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皆様は「ARG」をご存知でしょうか。ARGはAlternate Reality Gameの略で、日本語では「代替現実ゲーム」と呼ばれています。現実と仮想が交差するユーザー参加体験イベントの総称で、様々なプラットフォームを通じて提供される断片的な情報を不特定多数のプレイヤーが協力して集め、大きな謎を解き明かしていくというものです。今回の特集ではゲームに関連したARGの中でも、非常に手の込んだものをいくつかご紹介します。
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仕込みは2年!? 『Team Fortress 2』のアップデート予告
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最初にご紹介するのは、クラスベースFPS『Team Fortress 2』の大型アップデート、「Pyromania」、「Mann vs Machine」の告知のために行われたARGです。この2つのアップデートに向けてのARGでは、ヒントが含まれるアイテムのドロップ、特定装備でのみ確認できるアイテムの説明文、ゲーム中に得られるユーザーごとに異なるコードの集約解析、公式サイトの隠しリンクなど、様々な仕掛けが施されていました。
「Mann vs Machine」ARGにおいてはデコードしなければならない約5,000のデータ片が用意されており、解析には数週間を要するとValveは考えていたようですが、実際にはなんと開始から12時間で解析が完了。ValveはTF2コミュニティの結束力と熱意を実感したことでしょう。
「Mann vs Machine」トレイラー
ちなみに「Mann vs Machine」ARGは2012年8月10日より始まりましたが(アップデートは2012年8月15日に実施)、実は仕込みはその約2年前の「Engineer Update」の時から行われており、ティーザー映像やアップデートページ、ゲームのマップ内(通常では到達できない場所)にヒントが散りばめられていました。
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多数のインディーゲームが絡む!『Portal 2』のポテトARG
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Valveがアクションパズルゲーム『Portal 2』のリリースに向けて行ったARGです。まず最初の段階として本作の正式発表前の2010年3月に、前作『Portal』にていくつかのARGを実施。ゲーム内のラジオを特定の場所に持って行くと、画像に変換可能な音声データが取得できた他、専用ソフトと56KモデムのみでアクセスできるBBSにて『Portal 2』発表日が示唆されたりしました。また、アップデートによって『Portal』のエンディングも若干変化しています。
変化したエンディング。ネタバレ注意
正式発表後は翌年2011年4月5日より第2のARG「PotatoFoolsDay」がスタート。このARGではSteamで配信されているインディゲーム13本をも巻き込んで展開しました。多くのユーザーが協力して各ゲームが絡みあうパズルを解き、ポテト関連実績を獲得したことで、『Portal 2』は正式リリース日よりも若干早めにリリースとなったのです。
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Steamという配信プラットフォームがあったからこそできた「PotatoFoolsDay」ARG。“Valveタイム”とも揶揄されるほどに延期があたり前となっていたValveが、予定よりも早くリリースしたということも注目すべき点でしょう。まぁ、それまでに一度『Portal 2』は延期しているんですけどね……。
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公衆電話が鳴る!『Halo 2』の「I Love Bees」ARG
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Xboxタイトル『Halo 2』のマーケティングキャンペーンとして展開されたARGです。トレイラーの最後でサブリミナル的にアドレスが表示されたサイト、ilovebees.comから始まりました(以前別のARGに参加した人々にもヒント入りのハチミツ瓶が送られた)。
ハッキングされた養蜂家のサイトという設定のilovebees.comでは、ARG参加者が解析を進めるうちに米国内のある公衆電話の位置や特定の日時が指定。実際にその公衆電話、その日時に鳴った電話をとると、録音されたメッセージの再生やゲームのキャラクターとの対話が行われ、合わせて公開されたオーディオクリップによって『Halo』世界に基づくオーディオドラマが形成されました。最終的に参加者は『Halo 2』のマルチプレイヤーを体験できるイベントに招待されたそうです。
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この「I Love Bees」ARGは2004年8月のローンチ時に25万人がilovebees.comを訪れ、サイトが更新されるごとに50万人以上が再訪。3ヶ月間の累計訪問者は300万人以上におよぶそうです。なお、本ARGは数々の賞を受賞し、他のビデオゲーム関連ARGの誕生に貢献しました。
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