もうやだ……年末進行……助けて……。そんな現実世界に疲れた時はゲームでスローライフを楽しもう、ということで本記事ではMagnus Games Studioが開発を、505 Gamesがパブリッシャーを担い、2021年11月に正式リリース予定のスローライフADV『Re:Legend』をご紹介します。
本作はPC(Windows)/PS4/Xbox One/ニンテンドースイッチ向けにリリース予定で、既にSteamでは2019年8月30日から早期アクセスが開始されています。今回はありがたいことに、そのPC向け完全版を事前に体験する機会を頂きました。さっそくどんなゲームなのか見てまいりましょう。
『Re:Legend』とは?
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本作はヴォッカ島(ヴォッカタウン)と呼ばれる街を舞台に、記憶喪失となった主人公として生活していくスローライフゲーム。モンスターの育成、戦闘、農業、工作、料理など様々な要素が含まれており、既にお気づきの方もいると思いますが、『牧場物語』ならびに『ルーンファクトリー』シリーズから影響を強く受けています。筆者は特に『ルーンファクトリー』シリーズが大好きで、かつてはiモード用アプリ『ルーンファクトリー外伝 Another Day』まで遊ぶほどでした。
そのため本作はキャラ、インターフェースなどのデザイン良し、特にBGMのセンス良しと、全体的な雰囲気は好みでした。また農業、戦闘、育成といった要素には細かいパラメータが振られており、収集要素しかりやりこみ要素がたっぷり詰め込まれているので、プレイ体験の幅が広くなるのも好印象。他にもマルチプレイ機能対応という挑戦的な試みもありますが、今回の記事ではシングルプレイでの生活に焦点を当てて紹介していこうと思います。
操作
本作はキーボード&マウス、コントローラーに対応していますが、操作系にやや難あり。筆者がプレイしたPC版においては、コントローラでキャラの移動やアクションといった操作はできるものの、メニュー画面では「表示されたマウスカーソルを右スティック操作で動かして選択する」という状態でした。実際のところ、キーボード&マウスが一番遊びやすかったですね。
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それ以外にも操作感は、プレイできなくはないにしても、ややちぐはぐな印象を受けました。例えばキャラクターとの会話はFキーが「話しかける」のと、「台詞(ページ)送り」に割り当てられています。ここまでは良いのですが、会話選択肢が表示される時だけはWASDで選択して、SpaceまたはEnterキーで決定に切り替わります。しかも選択肢より後の台詞送りはまたFキーに戻るため、少々混乱が……。
もちろんこれはマウスでも操作も可能ですが、個人的には操作系を統一すれば良いかもと感じます。そしてキーコンフィグで設定はできるものの、欲しい項目が見当たらないのがもどかしい……!
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また、プレイ画面内のアイコンをクリックするとメニューを呼び出せますが、これも対応しているものとそうでないもので反応がバラバラ。他にはShiftキーでダッシュも反応したりしなかったり、タイトルメニューからオプションを開いた時だけ、スクロールバーの表示と動きが真逆だったり……。とにかく操作については、これら小さなストレスが積み重なり、プレイのテンポを躓かせていると感じました。
本編
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さて、本作にはゲーム内時間が設けられており、およそ1秒がゲーム内時間の1分、24時間で1日が経過し、28日で季節が1つ過ぎます。そして4つの季節が巡ることで1年が流れるという仕組みになっています。
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実際にプレイして思ったのは、意外と時間がカツカツになること。主人公は朝7時に起床し行動を開始しますが、まごまごしているとあっという間に夜。しかも深夜2時までにベッドで就寝しないと気絶してしまい、翌朝から体力とスタミナが半分の状態でスタートします。
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そのため一日の段取りを決めてパパっと効率よく動いた方が良さそうです。基本的に筆者は農業と戦闘を中心に回し、稼ぎに直結するということで農業だけは毎日必ず行うようにしました。何故なら戦闘は、とくにモンスター討伐系のクエストだと相手が強い分、こちらのレベル・スキル上げなどで日数を使いがち。その間、何もしないでいては生活資金が底をついてしまい、結局それはゲームの進行にも影響が出てしまうからです。
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自宅前には畑があり、最初は雑草や小石などで荒れ放題。これを素材ゲットだぜと頭を切り替えたくましく生きるのが農家の基本です(勝手な解釈)。それらを片付け、クワで耕し、種をまく。あとは毎日水やりなど世話をして作物が育つのを待つ……そうして収穫した作物は出荷して金にするのです。
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稼いだ金は装備を買うなりアップグレードに使うなりすると良いでしょう。個人的には主人公を限界ギリギリまで働かせるための病院代にしたいところ。ある意味で、影響元のタイトルにおける序盤と同じプレイ感覚かもしれません。スローライフを目指しながら、命を懸けて今は働け、馬車馬の如く。
ちなみに農作業の操作感については、そこまで悪くないものだと思います。アクションキー押しっぱなしでアイテムを連続回収できるのが便利。じょうろで水やりも、1マスごとにいちいちボタン操作する必要が無いので楽でした。強いて言うなら、斜めに見下ろすカメラワークのおかげで、前後左右の細かい移動と向きの調整が面倒なくらいでしょうか。
ともあれ、もたもた仕事していると時間がどんどん溶けていくので、スキルを上げて複数マス同時に作業したり、捕まえたモンスターに手伝ったりしてもらうと良いでしょう。
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スキル上げと言えば、工作や料理もこのような形で作業を行います。ゲージのタイミングに合わせてボタン操作などちょっとしたミニゲーム感覚ですね。作業には材料となる素材が必要になるので、基本的には農業と戦闘を繰り返し、その途中素材が溜まってきたタイミングで、作業を挟むと良い生活サイクルに乗れるかと感じます。
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ああ時間が無い、とにかく時間が全く足りないと街中を走りまわる主人公。その道中で住人とすれ違うので、挨拶して好感度を稼ぎます。他にも好きなものをプレゼントしても好感度をアップでき、ありがたいことに誕生日をはじめそういった情報はノートにまとめられています。好感度が高まればゆくゆくは恋愛、結婚……と、まさにスローライフゲームの醍醐味が詰まっていますね。
住人はある程度のルーチンで街中を移動し、生活を営んでいます。朝早ければ広場へ、日中は職場、夜は自宅……などなどそれぞれ違いがあるので、追いかけて観察してみると面白いかもしれません。キャラクターが実際に生きてると感じる設計はナイスですね。
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マップを見れば、この島における店や施設の位置関係がわかり、挨拶用ルートなどを決めて移動すると時間の短縮になります。ただしマップは道の繋がりが少々わかりづらいので、実際の景色に慣れて覚えるまでは移動に苦労するかもしれません。
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翻訳なのか元からそういう意図なのか不明ですが、一部キャラクターは突然口が悪くなることが。今更ですが本作は日本語対応しており、キャラクターとの会話は、内容とパターンはそこまで種類は無いものの、各人の性格がよく表れていると思います。なので余計に暴言クラスの言葉が飛び出すと浮くんですよね……。
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そして気になるのは、一部キャラは店と街中関係なく、声を掛けたらその場で買い物ができてしまうこと。しかも雨が降ってても関係なく外のベンチで休んでたりするので、なかなかロックな生き様、求道者の世界だなと感じました。
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記事冒頭でも少し触れましたが、街ではクエストを受けられます。ストーリーに直接関わるものからサブクエスト、さらには住人の好感度に影響を及ぼすものまで種類は様々。期限付きのものもあるので、可能であれば受けられるクエストは全て受けておくと良いかもしれません。
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作物の納品などがあるなかで、手っ取り早く報酬を稼げるという意味において、やはり討伐系のクエストが手堅いと感じます。街の外にはモンスターが徘徊しており、倒すと素材ドロップもするので、倒せば倒すほどに懐が潤います。
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この流れで戦闘についても紹介しましょう。基本的な操作はWASDキーで移動、Spaceでローリング、アイテムの切り替えは1~0までのキーが対応……などなど。なお、攻撃はマウスクリックで行います。モンスターはそこまでトリッキーな動きはしないため、こちらはタイミングを合わせ回避、その隙を突いて攻撃を繰り返していけば対処できます。
ただしその際に注意しなければいけないのは、マウスホイールボタンに割り当てられた「自動ターゲット機能」です。これは攻撃を放つ方向を「キャラの正面」または「マウスカーソルの位置」のどちらかに切り替える機能で、知らず知らずのうちにうっかり触ってしまうと、ここぞというタイミングで、明後日の方向へ攻撃が飛んでいくことも……。
また回復アイテムなどは取り出して、食べるというアクションが挟まるため、タイミングを間違えるとトドメを刺されて病院送りなのでこれも要注意です。
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そういう意味で、囮としても戦力としても使える相棒モンスターである「マグヌス」の存在は大きい。主人公同様、細かいステータスが振られており、さらに育てることで進化までするので、図鑑コンプといった要素も十分楽しめそうです。
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特に、チュートリアルで仲間にできるドラコニュートは貴重な相棒となるでしょう。なんといってもタイトル画面にも登場するくらいですからね。体力スタミナともに序盤であれば主人公のステータスとほぼ同じで、連れて良し乗って良し戦って良しと素晴らしい相棒でした。操作を間違って放流してしまうまでは……。
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しかもそういう時に限ってオートセーブが入って取り返しがつかない。
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たぶんやらかした程度で言えば、受け取った御三家ポケモンを逃がしたレベルかもしれません。その後の戦闘は非常に苦戦するハメに。
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もぬけの殻となった飼育小屋を前に涙が溢れそうになりますが、ぐっとこらえます。
おわりに
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記事冒頭でも書いた小さなストレスはいたるところにありますが、全体的に見て雰囲気はとてもスローライフゲームの感じが出ており、個人的には好みである本作。急いで進めるタイプのゲーム速度ではないので、どっしりと構えてゆっくり作物を育てながら街の住人と交流する、という文字通りスローな楽しみ方が良いのかもしれません。