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さあこれから海外へ出発だという人、見送る人、ただいま戻りましたという人、迎える人。空港って良いものです。いろんな人のちょっとしたドラマであったり、日常であったり、そういったものが混ざり合ったターミナルの独特な雰囲気に筆者はいつもワクワクします。もちろん展望台からエアラインの機材を眺めるのも大好きです。特にエンジンが唸りをあげて大きな機体を宙へ引っ張り上げる離陸シーンは心が躍ります。
さて、そんな筆者が今回紹介するのはSteamにて配信中の空港運営シミュレーションゲーム『SimAirport』。2017年の早期アクセスからアップデートが重ねられ、その製品版がついに2020年2月29日にリリースされました。タイトルから「僕は管制官」シリーズや『Airport Madness』シリーズといった飛行機の到着出発を管理するゲームを想像しますが、本作は「空港を運営、発展させて利益を得る」ことを主にしています。ターミナルや滑走路などの空港施設を開発し、スタッフを割り振り、フライトスケジュールを組んで利益を得ていくことが、本作の基本的な流れになります。黒字経営を目指しつつ、実際どのような空港を作りたいかはプレイヤー次第です。
今回のプレイレポでは、本作チュートリアルモードを軸に、どのようにゲームをプレイしていくのかを紹介していきます。このチュートリアルを説明通りに進めていくと、全て完了する頃には一通りの操作を学んだ上で、就航したエアライン機材の姿を見ることもできて達成感もひとしお。ハマる人はそこから先、ターミナル内装や滑走路の本数、エアラインのスケジューリングなど「どういう方向で空港を発展させていこうかな」といったアイディアが湧いてくることでしょう。実際にある有名な空港を作ってみるのも良いかもしれません。
言葉の壁
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前略オフクロ様、晴れて私は空港長として『SimAirport』世界に放り出されて空港運営を任されるに至りました。一日も早く新しい職場に慣れて健やかな生活を送りたいと思います。……ですが、見慣れない単語、ユーザーインターフェースたちに囲まれていささかとまどっています。この言語表示については、日本語もオプションから一応選択できるのですが……すべての内容が完全には和訳されておらずところどころ英語のままだったりします。そこでこの記事中では英語でプレイし、その上でスクショ内の説明文概要を日本語で載せていけたらと思います。
実際にプレイしてみましょう
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『SimAirport』開始時の空港はあまりにも閑散としており、旅客はおろかそもそも飛行機がひとつもいません。それもそのはず、この施設はいくつかのタスクが完了しないまま放置されており、運営ができる状態になっていないからです。このままでは間違いなく赤字……チュートリアルの説明に従って、一刻も早く不足設備を補い、通常営業ができる状態にしましょう。
と、その前に。画面右上に表示されている日時ウィンドウと再生/早送りボタンが見えますでしょうか?これらはゲーム内の時間経過を司るアイコンで、プレイヤー側で時間の早さを調節することができます。建物の建設には時間ががかるので早送りすると良いでしょう。またタスクが複数重なったら一時停止して優先順位を決定するのも良いかもしれません。チュートリアルだけでなく、本編においても積極的に活用していきたいところです。
作業員を雇う/開発を頼む
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空港施設の建設には、なにはともあれ現場で働いてくれる作業員を雇う必要があります。この人数が多いほど、規模の大きいものでも効率的かつ短期で建設が完了します。ただし調子に乗って雇いすぎると、彼らに支払う賃金がどんどんかさんで赤字になってしまいます。このチュートリアルでは説明通り、合計人員が最低6人以上になるよう雇ってみます。
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まず画面左下に並ぶ8つのアイコン、左から3番目の「Staff」を開きます。つぎに現れた表示枠内で「Workman(作業員)」を選択しましょう。そして+マークをクリックして合計人数6名にセットし、チェックマークをクリックすれば採用完了です。
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それでは作業員の皆様にお願いして施設建設を行ってみましょう。チュートリアルの指示によれば、マップ上の黄色と紫のストライプ部分を範囲指定して「Foundation(基礎工事)」をしましょうとのこと。先ほど見た画面左下のアイコン、今回は一番左の「Build(建設)」をクリックします。すると上部に表示枠が展開されるので、その「Construction」項目内にある「Foundation」のアイコンをクリック。この状態でストライプ部分をクリック&ドラッグして範囲指定しましょう。もし「Foundation」アイコンが見つからない際は、同表示枠の「Search...」で単語検索で見つけることができます。
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扉も何もない閉鎖空間が出来上がりました。苦しい予算で作り上げた全く意味のない部屋です。こんな部屋を作るよう指示を出した責任者はどこか。私でした。
ターミナル内施設を整える
実際の空港ターミナルは免税やらブランドやらの店が軒を連ねていますが、現在進行しているゲーム内には恐ろしいことに何もありません。このままでは旅客が時間を潰すどころか、お土産を買うことすらできず非常にストレスを感じてしまい、空港の収益に響いてしまいます。そこでチュートリアルの説明を読むと「アーケードゲームを遊べるコーナーを作ってみよう」とのこと。旅客は時間を潰せて、我々も小銭とはいえ収益が見込まれる……これは導入しない手はないですね。
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早速設置しましょう。お馴染み左下アイコンの「Build」を開くか、または左から二番目のアイコン「Zones」という項目をクリックします。その表示枠内にある「Arcade」を選択し、先ほどの「Foundation」と同じ要領で、ターミナル内に4×4マスで範囲指定を行います。
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Arcade Gameコーナーができました(画像右上)……が、なにやら黄色丸の!マークが表示されています。これは「設備が万全でないため使用できない」というエラー表示ですね。マウスカーソルを合わせてその内容を確認していきましょう。どうやら「最低でも一つ、Arcade Game(アーケードゲーム)を設置しよう」とのこと。たしかに筐体が無ければどうしようもありません。設置には左下アイコンの「Build」から「Objects」を開き、「Arcade ○○○ Game」という名前のアイコンを選択。これも今までと同様に希望場所をクリックして完了。
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今回は存在する4つのアーケード筐体を設置してみました。
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設置完了後に現れたこのグリーンの表示範囲、これは「ヒートマップ」と呼ばれ、特に空港施設内における「ストレスが少なく」「魅力的な部分」を示したものです。Arcade Gameコーナーから離れるほどグリーン部分は薄まり、反対にストレスを強く感じる場所(お手洗いなど)は赤くなります。マップを拡大縮小して全体を把握すれば、施設内のストレス分布がとてもわかりやすいですね。
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さて次のチュートリアル画面に現れたパープルの表示範囲、これは旅客にフライト情報を流す電光掲示板の「有効範囲」を示したものです。例えばこの有効範囲が極めて小さく、かつ施設内の片隅にひっそりと設置されていたら、いくら最新情報を流しても誰にも気づかれないことでしょう。そうなると旅客は機材やゲート変更に気づかないまま、最悪希望していたフライトを逃してしまう憂き目にあいかねません。
ちなみに筆者は、自業自得だったのですが、昔シカゴ・オヘア国際空港内を最新情報を確認しなかったがために半泣きで全力疾走したことがあります……。こういった旅客の悲劇(?)を無くすためにも、ヒートマップを有効活用して設備を適切に設置すると良いでしょう。これらはゲーム画面右端下で縦にならんだツールバーから確認することができます。
ターミナル外施設を整える
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さて、ターミナルの外に目を向けると雑草生い茂る、とても牧歌的な景色が広がって……いや色々設備が足りていないため飛行機が到着できない状態です。これは由々しき事態です。チュートリアルの説明文も今更ながら「飛行機が一機もいねえ!」と叫んでいます。
では解決のために、画像内に表示されている「Gate A1」ウィンドウの赤いエラーメッセージを確認していきましょう。まず「Taxiway(誘導路)」が、ターミナル前の駐機スポット(!マーク表示のエリア)に接続されていないため、機材が滑走路からターミナルまで移動することができません。そしてゲート前に「Gate Agent Desk」カウンターが設置されていないため、旅客をターミナルから機体まで案内することができません。ひとつずつ対応していきましょう。
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「Taxiway」を建設していきます。左下の「Build」、「Construction」の項目から「Taxiway」アイコンを選択。画像のように途切れた箇所を横一直線にするようにクリック&ドラッグして完成です。ただし完成までの時間は、作業範囲が広いため少しかかります。
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その間に「Gate Agent Desk」も設置していきましょう。「Build」の項目から「Gate Agent Desk」アイコンを選択。画像のようにマップ上、スポットからターミナル内に入ってすぐの扉横に設置します。こちらは机1つなのですぐ完成しますね。
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Deskが完成したら、改めてターミナルの外にあるスポットエリア(緑枠)をクリックします。すると「Aircraft Gate(S)」なるウィンドウが表示され、その中に「Assign To…」という項目が確認できます。
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これをクリックすると画像のように、先ほど設置したDeskとスポット間に緑色の曲線が山なりに結ばれます。この時、Desk側に表示されている「Assign」の項目をクリックすると、選択したスポットとDeskが紐づけされます。
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すると次は、旅客の順番待ちレーン設置のためにパープルで塗られたエリアが表示されます。チュートリアルの指示通り、「Build」から「Expand Queue」を選択しましょう。Desk側から、つまり左から右へクリック&ドラッグすることで設置が完了します。なお筆者は操作を誤り、余計な1マスが爆誕しましたがご容赦を…!
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最後に、先のスポットとDeskと同じ要領で、DeskとQueueを紐づけすればターミナル内の機体ならびに旅客の受け入れ態勢は必要十分に整いました。
フライトスケジュールを決める
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さて次のチュートリアル画面によれば、飛行機を受け入れるためにはフライトスケジュールをこちらでアサインしていかなければなりません。幸いなことに『SimAirport』世界において空港長は絶対王者……「トロピコ」シリーズのミスタープレジデンテクラスなので発着スロットの取得で揉めることはありません。騒音規制?迂回ルート?知りませんね……安心して画面左下、右から2番目の「Flight Management」アイコンからどんどんエアラインを受け入れて、ばんばんスケジュールを埋めていきましょう。
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ところが一つ問題があって、現在我らがトロピコ空港(たったいま命名)への就航を検討している航空会社「Leanyville Air」はどうやら夜間帯のスロットを希望しています。ポップした赤いエラーメッセージを確認すると、「PM」午後及び夜間帯の離発着には滑走路にLights(航空灯)を設置する必要があるとのこと。
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よろしいならば設置だ……ということで早速やっていきましょう。滑走路をクリックして「Upgrade」を選択し、表示されたウィンドウから「Runway Lights」アイコンをクリック。滑走路上にカーソルを合わせて、緑色に表示される設置可能エリアでクリックすれば設置完了です。
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航空灯を設置したおかげで、画像のように「PM」の運航スケジュールを「Accept(受け入れ)」することができるようになりました。
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「Accept」されたスケジュールは、便名が記載された緑ブロックとして「Master Flight Schedule」の枠内に表示されます。
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これをクリック&ドラッグして、下部の紫~黄~オレンジ~赤に色分けされた一日のタイムシートテーブルに置いていきます。この時、緑ブロック左端部の色は各時間帯の色と対応しており、例えば画像の場合、端部が赤であるため「6PM以降のみ離発着」ということになります。またこのブロック自体も長さを左右に調節できます。一日のスケジュールをきちきちに詰めたい時はブロック長を最短にしてみると良いでしょう。
チュートリアル完了~初フライトまで
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Leanyville Airの就航が決まった情報が業界に出回ったのか、トロピコ空港にはいま複数の会社からスケジュールリクエストが届いています。画像を見る限り早朝(EAM)に3便、午前(AM)に8便、午後(PM)に5便、夜(PM)に3便といった具合です。先ほどと同様にAcceptしていくのですが、10機以上になると受け入れができなくなってしまいました。
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表示されたエラーメッセージを確認すると、10機以上のフライト離発着をコントロールするには「ATC Control Tower(管制塔)」が必要とのことです。管制は簡単に説明すれば、空港内と周辺において、どの機体がどこで何をしているか把握して、衝突事故などが起こらないよう指示を出す大変重要な施設です。
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これも「Build」の要領でアイテムを選択し、敷地内の手ごろな場所で建設を行いましょう。
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今後ターミナルの拡張も考えると、おそらくこの位置が手頃であろうということで設置。
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これでようやくフライトスケジュールで1日を埋めることができました。あとはDay2以降実際にフライトが飛んでくるのを待つのみです。それまで従業員の方々には寝ずの番で空港を稼働させてもらいます。
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画像は深夜2時を回ろうというところ。道路脇の原っぱで手持ち無沙汰にたむろする作業員の姿が確認できます。労働基準法なんてどこ吹く風のトロピコ空港、24時間鋭意営業中!
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午前3時を大きく過ぎたころにはターミナル内で出発旅客が散見され始めました。
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アーケードゲームに興じる若い男性を、遠くに距離を取って眺める女性二人の構図は心にくるものがありますね。ところでこの空港、なんで唯一の娯楽がアーケードでそれ以外の部屋はすべてトイレなんでしょう。責任者はどこか。私でした。
ついにArrival便がやってきました!「Welcome to ようこそ トロピコ空港!」場周道路沿いに植えられた麻について空港長は、かつて忍者が修行していた名残だ問題ないと言い張って憚りません。
旅客の乗り降りが完了してふたたび飛び立っていく機体。チュートリアル完了です。いってらっしゃい!……なおこの時、ゲーム内時間を早送りにしていたので、一瞬の隙に機材がスポットアウトしてしまい、筆者が慌てているのがマウスカーソルの動きから伝わることと思います。
まとめ
こうして実際プレイしてみると、空港運営で利益を得ることを目的としつつもどこか開拓ゲームの『Banished』を彷彿させるような体感でした。流石にあっちのゲームよろしくポポポポポーンと墓が並ぶことは本作にありませんが、収支のバランスを考えて運営していかないとあっという間に大赤字に転落しそうな塩梅かなと感じます。そのうえで、余剰資金を溜めては施設と設備を充実させ、自分好みの空港を作っていくのは開拓の精神を刺激されてとても楽しいと思えました。
難点を挙げるとするならインターフェースの読みづらさといったところでしょうか。チュートリアル無しで始めるにはいささか厳しいものがありました……。ともあれ空港運営シミュレーション『SimAirport』、今回のプレイレポで少しでも興味を持った方は是非遊んでみてください。
- タイトル:SimAirport
対応機種:PC(Steam)
記事におけるプレイ機種:PC
発売日:2020年2月29日
記事執筆時点での筆者プレイ時間:115分
価格:2,570円