
Absurd Venturesのシニアミッションデザイナーであるキャメロン・ウィリアムズ氏は、GDC 2025にて「9 Ways to Encourage Open World Engagement(オープンワールドへ関与させる9つの方法)」とする講演を実施しました。その中で語られたランドマークの数や配置に関する知見や、プレイヤーをアクティビティに参加させる方法について海外メディアPC Gamerが報じています。
オープンワールドゲームの経験豊富な開発者
ウィリアムズ氏はAbsurd Venturesにてシニアミッションデザイナーを務めるゲーム開発者。以前はInfinity WardやRockstar Gamesに在籍していたこともあり、『コール オブ デューティ モダン・ウォーフェアII』『コール オブ デューティ モダン・ウォーフェアIII』や『レッド・デッド・オンライン』に関わってきたほか、発売が徐々に近づく『グランド・セフト・オートVI』の開発にも数年に渡って参加しています。
オープンワールド開発の難しさにはプレイヤーとして耳が痛い話も?

そんな同氏がGDC 2025にて講演したのはオープンワールドゲームにおいてプレイヤーの積極的な関与を促す方法でした。「プレイヤーが探索しない」ことをオープンワールドにおける共通した問題の1つであるとして取り上げています。
プレイヤーにオープンワールド疲れを感じさせないために情報を与えることが重要だとした同氏ですが、プレイヤーに見えるランドマークの情報が多すぎても「分析麻痺」を起こすために良くないと主張。考えることが多すぎると何をすればいいのかわからなくなってしまうということのようです。
また、オープンワールド内に配置されたアクティビティにプレイヤーを参加させるために配置も重要とし、重要なミッションに沿う形で釣りのミニゲームへ誘導した『レッド・デッド・リデンプション2』を例としています。
こうした配置の工夫が必要な理由として同氏は「beeliners」というプレイヤーの存在に言及。メインクエストのみを“一直線”にこなす「beeliners」を「最小限の楽しみがいい!」という人々だと説明したとのことですが、本講演を紹介した海外メディアPC Gamerでも「オープンワールドのゲームデザインにおいて克服すべき最大の問題は私だったかもしれない」とプレイヤー目線では耳の痛い話であったと記しています。
※編集部注:GDCに行ったのに取材をし忘れるという大ポカをしたので、本講演の詳細は4Gamer.netのレポートをご覧ください。
今回は開発者目線で回避するための方法が講演された「オープンワールド疲れ」は、プレイヤーの間では定番の話題でもあります。Game*Sparkでも海外ゲーマーの声として記事にしたこともあり、「ほとんどの収集要素とメインクエストが超だるい」や「“ミニマップでアイコンを見てまっすぐ向かったりファストトラベルを使って移動する”タイプには惹かれない」との意見を紹介していました。なおその際には「オープンワールドゲームの大ボリュームこそ求めているもの」とするような好意的な意見も多くあり、それだけファンの多いジャンルであることは間違いありません。