気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、frecle開発、PC向けに6月27日リリースされた重力無視ADV『Youropa』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、空に浮かぶバラバラの都市を進むアドベンチャーゲーム。プレイヤーは記憶喪失のヒューマノイド“ユー”として、不思議な都市の奥へと向かいます。“ユー”は足についた吸盤で壁や天井を歩くことができ、ユニークな能力を駆使しながら、さまざまなパズルを解いていきます。各種エディタも同梱されており、日本語にも対応済み。
『Youropa』は2,570円で配信中。
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――まずは自己紹介をお願いします。
Mikkel Fredborg氏(以下Fredborg氏):私は『Youropa』のゲームディレクター兼唯一のプログラマーであるMikkel Fredborgです。
――本作の開発はいつどのようにして始まったのでしょうか?
Fredborg氏:私たちが本作を作り始めたのは2007年に遡ります。それ以降、休止を挟んだりしながら今に至ります。ここまで来るのにとても長い時間が掛かり、途中で立ち止まることも多くありました。
本作はフルタイムのゲーム開発プロジェクトとして始まり、すぐにたくさんのパブリッシャーから関心を得ることができました。Microsoftもそのうちの一つです。彼らは本作をXbox Live Arcadeでリリースすることに非常に興味を持っていましたので、私たちは契約条件に関して何ヶ月も交渉しました。しかし、最終的に交渉が決裂してしまい、私たちの資金は底を突きそうでした。そこで、業務委託や他の会社のためのアウトソーシング業務を請け負うことになったので、『Youropa』の開発にフルタイムで取り掛かることができなくなりました。2014年に本作のKickstarterに失敗し、会社は閉鎖しました。
しかし、このゲームの開発に関しては、頭の片隅でどこか煮え切らずに燻っていました。そして2017年の4月に人を集めて小さなチームを作ることができ、このゲームを完成させるための機会に恵まれたのです。そのため私にとってそのときから、再びフルタイムでの開発プロジェクトとなったのです。 :)
――本作の特徴を教えてください。
Fredborg氏:メインキャラクターのユー(Youropeanの短縮形)には足の代わりに吸盤のようなものが付いていますので、天井や壁を歩くことができます。これがこのゲームの重要な部分です。空中に浮かぶ、バラバラになったYouropaという世界の中をプレイすることになりますが、それぞれのステージは、ちょうど実際の都市に、あり得ない角度で建物と道路を巻きつけたような抽象的な小さな島のようなものになっています。
本作は物理と空間の移動パズルゲームです。最初はとてもゆっくりとしたペースですが、ゲームを進めるにつれて、キャラクターが進化していき、新しい能力を習得できるようになり、新しい場所に入れたり、様々な違った動きも出来るようになります。そのため、構造はメトロヴァニアに近いと言えるでしょう。しかしこのゲームでは武器をアップグレードする代わりに、新たな動きや動作を覚えることとなります。
また面白いことに、ゲーム内のキャラクターはすべて絵の具で塗られており、自分が描きたいと思ったキャラクターを自分でデザインすることが出来ます。とても可愛くしたり、醜くしたりと、完全にあなた次第なのです。そして、キャラクターのペイントはライフの役割もしますので、ステージから落ちたり、攻撃を受けたりすると色が少しずつ落ちていきます。すべての色を失うとゲームオーバーです。これは敵も同じで、敵もペイントされており、色を失うと倒すことができます。
本作には、私たちが開発に使ったものとまったく同じレベル/キャラクター/都市エディタを同梱しています。実は、すべてのレベルはたった一人の手で、Xboxコントローラーを使って作られたのです!
――本作が影響を受けた作品はありますか?
Fredborg氏:本作の開発にあたり、たくさんのものから影響を受けましたが、私たちはこのゲームを説明する際に、『スーパーマリオギャラクシー』、『Portal』、『Fez』、そして『ジェットセットラジオ』の融合だと言うようにしています。もちろん、まったく違うゲームではあるのですが……。たくさんのゲームから得た要素がありますので、今までにプレイしたことがある作品に似ているところもあるかもしれません。しかし一度プレイしていただければ、それらとはまったく異なるゲームだということをご理解いただけると思います。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Fredborg氏:クレイジーなレベルやキャラを作って、ひっくり返りながら楽しんでください!
――ありがとうございました。
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