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2023年7月14日から7月16日にかけて京都市勧業館「みやこめっせ」で開催され、数多くのタイトルが出展された日本最大級のインディーゲームイベント「BitSummit Let’s Go!!」出展作品の中から、ライターが気になった作品をピックアップして紹介するプレイレポート。
今回は集英社ゲームズブースにて初プレイアブル出展となったミステリーアドベンチャーゲーム『都市伝説解体センター』の模様をお届けいたします。
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『都市伝説解体センター』を手掛けるのは、『和階堂真の事件簿』シリーズでも知られるインディーゲーム制作チーム「墓場文庫」。本作は印象的なキービジュアルも相まって発表から高い注目を集めて来ましたが、遂にプレイアブル出展に。
今回のデモでは、主人公の「福来(ふくらい)あざみ」が、霊能力者の廻屋渉(めぐりやあゆむ)が長を務める「都市伝説解体センター」の新人アルバイトとして事件の捜査に携わり始めるゲーム冒頭部分が描かれ、その内容の片鱗を体験することができました。
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ゲームの大きなモードは2つ。あざみを操作してオブジェクトをインタラクトしていくオーソドックスな調査モードでは、元来「不思議なものが視える」というあざみが特殊な眼鏡を装着することで視界が様変わりし、怪異の名残や思念、記憶などを手がかりに捜査を進められるように。通常時の視界で得られる情報を会話を進める手掛かりにしたり、眼鏡を装着して一見すると何気ない場所からヒントを得たりと、使い分けが必要になります。
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そして事件の捜査で重要となるのが、噂に尾ひれがついて人々の認識上で怪異が拡大していく原因となる「SNS調査」です。SNSでバズっているワードや事件を調べ、その中からキーワードを拾って更に検索。非常に現代的な捜査スタイルで、都市伝説のきっかけとなる噂の出所を探っていきます。
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そして突き止めた事件現場へ、というところで今回のデモ版は終了。本編では車椅子のため現場に赴くことはできないセンター長の廻屋渉による霊視も駆使し、怪異、呪物、異界などの調査・解体を行っていく流れになるようです。
まだまだ序盤のみのプレイながら印象的なのは高精細なドット絵アートの鮮やかさ。ムービーやカットシーンではカラフルな色使いかつ滑らかな動きながら、アドベンチャーパートでは人物に赤を配色しているのもゲームの妖しい雰囲気を演出しています。
注目作の初プレイアブル出展とあって一般公開日の集英社ブースには多くの来場者が詰めかけ、開発チームの面々も体験を終えた来場者の方々と積極的にコミュニケーションしていました。
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気になるボリュームについては複数の事件を描く連続ドラマ形式になっており、現時点ではクリアまで10時間前後を想定しているとのこと。全体的にホラーな雰囲気ながらもキャラクターが表情豊かに動く姿が魅力的で、特に主人公のあざみが持つどこか危なっかしい空気もあわせて、ほどよく遊びやすい柔らかな印象を生み出しているのではないでしょうか。
とは言えBGMも合わせて「どんな恐ろしい展開になってもおかしくない」と緊張させるムード作りは見事で、ホラーや都市伝説系のストーリーが好きな方は見逃せない作品となりそうです。気になる方は公式Twitterなどをフォローし、情報をチェックしてみてください。