SFC非公認ソフトとして名高い成人向けSFCソフト『SM調教師瞳』シリーズですが、2025年3月22日、秋葉原の「家電のケンちゃん」にて「偽物認定証」付き『SM調教師瞳』シリーズが販売されました。
遊んだことはなくても名前だけは皆知っている『ジーコサッカー』じゃないソフト

かつて西武企画が1990年代に制作した非公式SFCソフトとして知られる育成SLG『SM調教師瞳』シリーズ。公式タイトルであればありえない、18歳未満禁止の性的なアダルト要素を含むゲームとして、一般的な流通では購入できないタイトルであったにもかかわらずカルト的な知名度を持っています。なかでも、同シリーズのカートリッジの製造に、かつてEAがSFCにてリリースしたサッカーゲーム『ジーコサッカー』が利用されていた、とするエピソードなどは、令和の世でも生き残る多くのミームのもとにもなりました。
今回秋葉原の「家電のケンちゃん」で発売された「偽物認定証」付き『SM調教師瞳』は、海外サイトで販売されている『SM調教師瞳』の偽物ソフトを輸入し、シリアルナンバー付きの「偽物認定証」を付けて販売する……というものです。
「家電のケンちゃん」の店長はかつて『SM調教師瞳』シリーズに周辺スタッフとして携わった人物でもあります。「家電のケンちゃん」自体には他の『瞳』関係者はおらず西武企画ともまったく関係はありませんが、購入された「偽物認定証」の付いたソフトの利益は別途、本物の『SM調教師瞳』シリーズに携わった開発スタッフにも還元されるという事です。
蔓延する「偽物」レアゲーム……はたして対策はあるのか

こうした動きの背景には、海外通販や、国内オークションなどにて大量の「海賊版」レトロゲームソフトが出回っていることが挙げられます。例えばプレミアソフトとして有名なSFC『ウィザードリィ ストーリーオブリルガミン』ですが、海外通販ではこのゲームの「単品カセット版」が大量に存在します(同ソフトはかつてローソンで展開されたSFC書き換え専用ゲームとして提供されただけで、灰色の「単品カセット版」は存在しない)。
その他、単純な偽物以外にも「コレクターエディション」「コレクター向けレプリカ」などを謳った、作り自体は非常に精巧ながら権利者に無断で作られた海賊版の存在するゲームソフトも多数存在します。
今回の「偽物認定証」付き『SM調教師瞳』シリーズの販売は、そういった海賊版の流通に一石を投じる試みと言っていいでしょう。この試みについては実際の開発者への利益還元のほか、日本各地の中古ゲームショップで「偽物」と知らずに(あるいは「偽物」と知っていながら)高額販売されている『SM調教師瞳』シリーズを駆逐したいという思いがあるとのことです。
なお、この「偽物認定証」付き『SM調教師瞳』シリーズは即日売り切れとなり、後日新たに補充予定とのことです。
※UPDATE(2025/3/24 17:03):本文中、「家電のケンちゃん」に関する記述を修正しました。関係者にはお詫び申し上げます。