今回はtinyBuildがパブリッシャーを、Mandragoraがデベロッパーを担い、2023年8月9日にSteamにてWindows PC向けに早期アクセスリリースした新世紀サバイバル『I Am Future: Cozy Apocalypse Survival』をご紹介したいと思います。
『I Am Future: Cozy Apocalypse Survival』とは?
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本作は、崩壊後の世界でひょんなことからコールドスリープより目覚めた主人公が、とりあえず前向きに周囲のものを利用して生活を始めるサバイバルゲーム。クラフト要素がゲーム体験のコアで、拠点を舞台に料理や製作を繰り返しながら、徐々にアクセスできるエリア等を拡大していきます。
ただしいずれの場合も、素材となるアイテムが必要で、その素材集めのために序盤は奔走することになるかもしれません。そのあたりのバランスや操作性など、早期アクセス故にまだまだ荒削りだったりしますが、コツコツ作業を続けて地道に拠点内の施設や機能を充実させていくのが楽しいプレイフィールでした。
操作・設定・言語
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将来的にはコントローラーにも対応予定とのことですが、記事執筆時点では、本作の操作系はキーボード&マウスのみに対応しています。なおキーバインドは自由に変更可能。その他の設定についてはオーソドックスな項目が並びます。
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またご覧の通り、言語は早期アクセスにもかかわらず日本語にもバッチリ対応しています。プレイ中、キャラクターの台詞が突然女性口調になったりならなかったり安定しないこともありましたが、全体的には支障がないレベルにまとまっていました。
本編開始
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さあ始まりました『I Am Future: Cozy Apocalypse Survival』。のっけからいやらしい視線を送るカモメが餌を取ろうとするムービーが流れます。
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そんな中で何かのスイッチが入ったのか、冬眠カプセルが起動し、中から電子戦のプロのような目をした男性が起き上がりました。
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冬眠復活直後でなおかつ明らかに崩壊している世界を前にして、この尋常ならざる前向きさを持つ男性が我らが主人公です。若干記憶の混濁もありますが、それはここからゲームの進行によって徐々に明かされていきます。
個人的に、世界崩壊後サバイバルと聞けば、動く歩道の進行方向に背中を向けて乗るような……なんというかジメジメしたものを想像してしまいますが、本作は一貫して明るいんですよね。もちろん不穏な気配もなくはないのですが、カラフルなグラフィックしかり主人公の言動しかりポジティブな印象が強め。
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ここが当面の拠点になります。見下ろし型のマップで、見渡す限りどこへでもいけそうですが、最初は廃材などであちこち道が塞がれています。
ここからは表示されるタスク(クエスト)に従い行動していきましょう。はっきりと「ここからここまでがチュートリアルでござんす」という線引はありませんが、段階的な学習を促すような誘導が設計されています。またタスクを達成するごとに徐々に行動可能範囲が広がり、さらにアクセス可能なタスクも増えていきますね。
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タスクの内容は多岐にわたりますが、いずれも根底には後述のクラフト要素が絡んできます。そのため、何かと素材アイテムが必要になってくるので、常日頃から拠点内を移動する際は目につくハイライトされたオブジェクトに触って懐を満杯にすると良いでしょう。
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しかし初期のインベントリは、バックパックを含めてもスロットが少なくすぐに物が溢れてしまいます。確認はできませんでしたが、ある程度の個数は地面に捨て置いても時間経過による消失がないようなので、だいたいは倉庫まわりに溢れたアイテムをまきちらしてた筆者。
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なおゲームを進めるとバックパック含むインベントリ拡張も可能になりますが、こちらもアイテムによるクラフトが必須になるので注意。初見だと何が大事なアイテムかどうかわからないので、まずはタスク達成用に必要個数を入手したら、あとは温存しておくのがベターだと感じますね。
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拠点に転がるオブジェクトは、アクセスして切ったり取ったりすることで木材、金属、植物などの素材アイテムを少量入手することができます。また特に金属や機械系のアイテムは分解することでさらに多くの素材を入手可能です。
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その分解作業はミニゲームとなっており、ネジ一本からパーツ単位で丁寧に外していきます。例えばこちらの画像にある電気ケトル。赤色にハイライトされたところは現時点では取り外し不可なので、まずは緑色から順にいじっていき、最後まで分解しきったら成功となります。
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こういったミニゲームは、他にも魚を入手する際の釣りで発生します。特定のエリアでミミズやルアーをつけて糸を垂らし、ゲージのタイミングに合わせて操作することで魚を釣り上げることができるのです。
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ちなみに記事執筆時点においては、個人的にこの魚がサバイバルの生命線なのかなと。
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というのも釣った魚はこのように、焚き火でクラフト(?)画面から捌くことで切り身と脂身、運が良ければキャビアといった具合に、複数のアイテムを同時に入手可能という点が大きい。しかもこれらはもうひと手間クラフトをして今晩の食事になるか、明日の作業台で別のアイテムにもなるのです。
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少し脇道にそれますが、食事と料理についても説明しましょう。主人公には体力ゲージと空腹ゲージがあり、前者は毒性の植物除去などによるダメージで減少し、後者は時間経過でじわじわと減っていきます。食事で回復しないまま空腹ゲージが底をついて、さらにそこから活動を続けると、今度は体力ゲージもじわじわと減り、最後には倒れてしまいます。
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これを回避するためには焚き火で、素材アイテムから食事をクラフトする必要があり、そこで入手する食事にはそれぞれ「どれくらい空腹ゲージを回復するか」のパラメータが設定されています。ブルーベリージャムより焼いた魚の方が腹も膨れるというのは、想像しやすいところですね。
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話を戻して、本作はとにかくクラフトがコアのプレイバリュー。個人的には、AというアイテムをクラフトするためにはBが必要でそのためにはCをいくつか取ってくる必要があって……という素材集めがやや面倒な序盤でしたが、コンパニオンなど施設を充実させることで少しずつ楽になっていきそうな気配がありました。とはいえクラフトで要求されるアイテムについては、もう少し簡略化できないかな……とは思わないでもありません。
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こんな感じでその日の食事とクラフトを中心に回しながら、夜間帯に出現しては邪魔してくる虫を撃退しつつ、時には新しく住人を迎え入れたりすることもあります。ここらへんサブクエスト的な謎解き(?)もあって楽しい部分でしたね。
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なおタスクをある程度進めて、ドローンを飛ばせるようになると、このように拠点以外に他のエリアにもアクセスできるようになります。自分の足で直接降り立って素材を物色して回る……というわけではなく、ドローンによる遠隔回収が主。
その中で、ショップの存在はかなり大きかったですね。ここでは通貨を支払って素材を入手でき、一部はタスクを簡単に達成できるアイテムが並んでいたりするので、割と……というかかなり重要な施設でした。
おわりに
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腕のドリルやノコギリをアップグレードすると、解体できるオブジェクトの幅がぐっと広がって、個人的にはここでひとつの達成感が得られました。ある程度は物をどかしたりは可能ですが、それよりも解体して素材アイテム単位にバラした方が、拠点の空きスペースがどんどん広がってスッキリしていく気持ちよさがありました。
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ちなみに身だしなみも調整できたりします。髪型、トップス、ボトムス、靴ですね。ゲームの進行によってアンロックされる衣装もあるので、どんどんタスクを埋めていきましょう。
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ともあれ本作、たしかに地道な作業が続きますが、ポジティブで穏やかな雰囲気のお陰で、ついつい時間を忘れてあれもこれもとタスクに没頭してしまう魅力がありました。もし興味を持たれた読者の皆様におかれましては、お盆休みのお供にいかがでしょうか。
スパくんのひとこと
穏やかな雰囲気の中コツコツ進める作業、ハマるとどこまでも続けちゃうスパね!
タイトル:『I Am Future: Cozy Apocalypse Survival』
対応機種:Windows PC(Steam)
記事におけるプレイ機種:Windows PC
発売日:2023年8月9日
著者プレイ時間:4時間
サブスク配信有無:記事執筆時点では、無し
価格:1,700円(2023年8月16日まで1,530円のセール中)
※製品情報は記事執筆時点のもの