錬金術RPG『アルケミスト: ポーション商人の物語』プレイレポート―錬金術のための試行錯誤が楽しい！完成したポーションは無限の可能性を秘めている【特集】

Art Games Studioは、錬金術RPG『アルケミスト: ポーション商人の物語（Alchemist: The Potion Monger）』をPC（Steam）向けに早期アクセスで配信開始しました。

本作は、錬金術師となるFPS視点のRPG。プレイヤーは村の人々と交流したり、さまざまなアイテムを集めたり、錬金術でポーションを作りながら、島での生活を行っていきます。プレイヤーを含め、全キャラクターが擬人化された動物なのも特徴です。同社は過去に『錬金術師シミュレーター』もリリースしています。

ポーションは非常に豊富な種類があり、体力回復やステータスアップはもちろん、高くジャンプしたり、村人を吐かせて回ることも可能。島を舞台にした冒険やクエストに欠かせないポーションを作り出したり、ときには特に意味もないようなポーションで遊べるのも本作の醍醐味のひとつです。

本稿では『アルケミスト: ポーション商人の物語』のプレイレポートをお届け。なお、プレイおよびスクリーンショット撮影はメーカーより提供されたものを使用しています。

素材の属性を調査・変化して錬金術を成功させよう

まずはキャラクターメイキングですが、ここで主人公の名前と種族、そしてペットの名前を決定します。最初はチュートリアルとして、材料の集め方や戦闘、そしてポーションの作り方などを学んでいきます。

本作の錬金術は、レシピに必要な素材を錬金鍋に入れて製作します。製作時に鍋から出てくるマークと同じ形をマウスでなぞることで、完成するポーションのクオリティを上げるちょっとしたミニゲームも用意されています。レシピは店で購入したり、島の中に隠されているスクロールを見つけることで増えていきます。

錬金術で重要なのが「素材から必要な属性」を引き出すこと。この世界では属性は大地や火など大きく4つのエレメントに分かれており、それぞれのエレメント内には放射状に広がる4段階の属性が設定されています。これらの属性は、ツールで素材を加工することで変化させることができるのです。

例えば最初に製作する回復ポーションには“回復”の属性が必要なのですが、拾える薬草は“成長”の属性しかついていません。ここで「素材の属性を反時計上に変化させる」効果の【銅の乳鉢】で加工することで、隣り合った“回復”属性に変化させ、回復ポーションに必要な素材になるのです。

ツールには属性を変化させるものだけでなく「低品質の属性を取り除く」「特定エレメントの属性を取り除く」ものもあります。素材は複数属性付いているものが基本なので、加工していかにして必要な属性のみを取り出すかが重要です。ちなみにレシピさえ分かれば必要な材料とツールを教えてくれる【賢者の石】といった便利なツールも用意されています。

島を探索して知識を広げよう！

舞台となる島の中にはいくつかの集落があり、一番大きな街には商店街も用意されています。店は素材や家具、錬金術ツールやレシピを扱うものや、住人からのポーション製作依頼を仲介・契約してくれる商人などが存在。離れた地域には鍛冶屋や農場などもあり、さまざまなアイテムや装備品を購入可能です。

特定の住民からは、クエストが発生することもあります。クエストは必要なポーションを持っていくものが基本ですが、なかには「町での人気を集めたい」という悩みに対して、香水や惚れ薬といった複数の解決法をプレイヤーが選択するものも。クエストや契約をクリアすることで、お金や評判を獲得し、評判によって店で購入できる物が増え、さらに錬金術の幅が広がります。

また、クエストの中にはボスキャラクターを退治するといった内容も。しかし、主人公は武器を持って戦えるものの決して強い存在ではありません。そこで、ステータスアップや攻撃ポーションを製作して戦いに備えることもできるのです。筆者は腕力アップと回復ポーションでゴリ押ししましたが、もっとスマートな戦い方もあったかも知れませんね。

特定のクエストをクリアすることで、家で飼えるペットの種類も増えていきます。ペットは「特定エレメントの属性を解析する」という重要な役割があり、最初の犬は地属性しか判別できません。次にペットになる猫を飼えば風属性を解析できるようになり、風属性の属性が必要になるポーションを作れるようになっていくのです。

さらに、主人公はスキルブックを入手することでパッシブ能力をアンロックできるようになります。スキルによっては毒がある素材を採取できるようになる、錬金術に必須なものも。スキルブックは店で購入したり、島に隠されているものを見つけたりすることで入手可能です。

ポーションの可能性は無限大！

本作の最大の魅力は、やはりポーションを用いたさまざまな攻略です。ポーションはお金稼ぎ、クエスト攻略、戦闘、探索など、島でのすべての日常生活に欠かせない要素。お金を稼いでレシピを集め、属性を解き明かしていくことで遊びの幅はどこまでも拡がっていきます。

ポーションの効果の中には「憎悪（当たった対象が周囲を憎むようになる）」「拡大（対象を大きくする）」「死の舞踏（対象のトランス状態が終わるまで踊り続ける）」といった効果を持つものも。ポーションは投げつけることもできるので、NPCに当てて反応を楽しむこともできます。

もちろんプレイヤー自身を強化することで、新たな道が拓けることも。筆者は、なんとなく行けそうな道で、移動速度アップとジャンプ力アップを組み合わせて乗り越えることで新たなエリアまで到達できました。実際これが正しい攻略法なのかわかりませんが、比較的簡単なポーションでも応用できるゲームの懐の広さを感じさせます。

なにより単純にポーションづくりのための試行錯誤が面白いのも本作のポイント。素材を複数回加工してまだ見ぬ属性を見つけたり、新しいツールを買うために契約で稼いだり、効率的な素材集めのために農業を始めたりと、錬金術のためにやれる作業はいくらでもあります。NPCや素材のための重要エリアにはワープスポットが用意されているなど、ゲームとしても親切です。

ゲーム内には基本的に契約以外の要素で時間制限がないので、ゆっくりじっくりと探索やクラフトに没頭できるのも嬉しいところ。新たなエレメントやエリアが解放されたり、高級ツールを買ったりすることで、やれることはどんどん増えていきます。

ここまで紹介してきた『アルケミスト: ポーション商人の物語』ですが、多彩なポーションを利用した冒険の楽しさ、素材の属性を解き明かしていくアカデミックな要素、ときにはポーションで無茶苦茶できてしまう遊び要素など、ゲームとしての面白さが満載です。一部おかしな部分もありますが、日本語も実装済みです。

特に素材を加工して属性を変化・純化していく作業は、初期素材でも応用次第でいくらでも高級ポーションに応用できる可能性を秘めています。慣れないうちはお金を稼ぐのに少し苦労したり、何をしたらいいのかわからない場面があるかも知れませんが、試行錯誤が楽しいゲームなのでじっくりと取り組めます。

Steam早期アクセスはおよそ6ヶ月から9ヶ月を予定。現時点でも基本的なゲーム部分は完成していますが、今後はサイドクエストやポーション、NPCやモンスターの種類など多くのコンテンツをより充実させていくということです。今後のアップデートも楽しみな一作です！