
対馬を取り戻すべく主人公「境井仁」が過酷な戦いに身を投じるオープンワールドアクション『Ghost of Tsushima』。「蒙古襲来」を題材とした同作では「和多都美神社(わたづみじんじゃ)」をイメージさせる架空のスポットが登場しており、2020年の台風で大鳥居が倒壊した際に再建を目指すクラウドファンディングが実施された時には、同作のプレイヤーからも多くの寄付が集まったことが報じられていました。
彦火火出見尊と豊玉姫命を祭り、その荘厳さで国内外から多くの観光客が訪れていた和多都美神社ですが同時にオーバーツーリズム(観光公害)も深刻化してしまった模様であり、昨日に国内外バスツアーを含め、観光目的での参入を全て禁止することが発表されました。
モチーフにもなった和多都美神社が観光目的での参入禁止を表明

対馬を取り戻すべく主人公「境井仁」が過酷な戦いに身を投じるオープンワールドアクション『Ghost of Tsushima』。「蒙古襲来」を題材とした同作では舞台である対馬をこだわりを持って描いており、実際にインスパイアされたロケーションとして和多都美神社も長崎県とのコラボ公式サイトで紹介されていました。
ゲームのプレイヤーを含めて多くの人々に愛されている和多都美神社ですが、観光客による迷惑行為にも悩まされており、広報用アカウントなどで被害を度々訴えていました。そして、同神社は3月22日に極めて重大かつ許されない不敬行為が外国人によって行われたことを明かし、崇敬者以外の境内への立ち入りを禁じ、国内外バスツアーを含め観光目的での参入を全て禁止すると昨日に発表しました。
市役所や観光物産協会、長崎県警察との相談も行ってきましたが解決には至らず、神域を荒らされる精神的苦痛と職員への度重なる暴言、暴力に神社運営の危機を感じざるを得ないとのように表明しています。
先日に『アサシン クリード シャドウズ』が国会で取り扱われた際は、ゲーム中の描写が観光客の迷惑行為を助長する危険性があるとしてオーバーツーリズムへの危惧も焦点となっていました。しかしながら特定のゲーム内での取り扱われ方が、オーバーツーリズムの対象になるかの判断にどう影響を与えるかは、今回の事例のように定かではありません。
同神社は神様に対する尊崇、崇敬の念をもってきちんとお参りする「氏子、崇敬者」以外の立ち入りを禁止すると表明しており、多種多様な人気を集めたが故に宗教や文化を軽視する行為が生じた可能性もあるかもしれません。