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Game*Sparkレビュー:『共鸣 ReMix』―翻訳などに課題はあれど、一貫した面白さは間違いないリズムアクション

キャラクターゲームとしてのポテンシャルも高い本作。今後のアップデートで翻訳の質が向上することを期待しております。

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Game*Sparkレビュー:『共鸣 ReMix』―翻訳などに課題はあれど、一貫した面白さは間違いないリズムアクション
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注意

本記事には、ゲーム内容のネタバレが含まれます。

今回はGameSmithがデベロッパーを、BD Gamesがパブリッシャーを担い、2024年4月17日にSteamにてWindows PC向けにリリースしたリズムアクション『共鸣 ReMix』をレビューしていきます。


先日はデモ版もプレイレポしましたが、今回は製品版を購入してのレビューです。ざっくり全体評をまとめると、「依然課題はあるものの、コアのゲームシステムがしっかりしているのでやっぱり面白い」という手応えだった本作、早速やってまいりましょう。

核となるゲームシステムの面白さ

本作は、マップの四方から迫りくる敵の群れを捌いていく、いわゆるヴァンサバ系アクションゲーム。「制限時間」「見下ろし型2D」「ローグライト」と基本的な要素はフォロワータイトルと同じですが、本作が一味違うのは、キャラクターと音楽要素を多めに取り入れたことで、よりリズムアクション方面に仕上がった点にあります。

プレイヤーは、ヒーローと呼ばれる6人のキャラクターから1人を選んで、各ステージに用意されたウェーブに挑戦。アンロック形式なので最初は選べるキャラが少ないですが、ゲームが進行し、アイテム「エコー」を一定数取得すれば少しずつ選択肢が増えていきます。彼らはそれぞれ異なる音楽の方向性をBGMに持っており、リズムにあわせて移動したり、タイミングよくボタン操作をすることで、攻撃やノックバックなどの効果が発動します。

実際に操作していると、だんだんリズムに乗ってついつい身体を揺らしながらプレイしてしまう楽しさがある本作。こういった「移動+α」というプレイスタイルは、ヴァンサバ系にしてはプレイヤーが能動的に操作するウェイトが重めに設計されていると言えましょう。そしてそんな設計こそが、本作における面白さのコアとなる部分であると感じます。

ステージ攻略中、各音楽家が持つ戦闘力のパラメータに注目してバンドメンバーを組むも良し、音の好みでチョイスするも良しなのが良いところ。演奏家の仲間が増えるにつれBGMがより豪華になり、またエフェクトもバシバシに決まってビジュアルとしても賑やかになっていきます。筆者の場合は、同じキャラを重ねて強化するよりも、好みのパートを複数名招き入れることでビートを刻む重めの音(?)を楽しみました。

難易度については、敵はどんどん硬くなって数も増えていくので、ステージ最後の方のウェーブでは一瞬でHPを削り取られてゲームオーバー、なんてことがままあります。しかも何故か敵だけはオブジェクトを貫通してマップを移動してくるので、建物を回り込んで逃げ回るこちらを無視して最短距離を詰めてくる敵への恐怖。

ただし、そうやってやや理不尽になぶり殺されても、キャラのステータスアップなど何らかの小さな前進は果たされるので、何もかもロストしてモチベーションが消え失せる……といったことはありません。また、ヒーローをまんべんなく使い込んでいけば全体的なゲーム進捗が早まるので、上手くデザインされていると思います。

結構必死にプレイしても亀の歩みで進む「エコー」収集。

ただ全体を通して見ると、やはりもう少し小規模にまとまっていたらもっと遊びやすいかな?と思ったりもします。というのも各キャラクターに割り当てられたステージは6種類、それらを構成する各ウェーブ数は難度ごとに増え、またウェーブごとに制限時間も伸びてくるので、同じキャラで攻略を続けていくうちにプレイがしんどくなる瞬間も出てきます。

またBGMそれ自体についても、キャラクターごとに用意されたベースとなる音楽はそれぞれ特徴があって良いのですが、当然全部が全部好みに刺さるのは難しく、一部はどうしてもノリが合わないものもあります。そのため、そういった曲をステージ攻略中ずっと聞き続けると流石にちょっと飽きが来てしまう。これは仲間が増えて音の種類に厚みが出ても、同じことでした。

とはいえコアの面白さがブレてないので、曲の好みはともかく長さやバランスにおける渋い部分は、レベルデザインの調整でどうとでもなる部分とも言えましょう。開発チームは、製品版発売後もフィードバックを取り入れつつ精力的に改善とアップデートを行っているので、今後にも引き続き期待できます。

キャラクターゲームとしてのポテンシャル

どちらも選べるのなら、会話を選択肢にする意味がある……?と思った部分。

改めて本作に登場するキャラクターは、指揮者と演奏家という2つのカテゴリで大別され、前者が基本的な音楽の方向性とスキル技を担い、後者が攻撃方法や戦闘力の能力値を担います。音楽家もアンロックで開放されていくため、序盤は似たような顔ぶれで攻略が繰り返されることになります。

仲間になった演奏家たちは、トップ画面(拠点画面?)にランダムで出現します。彼らを選択すると交流イベントを閲覧することができ、それによって好感度が上昇。好感度が高ければ高いほど、演奏家の基礎能力値も強化されていくのでイベントはなるべくこなしていくとよいでしょう。

ビートルズ?カブトムシ?翻訳ミスなのかジョークなのかが一瞬わからなかった例。

ただし、このイベントを通じてキャラクターに愛着が持てるかというと、見た目の可愛さでキャイキャイできるものの、記事執筆時点においては残念ながら翻訳のせいで内面に踏み込むのが難しい状態です。

これは本作における大きなマイナスポイントでもあるのですが、翻訳が機械のような無機質さなので感情移入がしにくいのです。戦闘などのシンプルな説明文については、若干怪しい部分はあれどそこまで大きな支障は少ないものの……ことイベントに関しては、本来は可愛らしい応酬であろう会話が支離滅裂とまでは言わないものの、読み取るのに時間がかかるものになってしまっています。おかげでゲーム世界の雰囲気も掴みづらい。

「キャラクターの数」、そして各人に用意された「イベントの数」もなかなかに多く、現時点においてもイベントからは魅力的なキャラ立ちを感じます。そのため、もし翻訳がきちんと為された暁には、おそらくキャラクターゲームとしての魅力も十分に発揮されるのではないでしょうか。こちらも将来的なアップデートに期待しています。

継続的なアップデート

レベルデザイン、翻訳といった点について渋い部分を指摘しましたが、これに加えてリリース直後はゲーム進行に影響を及ぼすバグも多く、さらに細かい部分で課題はありました。筆者も執筆に向けたプレイ中、フリーズや表示バクにしばしば出くわしたものです。

ただし開発チームはリリースしたら「それっきり」ではなく、継続的なアップデートを繰り返し行うことで、問題解決を試みていました。実際にこうして執筆中に再確認すると、ユーザーインターフェース(UI)まわりの操作系が整理整頓され、一部表記に修正が加えられていたり(それでも生命愉取なのか吸血なのかHP盗みなのか表記揺れはありますが……)。

ここらへん、人によっては「ちゃんと完成品にしてからリリースしてくれよ」という手厳しい意見も出てくると思います。早期アクセスならまだしもこちらは製品版ですし。

筆者も普段であればそう感じるのですが、実際にはフィードバックを受けながら、週末を除きほぼ毎日何かしらのアップデートを続けている開発チームと少しずつ課題が改善されていく本作の様子を見て、むしろ自分の中で好感度が上がっていました。

繰り返しにはなりますが、本作には課題がまだまだあるものの、面白さのコア自体はブレていないので、現時点においても十分に楽しいプレイフィールでした。よって、総合的な評価は以下のようになります。

Game*Spark レビュー『共鸣 ReMix』Steam2024年4月17日リリース

リズムについつい身体を揺らしてしまう楽しいアクション

GOOD

  • リズムアクションを軸に組み立てられたゲームデザイン
  • 個性豊かなキャラクター達が織りなすイベントの魅力的なポテンシャル

BAD

  • 翻訳の質が低く、イベントやキャラクターが持つせっかくの魅力が損なわれている
  • バグなど細かい部分でまだまだ課題が多い



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《麦秋》

お空の人。 麦秋

仕事であちこち渡り歩いては飛んでます。自分が提供するものが誰かのお役に立てれば幸い。編集部および他ライターさん達のこくまろなキャラに並べるよう頑張ります。

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