スクウェア・エニックスは、RPGリメイク作品『ライブアライブ(LIVE A LIVE)』のPS4/PC(Steam)版を2023年4月27日に配信予定です。
同社ではここ数年『サガフロンティアリマスター』『聖剣伝説3 トライアルズ オブ マナ』『クロノ・クロス:ラジカル・ドリーマーズ エディション』など、往年の名作がリメイク・リマスターで登場しています。新要素などを加え、新たなる側面を楽しめることで、ゲームの新旧ファンが喜べる流れは非常に喜ばしいことです。
そんな中で、今回筆者がリマスターを待ち望んでいるのが、1996年に発売されたRPG『ルドラの秘宝』です。自由に言葉を組み合わせて魔法を作り出す「言霊システム」が象徴的で、ゲームとしても今なお高い評価を得ている作品です。

本稿では、2023年4月5日に発売27周年を迎える『ルドラの秘宝』の魅力を紹介していきます。
『ルドラの秘宝』とは!
『ルドラの秘宝』は、1996年4月5日に(当時)スクウェアからスーパーファミコン向けに発売されたRPG。スクウェアとしてはスーパーファミコン向けの最後期の作品のひとつで、同年に発売した『トレジャーハンターG』以降はロムカセットでの販売を行っていません。
物語の舞台となるのは「ルドラ」という存在によって、4000年ごとに種族の誕生と滅亡の周期が繰り返される世界。現在の地上では人間族が栄華を迎えて間もなく4000年を迎えようとしていますが、環境汚染など滅亡の予兆が起きている状況です。プレイヤーはあと16日で滅びを迎えようとしている世界で、異なる使命を持った主人公たちのシナリオを体験していきます。


ゲームは比較的オーソドックスなコマンド選択制のRPG。最大の特徴は「言霊システム」で、プレイヤーが自由に文字を入力して独自のスペルを作り出せるというものです。この言霊により、序盤から強力な攻撃を使うことも、バグやデバフ効果のある言霊を駆使することもできるため、高い戦略性を有しています。
メインである3人(+1人)の主人公は「ジェイド」と呼ばれる“秘宝”を身体に宿し、その運命と自らの使命に導かれるままに世界を冒険していきます。3人のメインシナリオそれぞれで世界の滅亡に関わる大きな物語が語られ、やがて最終章で収束していく物語は非常に魅力的です。


なお、セーブしておけばタイトル画面から3人の物語をいつでも切替可能なのも特徴です。

「言霊システム」は今なお唯一無二の面白さ!
本作の醍醐味である「言霊システム」は、各主人公ともシナリオ開始時から使用可能。メニュー画面から作成を選び、6文字までの文字を入力することでさまざまな効果を持つ魔法のような力が使えるようになります。
言霊は言葉に秘められた力を引き出すもの。文字列は1文字ごとに違う効果があるほか、火の攻撃が行える「イグ」など、作中で特定の意味がある単語も存在しています。こういった単語はゲーム内のさまざまな場面でヒントを入手可能です。


言葉の中には「対象を複数にする」「効果をアップする」などの効果を持つものがあり、それらの組み合わせによって威力をあげたり、ときには全く違う効果を持つことも。基礎の言霊であっても、ひらめきと知識次第で大きく変化する可能性があるのです。
ちなみに「ホイミ」「ケアル」といった“有名な呪文”だと、ちゃんと回復効果があるなどのお遊びも。当時はまだスクウェアとエニックスが合併していなかったのですが、こういうのも時代の流れと運命なのでしょうね。筆者も補助効果の言霊はかなりお馴染みの単語に頼っていました。


ゲーム開始時点から好きな言葉を自分の武器にできるのは本作最大の魅力。まったく意味を持たない、ハズレの組み合わせを作ってしまうとそのまま文字が飛んでいくのもどことなくユニークです。
今回せっかくなので「ゲムスパ」「スパクン」「インサイド」などの言葉も作りました。「スパクン」がまさかの強力なデバフでしたが、消費MPが大きすぎるためにあまり使えず……。文字が飛ぶのを期待したのですが。いろいろ試した結果「スパークン」で飛ばすことができました。






属性を意識した戦闘はやりごたえ抜群!
ちなみに本作はそれなりに戦闘自体の難易度が高く、しっかり準備をしなければわりと簡単に全滅してしまいます。戦闘で重要な位置を占めるものに“属性”があり、火と水など相反する属性での攻撃では大きなダメージを与えられます。
ゲーム内では敵も言霊を使用するため、うっかり弱点属性で攻撃されれば雑魚敵相手でも大ダメージを受けることも。入手できる武器や防具の多くには属性がついているものも多く、ストーリーで最新・最強の装備品が決して最適解にならない場面もあります。



一応エリアごとの属性の傾向があるので、そこを上手く利用できれば簡単に経験値を稼ぐことも可能。MP消費が低い全体攻撃/全体回復の言霊を見つけたり、適切な属性装備を揃えて被害を抑えたり、自分なりの戦いやすいスタイルを見つけ出すのも重要です。
しかし、このゲームは「相手が使える言霊はこっちも使える」ということも大きなポイント。もし強力な属性の言霊を食らっても、その言葉を覚えておけば、今後は自分の頼れる言霊として利用することもできるのです。自由な「言霊システム」と属性が重要な戦闘は相性が良く、自分なりの戦い方を見つける楽しみもあります。



魅力的なキャラクターや世界観も
『ルドラの秘宝』は、あと16日で人類たちの世界が崩壊するという衝撃的な展開で話が進んでいきます。その世界でメイン主人公の「シオン」「サーレント」「リザ」たちの使命と運命が織りなすシナリオにも要注目です。
各主人公のシナリオでそれぞれ「ルドラ」と世界の様子が断片的に語られ、やがて大きな物語として収束していくストーリー展開も魅力的。登場するキャラクターも、人間だけでなく巨人族や爬虫類族、水棲族など他種族が登場し、この世界の成り立ちや歴史も徐々に明らかになっていきます。




各シナリオは「◯日目」という大きなくくりで進行し、ストーリーとともに朝と夜にマップが変化していきます。この日数は宿屋などを利用しても進むことはなく、基本的にストーリー進行を示すものと考えても問題ありません。宿屋を利用する時は「泊まる」ではなく「休む」という言葉を使っているのも細かいですね。
この夜と朝の演出が秀逸で、船での移動で夜になったり、イベントをこなして建物の外に出たら朝になっていたりと、なにかと印象的な部分で「時間経過」が訪れます。もちろん街の人の会話が変化したり、一部のショップのラインナップが変わったりと、変化を実感できるのも秀逸です。



『ルドラの秘宝』は、その世界設定から巨大な生物や機械など、ファンタジーやSFが融合した世界観が魅力。そして、その世界は微細なドット絵で素晴らしい表現を作り出しているのです!





ここまで紹介してきた『ルドラの秘宝』。有名な「言霊システム」はもちろんのこと、属性を意識する戦闘、16日間で世界が滅ぶという世界観など、ゲームとしての自由度と戦略性の高さは非常に魅力的です。
ただし、メイン3人のシナリオがそれぞれ展開していく本作では「ルドラ」という存在を中心とした物語が断片的に語られるため、しっかりと読んでいかないと少し分かりづらい部分も。また、エンカウント率も少し高めなので、システムに慣れないと戦闘はかなり難しく感じてしまうかも知れません。

もしこの先『ルドラの秘宝』がリマスターされる日がくれば、27年の時を越えて次々と新しい「言霊」が生み出されていくのではないでしょうか。残念ながらWii Uニンテンドーeショップの終了に伴い、入手が難しくなっている本作ですが、いつの日かもっと多くの人に遊んでほしい傑作RPGです!

