気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Thing Trunk開発、PC向けに2月17日に早期アクセスが開始された協力デッキ構築型ローグライク『HELLCARD』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、協力マルチプレイ対応のデッキ構築型ローグライク。最大4人でのマルチプレイが可能。重要となるのはモンスターの配置で、戦況を把握しつつモンスターをどこに配置するか、どのタイミングでカードを使用するかがダンジョン攻略のカギとなっています。記事執筆時点では日本語未対応。
『HELLCARD』は、2,050円で早期アクセス配信中。


――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?
Konstanty Kalicki氏(以下Konstanty)本作のライター兼サポートデザイナーのKonstanty Kalickiです。私が子供の頃一番好きだったゲームは『UFO: Enemy Unknown』ですが、最近ではあらゆるゲームをプレイするようになり、今は『エースコンバット7 スカイズ・アンノウン』をクリアしようとしています。
――本作の開発はなぜ始まったのですか?
Konstanty私たちの過去の作品である『Book of Demons』の開発が終わった後、私たちはこの作品に協力マルチプレイヤー要素を追加しようかと検討していました。それから私たちは『Slay the Spire』をプレイしたのですが、私たちはこれが大変気に入り、これに触発されてクォータービューでバトルが行われる協力デッキビルダーを作りたいと思うようになったのです。
――本作の特徴を教えてください。
Konstantyこの質問については部分的にもう答えちゃったようですね!本作一番の特徴は、協力ゲームプレイとクォータービューのビジュアルです。バランス調整が難しいことから、協力プレイに対応したデッキビルダーはほとんどありません。
――本作はどんな人にプレイしてもらいたいですか?
Konstanty私たちはどんな方にでも遊んでいただけるゲーム作りに力を注いでいます。また、私たちはゲームを作る際、紙をシンボル化したアートを採用しているので、子供っぽい見た目や大人向け過ぎるようなデザインにはならないようになっています。
ゲームプレイも簡単に始めることができ、マスターするのは難しい…という、まぁありがちな謳い文句ではありますが、実際それを意識して開発を行いました。そういったことから、カードやファンタジーゲームが好きな人には誰でも遊んで欲しいですね。

――早期アクセスはどれぐらいの期間を予定していますか?今後どのような要素が追加されるのですか?
Konstanty早期アクセスは1年間を予定しています。その間に元から計画していた要素と、コミュニティからのフィードバックに対応したものを追加していきます。
また、フィードバックをベースに、バランスの調整も行っていきます。まったく新しいクラス(第4のクラス)のほか、100種類の新カード、そして新たなラスボスが追加されます。新しいゲームモードも追加し、このモードでプレイヤーたちは徐々に難度が上がっていく中で、可能な限り長く生き残ることを目標とします。私個人的には、このモードが一番ワクワクしていますね。
また、Modのフルサポートも実施します。今でもすでにプレイヤーの皆さんは自分たちで新しいコンテンツを追加しようとしてくれていますが、これがより簡単になりますよ。
――早期アクセスとしてリリースしてみた感想を聞かせてください。
Konstanty私たちは過去のゲームでも早期アクセスを実施したので、どのようになるかは予想できていました。本作のようなカードゲームの場合、早期アクセスはまさにパーフェクトだと思います。このようなゲームはたくさんのプレイヤーによってテストしていただき、フィードバックをいただく必要があります。これこそバランス調整をするには最高の方法ですし、コミュニティが実際に必要としている要素をすべて搭載しているか確認することもできます。開発者側が必要だと思う要素ではなく、ですね!
私はDiscordもSteamフォーラムも毎日チェックし、フィードバックを集めています。これにより、どんな要素がプレイヤーは混乱しやすいかなどを見極め、改善に役立てているのです。早期アクセスを選んだのは素晴らしい判断だったと思いますよ。
――本作が影響を受けた作品はありますか?
Konstantyあります!一番大きな影響を受けたのは『Slay the Spire』でしょう。その次は、『Diablo』ですね。このゲームからはアートスタイルとテーマが影響を受けました。
面白い偶然なのですが、私たちは最近Skystoneというパブリッシャーと一緒に仕事をし始めました。この会社はDavid Brevikによって作られたのですが、彼は初代『Diablo』の開発に携わっていたのです。私たちが『Diablo』にどハマりしていたことを考えると、彼と一緒に仕事をするというのはめちゃくちゃクールですよね!
――本作の日本語対応予定はありますか?有志翻訳は可能ですか?
Konstanty日本語対応予定はあります!今は早期アクセス中で変化が激しいので、コミュニティ翻訳者を探しているところです。もしご興味のある方がいらっしゃいましたらとても嬉しいです!私までメールでご連絡ください。
――新型コロナウイルスによる開発への影響はありましたか?
Konstanty私たちはすぐに自宅からの開発に移行しました。ITシステムがすでに準備できていたので簡単でしたね。しかし一番大きな問題というのは、精神的なものでした。人と接することなく、一人で仕事をするというのはとても辛かったのです。その結果、パンデミックにより開発はかなり遅れてしまいましたね。
――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?
Konstantyはい、まったく問題ありません。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Konstanty私は日本文化が大好きです。昔からずっとオタクですし、ITを学んだのはポーランド日本情報工科大学です。残念ながらまだ日本には行ったことがなく、日本語も(まだ)あまり上手くないのですが、改善していきたいと思っています。皆さんには本作を楽しんでいただけると嬉しいです。
本作にはいくつか日本のポップカルチャーを元ネタにしたものが隠されています。例えばラスボスを1ターンで倒すと「Omae Wa Mou Shindeiru」という実績が獲得できますよ!
――ありがとうございました。


本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に500を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。