタイムではないため、「夜しか暇な時間がない」というようなプレイヤーも安心して遊ぶことができます。

ゲームが開始するとまずはキャラクタークリエイトがあります。本作においてプレイヤーは人間ではなくなんらかのかわいいキャラクターとして遊ぶことになります。キャラクタークリエイトの自由度はそこまで高くないので、「超かわいくてサンリオで主力級のひとたちと並ぶ」ような感じにはたぶんできないと思います。

バカンスに向かう途中の飛行機が故障し、風船をもって脱出することになる――という、かなりのとんでも展開からストーリーが始まります。プレイヤーはここで本作に登場する主要なサンリオキャラクターと顔を合わせることになります。主要なキャラクターは「ハローキティ」、「マイメロディ」、「ポムポムプリン」、「シナモロール」、「けろっぴ」、「ばつ丸」、「ペックル」、「タキシードサム」、「ポチャッコ」、「ハンギョドン」、「クロミ」、「チョコキャット」、「烈子」の12人となっています。個人的には「烈子」がこの中に選ばれているのがかなり意外で面白いです。

ちなみにシナモロールは個体名ではないはずですが(僕の認識が正しければこいつは「シナモン」のはず)ゲーム中ではシナモロールと呼称されているため記事内では「シナモロール」として記述します。

ほかのキャラクターも「来客」という形で登場しますが、たとえば「ディアダニエル」や「マイメロのママ」など主要キャラの関係人物しかいまのところ見かけていません。また、ちょっとした収集要素として「ぐでたま」が登場したり、ストーリーイベントの途中に「キキララ」が登場したりもするのですが、かなり気まぐれな登場のため、上気のキャラ以外に推しキャラがいる人は事前に調べてからゲームを購入したほうがよいでしょう。

『どうぶつの森』とは大きく異なる特徴も―移動の自由度はかなり高い

本作はクエストの連続で成り立っています。主要キャラクターたちの好感度をあげると「友達レベル」が上がり、それに伴ってクエストを受注することができるようになります。そしてそのクエストをこなすことでストーリーが進行したり、場合によっては新しい道具が利用可能になったりする、というわけです。手に入れた道具を使って新しい収集要素やクラフトを試したり、島のいままでいけなかった場所に行ったり……というサイクルを繰り返していくのが本作の基本的な進行です。

好感度をあげるためにキャラクターにプレゼントをしなければならないのですが、プレゼントできる個数に上限があり、一日で好感度をあげきってストーリーを進行していくということが不可能なため、時間をかけてプレイするというスタイルが強要されます。

また本作にはいわゆる「ログボ」のような物があり、毎日ゲームをプレイすることで特典を受け取れます。筆者は何も知らずにプレイを開始したため序盤は効率のよいプレイ方法がわからず時間をちょっと無駄にしてしまったな、という感覚があります。もともと「そのようなゲームだ」ということが分かってプレイするならそこまで気になることはないでしょう。

本作の舞台となる「フレンドシップ・アイランド」(Nintendo公式のブログより)はかなりの広さです。マップ中央の水中もゲームを進行していくと探索可能となるため、歩き回っているだけで相当の時間を必要とします。マップの中にはしかけのあるダンジョンがあったり、隠し宝箱があったりなど「冒険」色が強いです。このあたりはインスパイア元である『どうぶつの森』シリーズとははっきり違った本作ならではの特徴といっていいでしょう。マップを探索することで新しいアイテムが手に入るようになります。拾えるアイテムの用途としては大抵プレゼントをクラフトするためのものか、家に置くためのアイテムをクラフトする用のもの、というのがほとんどです。

ダンジョンではちょっとした謎解き要素が楽しめます。またちょっとだけアクション要素もあるため、気分が変わって面白いです。難度はそれほど高いものではないためゲームが苦手というかたも安心して遊べるかとは思います。本作ではジャンプができたり滑空できたりスタミナを消費して壁のぼりができたりなど、こういうジャンルのゲームとしては意外なほど移動の自由度が高いことも特徴です。

特に(先ほども言及しましたが)シュノーケルを入手してから移動可能となる水中マップはかなり新鮮で楽しめました。まったくジャンルとしては異なるのですが、道具を入手し行動範囲が広がる感じはちょっとだけ「メトロイドヴァニア」のような楽しさがあるな、と思いました。

移動の爽快さ、自由度の高さのおかげで最初のうちは島を歩き回っているだけでもかなり楽しく、無理なくアイテム集めをすることができます。特に、スタミナを消費し壁をよじ登る行動は、「こんな所行けちゃっていいの?」と感じるぐらいに移動自由度が高いためかなり楽しめました。しかし逆に、島の構造をある程度把握してしまい、必要なアイテムがどこにあるのかが把握できるようになるとアイテム収集は若干作業感を増してしまうこととなります。とはいえ、このようなジャンルのゲームは基本的に作業感が高くなるものなので仕方のないことと割り切り、移動がだるくなってきたらファストトラベルを利用すれば大きな欠点とまではいえないでしょう。

本作の特徴として、「アイテムをクラフトするために必要な「作業台」のようなものが世界の各地に散らばっている」という点があげられます。ふつうこの手のゲームですと自宅が複数種類の作業台で埋まっていく、というようなことがよくあるので、本作の仕様は斬新に感じられました。移動は少々面倒くさいですが、家が散らからないのはいいことだと思います。また、メインキャラクターも島中に配置されているため、プレゼントを渡すために毎日島全体を軽く回る必要があるなど、「定住せず、移動しまくってくれ」というゲームデザインになっているように思います。

基本を抑えたゲームシステムに飽きることのない様々な要素も

本作のもう一つの重要な要素としてハウジングがあります。島のいろいろなところにある空き家を開放することで自宅とできるほか、先述した「来客」用の家にすることができます。「来客」にはそれぞれ好みがあり、定住してもらうためには条件を満たすアイテムが必要になるので、そのためにもアイテム収集をしなければならないわけです。多くの来客を向かい入れようとするとアイテム収集やクラフトなどを計画的に行う必要があり、効率を求めるなら攻略情報などを参考にしたほうがよいかもしれません。

ほかにも前述したマップの各所に配置されている「ぐでたま」と一緒に写真を撮るという収集要素や、ちょっとしたミニゲームも多く含まれています。総じてこの手のゲームとしてはかなり遊びの幅が広く、最初からやることがなくなりづらい作りになっていると感じました。また筆者は未プレイですがマルチプレイ要素もあるらしく、ボリュームはたっぷりです。やっていて顕著にテンションが上がる瞬間はないですが、つまらなくないのでダラダラとプレイし続けることが苦にならない、リラックスできるゲーム体験になっています。

キャラゲーとしては上出来だが、気になる点も……

最後に、本作最大の魅力はなんといってもサンリオのキャラクターとコミュニケーションがとれる、という点につきます。登場するキャラクターはみな可愛らしく、なじみのあるものなので、サンリオのファンであるならゲームの楽しさ以上に楽しめることは請け合いでしょう。キャラゲーとして考えればかなり上出来といえるのではないでしょうか。サンリオに興味がないプレイヤーが買う意味があるかというとちょっと微妙なところだと思いますが、このジャンルの作品が好きなプレイヤーであれば、少なくともあまりストレスを感じずに遊ぶことはできる、と思います。

キャラゲーとして一点気になったところは、キャラクターのセリフがやや翻訳調に感じられるところです。とはいえ不自然になるギリギリ手前という感じですし、口調などは公式のものにがんばって寄せられているとも思います。最後に、フルプライスのゲームですから継続的なアップデートによるキャラクターの追加はぜひしていってもらいたいです。


Game*Spark レビュー 『Hello Kitty Island Adventure』 PC(Steam)/ニンテンドースイッチ/Apple Arcade(iOS/Mac/Apple TV等) 2025年1月30日リリース(Apple Arcade版は2023年7月28日)

キャラゲーとしては上出来、ゲームとしてもなかなか遊べるがややぎこちない仕様もある

GOOD

  • サンリオのかわいいキャラクターとコミュニケーションできる。
  • 移動の自由度が高く、マップも広いため探索が楽しい。
  • ミニゲームや収集要素など、ボリュームもたっぷり。

BAD

  • 継続的なプレイを強いる作りになっており、日ごとの進行度が制限される
  • 翻訳にやや不自然さを感じる
  • アイテム収集やクラフト、プレゼントなどを効率的に行うためには攻略情報を参照しないと難しい

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《文章書く彦》
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