気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、PixelHive開発、PC/海外PS4/Xbox One/スイッチ/Stadia向けに3月26日にリリースされた90年代風横スクロールアクション『Kaze and the Wild Masks』開発者へのミニインタビューをお届けします。今回は主にパブリッシャーのSOEDESCOに回答をいただきました。
本作は、90年代のゲームにインスパイアされた2D横スクロールアクション。プレイヤーはウサギのような見た目の主人公「Kaze」となり、舞台となる「クリスタルアイランド」にもたらされた呪いから友人を助けるため、冒険を繰り広げます。Kazeはゲーム内に登場する不思議な「Wild Masks」を装備することでトラやワシ、サメなど動物の力が使用可能。マスクの力により、空中や海中など様々なステージを攻略していきます。日本語にも対応済み。
『Kaze and the Wild Masks』は、2,050円(4月3日までは10%オフの1,845円)で配信中(Steam)。


――まずは自己紹介をお願いします。
Lindaこんにちは。本作のパブリッシャーであるSOEDESCOのPRマネージャー、Lindaです。私たちはオランダを拠点としており、本作の開発スタジオであるPixelHiveはブラジルを拠点としています。開発者の多くは何年ものゲーム開発経験があり、レトロ風ゲーム作りへの情熱を共有しています。
――本作の開発はいつどのように始まったのでしょうか?
Linda本作の開発はおよそ6年前に始まりました。当初の構想は、「90年代の名作に影響を受けたレトロ風2Dアクションを作る」というものでした。最初のプロトタイプでは、オスの灰色のウサギがメインキャラクターで、帽子をかぶり、ブーツをはいて走り回るというものだったのです。この時はまだキャラクターの名前もKazeではなく、ゲーム自体も「Project Bunny」と呼ばれていました。ここから、本作が徐々に形作られていったのです。開発チームの誰もが、自分たちが子供だった頃に立ち返り、当時遊んだ「シンプルでありながらも楽しい」と思えるゲーム開発を目指しました。
――本作の特徴を教えてください。
Linda開発チームはゲーム全体に現代らしさを入れることにフォーカスしました。ですので、プレイヤーは操作のしやすさと16bitでは表現できなかった高解像度のドット絵を楽しむことができるでしょう。同じことはサウンドにも言えます。また開発チームは、本作が影響を受けた数々のゲームにありがちな「ライフ」をなくしました。
本作はスピードランナー(タイムアタック走者)にとっても魅力的な作品です。実際、開発チームもゲームの流れというものにとても力を入れて開発しました。ステージデザインも、プレイヤーの好きなテンポで進められるように作られています。カジュアルモードを選択すれば、気軽にプレイでき、様々なディテールも楽しむことができるでしょう。そしてハードコアゲーマーは、とにかく早くクリアを目指すという楽しみ方もできるのです。

――本作が影響を受けた作品はありますか?
Linda本作は名作2Dアクションゲームへのラブレターですので、多くの要素が開発チームの好きなゲームから影響を受けています。ゲーム内で、Kazeは耳をスピンさせて空を飛び、クリスタルを集めたり、K-A-Z-Eという文字を集めて報酬を得たりしますし、すべてのステージには隠しボーナスステージがあり、最終的にフルコンプリートするにはすべてを制覇する必要があります。
ボスバトルは反射神経も必要ですが、タイミングを見てボスを攻撃したり、頭を踏みつけたりします。2Dアクションゲームファンならば、どのゲームの影響を受けているか、すぐにわかるのではないでしょうか?
――新型コロナウイルスによる開発への影響はありましたか?
Linda残念ながら、新型コロナが原因による困難なことはいくつかありました。パブリッシャーである私たちSOEDESCOも、世界中の人たちがリリースと同時に購入できるよう、パッケージ版の発売を延期するという難しい決断をしなくてはいけなかったのです。本作のパッケージ版は、ニンテンドースイッチ、PS4、Xbox One向けに2021年5月25日発売予定(海外)です。
――本作の配信や収益化はしても大丈夫でしょうか?
Lindaはい、大丈夫です。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Linda本作のメインキャラクターの名前は、彼女が風のように速いから、という理由で日本語の「風(Kaze)」からつけられました!
この美しい2Dアクションゲームを楽しんでいただけると嬉しいです。本作には活気に満ちた色彩と生きているようなキャラクターたち、様々な環境が登場し、多くのマスクにより幅広いゲームプレイも可能となっていますよ。
PixelHiveこんにちは!本作の作曲家兼サウンドデザイナーのPaulo Bohrerです。開発スタジオであるPixelHiveを設立した1人でもあります。PixelHiveを代表し、本作をサポートしていただいたすべての日本のプレイヤーの皆様に御礼申し上げます。
本作は、私たちが子供の頃にスーパーファミコンやメガドライブで遊んだ多くの日本のゲームから影響を受けています。そういったこともあり、本作は私たちが子供の頃に大好きだった日本のゲーム業界へのラブレターなのです。本作を楽しんでいただけると本当に嬉しいです。そして、muito obrigado(ありがとうございました)!
――ありがとうございました。


本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に400を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。