2023年1月28日、サバイバルホラーの金字塔『Dead Space』のリメイク版が発売されました。オリジナル版はViscera Games(当時はEA Redwood Shores)が開発しEAが2008年に発売していましたが、このリメイク版は『STAR WARS:スコードロン』を手掛けたMotive Studioが開発しています。
本稿では、そんなリメイク版『Dead Space』のプレイレポを序盤3時間のプレイを基に、リメイクによって印象が変わった箇所を中心にお届けします。プレイにあたってはPC版をXbox Series Sコントローラーでプレイしているため、ボタン表記はそれに則った形で記載します。なお、後日にはGame*Sparkレビューとしての記事も掲載予定です。
リメイク版『Dead Space』とは
本作は、Viscera Gamesが開発しEAが2008年に発売した『Dead Space』第1作目のリメイクです。『STAR WARS:スコードロン』を手掛けたMotive Studioが開発しています。当時は日本で発売されませんでしたが、画期的なゲームプレイやグロテスクな表現から注目を集め、日本のゲームシーンでも、未発売でありながらなお知名度を持った作品となっています。オリジナルPC版にはクオリティの高い有志日本語化Modも存在していたため、プレイした人も少なくないかもしれません。
リメイク版の発売にあたって、メインシリーズとしては初めて公式に日本語に対応しました。残念ながら字幕対応のみですが、これまで日本で正式発売が叶わなかったシリーズとしては快挙といえるでしょう。
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物語は、エンジニアである主人公アイザック・クラークが、巨大艦・USGイシムラを修理する任務で派遣されるところから始まります。イシムラに入ると、そこは乗組員が虐殺された地獄絵図と化しており、そこに勤めていた最愛のパートナー・ニコルも行方不明になってしまいます。ごく普通のエンジニアであるアイザックは船内を徘徊する謎の生物と戦いながら、イシムラに隠された秘密とニコルの居場所に迫っていきます。
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原作の面白さをリメイク追加要素が引き立てる
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『Dead Space』の面白いところといえば、やはり四肢切断システムでしょう。一般的なシューターであれば敵の弱点は頭であることが多いですが、本作で退治することになる敵・ネクロモーフは手足が弱点となっています。
このシステムは、もちろんリメイク版でも引き継がれています。このシステムは「まず足を撃って歩けなくさせて、腕でトドメ」というような射撃の戦略性を生んでいるほか、ボロボロになってもしつこく這ってくるネクロモーフたちの姿は恐ろしく、サバイバルホラーというジャンルとの相性も良いです。
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今回のリメイクにあたっては「皮むき」というシステムが追加されています(名前だけでも恐ろしい…)。原作の手足が切れるというだけでも強烈な表現でしたが、本作では敵を撃つと肌の下の肉が見え、さらに撃つと肉が裂かれて骨が見える……という思わず背筋がゾクッとするような表現が追加され、さらにグロテスクさが増しています。
本作では、常時表示されるゲーム的なUIが基本的に存在しません。ゲームとして必要な、自身の体力などのステータスはすべてアイザックの背中にあるバーで示されることで没入感を高めることに成功しています。リメイク版の「皮むき」システムではさらに、敵が負っているダメージ度合いをふんわりですが把握しやすくなりました。
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筆者は原作の無重力シーンがとても印象に残っています。正直あまり操作しやすくはなかったですが、独特の操作感や敵が襲ってくる方向がわからない緊張感が好きでした。リメイク版ではこの無重力シーンも操作形態が一変しています。LB+RBで着地・滞空状態を切り替えでき、Lスティックで空中を浮遊、Lスティックの押し込みでダッシュと通常時とあまり変わらない操作になったため、かなり遊びやすくなりました。一方で、視点の角度が少し不安定なため、3D酔いが発生するかもしれません。
他の原作との違いで特筆すべきものとしては、起動からローディング、そしてコンティニューやチャプターをまたぐ際のローディングが非常に少なく、驚くほどシームレスとなりました。本作は2018年版『ゴッド・オブ・ウォー』のように、ゲームを起動してから最後までローディングを挟まないワンカット方式を採用しています。とはいえ原作の時点で露骨なローディングを感じさせない工夫があったため、どのようなものになるのかイマイチ想像できませんでした。
しかし、原作ではトラムに乗って移動するという形でまたいでいたチャプターが、本作では道中でより自然に切り替わるようになっています。なお、トラムはイシムラ内を行き来できるファストトラベル的な役割として生き残っています。