気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、SuperSixStudios開発、PC向けに4月29日に正式リリースされたドワーフ街づくりRPG『HammerHelm』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、街づくりと三人称視点のアクションRPGが組み合わされたシミュレーションRPGです。プレイヤーは地上で暮らすのを夢見るドワーフとなり、同じ志を持つドワーフたちが集まる街づくりを行います。クエストやアイテム生産、モンスター退治といったRPG要素も存在。日本語にも対応済みです。
『HammerHelm』は、1,520円で配信中。
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――まずは自己紹介をお願いします。
Jonathan Hanna氏(以下Jonathan)20年以上、ゲーム業界で仕事をしているJonathan Hannaです。コミュニティマネージャー、ゲームデザイナー、プロデューサーとして、大規模MMORPGから小規模なモバイル向けタイトルまで、幅広く携わってきました。本作は、私が自分で始めた初めてのプロジェクトになります。
――本作の開発はいつどのようにして始まったのでしょうか?
JonathanUnityというゲームエンジンのことをより深く知りたいと思ったのがきっかけです。以前私が働いていたゲームスタジオでは、どのゲームエンジンを選ぶべきか、というのが大きな課題だったことから、ゲームエンジンについてしっかりと理解したいと思ったのです。
当初は一本のゲームを作る計画ではなく、ただ楽しみながら学んでいました。しかし新しいことが出来るようになるにつれ、頭の中でアイデアが形作られていき、本作を作ろうということを決意したのです。実は、本作は元々モバイル向けに作られていたのですが、私自身がPCゲーマーということもあり、すぐにPC向けの開発に切り替えました。
――本作の特徴を教えてください。
Jonathan街づくりと3人称視点のRPGの組み合わせが、本作をとても特徴的なものにしているのではないかと思っています。多くのゲームがその片方、もしくは両方の要素を多少は持っていますが、本作のように両方の要素を組み合わせたゲームは多くありません。プレイヤーの冒険はプレイヤーの街に直接影響を与え、その逆も同様です。
例えば、プレイヤーがもっと鉄鉱石を手に入れるため街の中に鉱山を作れば、その少しあと、その鉱山でモンスターを退治するというクエストが発生するのです!そしてそのクエストを終えると、プレイヤーは資源と報酬を得られます。本作では、街の中でするあらゆることが経験となるのです。
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――本作が影響を受けた作品はありますか?
Jonathan本作は『Banished』『RimWorld』『シムシティ』シリーズといった、多くの街づくりゲームとコロニーゲームから影響を受けています。私はこれらのゲームが大好きなのですが、私は実際に自分で作った街に住むことができるゲームを作りたいと思っていました。
本作では、自分で建てたすべての建物に入ることができ、すべての街の人と交流でき、手助けができます。他にも様々な要素から、他の街づくりゲームと異なる体験となるでしょう。昔の街づくりゲームの多くから影響を受けているものの、本作はそれらと大きく異なるものに仕上がりました。
――新型コロナウイルスによる開発への影響はありましたか?
Jonathan幸いにも、新型コロナの開発への影響は大きくありませんでした。本作の開発は自宅から行っており、手伝ってくれたアーティストたちや作曲家たちも全員リモートで作業を行いました。新型コロナによる影響が私よりも大きかったインディー開発者も多く知っているので、そういう意味で私はとても幸運だったと思います。
――本作の配信や収益化はしても大丈夫でしょうか?
Jonathanもちろんです!
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Jonathan本作は日本語にフルローカライズされていますので、皆さんにも楽しんでいただけるのではないでしょうか!しかし何より、本作はハードコアシミュレーションではなく、楽しく息抜きにプレイできるゲームとして作ったということを知っていただきたいです。
高難度のゲームも素晴らしいですが、時にはのんびりとゲームを楽しみたいこともあるかと思います。本作を遊んでみていただいた方には、私が開発を楽しんだのと同じぐらい、本作を遊び、楽しんでいただきたいですね。
――ありがとうございました。
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本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に400を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。