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秋の夜長にピッタリ!Steam配信中の「和風ホラーゲーム」5選―伊藤潤二から昭和レトロな恐怖まで…厳選ピックアップ【特集】

ホラーゲーマーが選ぶ!今こそ遊ぶべき作品がゾクゾク登場。

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秋の夜長にピッタリ!Steam配信中の「和風ホラーゲーム」5選―伊藤潤二から昭和レトロな恐怖まで…厳選ピックアップ【特集】
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秋深く 成れば成るほど 山険し 遥かなるかな 我が遊戯(ゲーム)道。おっと、短歌界に颯爽と現れたスーパースター・ゲーミング歌人の如く、つい一首詠んでしまった筆者ですが、読者の皆様いかがお過ごしでしょうか。

秋といえば夜長、夜長といえば秋…日中は涼しい上に日暮れも早くなる季節。つまり、我々ハードコアゲーマーにとって夜更かしするのに最も適した時期なのであります。

そこで今回は、Steamにて現在配信中の「和風ホラーゲーム」に焦点を絞り、厳選した5作品をピックアップしてご紹介いたします!


伊藤潤二氏に影響された異色のホラーRPG『恐怖の世界』

◆概要

本作は、8ビットどころか1ビットで描かれたホラーローグライトRPG。「うずまき」「富江」など言わずと知れたホラー漫画家・伊藤潤二氏と、“コズミックホラー”の生みの親・HPラヴクラフトの世界観にインスパイアされています。

プレイヤーは架空の地「塩川町」の住人となり、病院、廃校、古いアパート、鬱蒼とした森などで巻き起こる怪異と不可解な出来事に対峙しながら、ターン制のバトルや容赦ない選択肢を紡いで生き延びていきます。

執筆時点で、Steamレビューは8,332件中92%のユーザーが支持する「非常に好評」ステータスを獲得しています。


◆特徴

全体像としては、TRPG風味の探索ホラーゲームといった感覚で、多数のランダムなイベントが発生するローグライト要素もあります。戦闘も派手ではないが、小気味よく進むターン制バトルが楽しくできました。

それに何と言っても、伊藤潤二から影響を受けたドット絵のテイストや怪異調査のテキストなど、本作を構成する世界観は非常に高品質な仕上がりで、氏の作品が好きな人もそうでない人にもオススメ出来るホラータイトルです。

リアルな田舎を舞台にしたホラーADV『ウツロマユ』

◆概要

本作は、NAYUTA STUDIOが手掛ける一人称視点の和風ホラーアドベンチャー。プレイヤーは、十数年ぶりに母の故郷を訪れた男子大学生「陣場湊(じんばみなと)」となり、襲いかかる化物から身を隠しながら、様々な場所を探索して謎を解き、隠された恐ろしい真実に迫っていきます。

執筆時点でのSteamレビューは、617件中83%のユーザーが支持する「非常に好評」ステータスを獲得。ちなみに、2024年12月6日~29日の期間中に、リアルお化け屋敷イベントを運営する「オバケン」と本作のコラボ企画が実施されるそうなので要チェックです。


◆特徴

全体的な手触りとしては、ウォーキングシミュレーター要素の強い、オーソドックスな一人称視点のホラーゲームといった感覚。1980年代の山深くどこか懐かしい昭和の風景を舞台に、アイテムを調べたり、物語の断片が知れる様々な資料を手に入れていく探索、日本家屋の恐ろしい空気感、異形との緊張感のあるチェイスなど、ゲームシステムも洗練されていた印象です

特に、細部まで作り込まれた美麗でリアルなグラフィック、徐々に紐解かれていくストーリーは奥深く、グロテスクな恐怖と郷愁を誘う儚さが同居した素晴らしいホラー作品に仕上がっています。

90年代の日本社会、事件などを題材にした平成怪談ADV『黒森町綺譚』

◆概要

本作は中国系のデベロッパー拾英工作室が開発しており、「和風」というと厳密には語弊がありますが、それでも1990年代当時の社会情勢、世間を震撼させた事件、伝承、そしてカルチャーなど「日本」を丸ごと題材にしている点が興味深く、あえて今回選考いたしました。

プレイヤーは、小さな町に閉じ込められてしまった女子高生「希原夏森(きはら かしん)」となって、隠された秘密を探りながら町から脱出する方法を見つけ出す冒険が始まります。

執筆時点でのSteamレビューは、12,387件中95%がポジティブな「圧倒的に好評」ステータスを獲得しています。


◆特徴

本作の内容は、見下ろし型のシンプルな2Dアドベンチャーゲーム。日本文化好きな開発者とあって、緻密なドット絵で描かれた主人公など登場キャラクターたちは皆可愛らしく魅力的。キュートなネコちゃんもいっぱい出てきます。

そんなゆるい見た目とは裏腹に、1995年の地下鉄サリン事件やバブル経済を下敷きに怪談めいた物語が進んでいくのが、平成と共に過ごした筆者の心にグッと刺さるものがあり、夢中になってプレイしました。

適度な難易度の謎解き、ステルスや追いかけっこなどのアクション、章立てに分かれたストーリー形式などゲームとしても純粋に面白く、現在は日本語ローカライズもされているので是非体験してもらいたい作品です。

  • タイトル:『黒森町綺譚(Tales of the Black Forest)』

  • 対応機種:PC(Steam

  • 発売日:2019年9月26日

  • 価格:470円

幽霊に反撃できる?笑いと涙の短編ホラーTPS『近畿霊務局』

◆概要

本作は、三人称視点のホラーアクションシューター。ゲームクリエイター兼Vtuberとしても活動する霧笛ノト氏が手掛けています。

プレイヤーは「公認除霊師」の主人公・白石瑞希となって、“違法幽霊”を銃火器で駆逐しながら悪霊に占拠された集落・奈良県賽河村の謎の真相に迫ります。

執筆時点でのSteamレビューは802件中86%が支持する「非常に好評」ステータスを獲得しています。


◆特徴

本作の見所は、そのブッ飛んだ設定の数々。「幽霊に思いっきりやり返せる!」をコンセプトに、銃火器、ステゴロ、墓石などプレイヤーが使用可能な武器はナンデモありで、バラエティ豊かな「違法幽霊」たちと死闘を繰り広げていきます。

そして主人公の白石を始めとする個性的すぎるキャラ同士の掛け合いも、笑いを誘うブラックジョークや、心に刺さるようなセリフが全編を通して散りばめられていて非常に痛快です。

一方でストーリーは、ゲームが進むにつれて次第に重くなっていき、いつまでも「笑って」はいられない展開になって来ます。その涙と笑いのバランスが取れた重厚なシナリオは、とても満足度の高いものでした。普通のホラーに飽きたプレイヤーは、是非この素晴らしい除霊物語を体験してみてください。

  • タイトル:『近畿霊務局』

  • 対応機種:PC(Steam

  • 発売日:2024年10月4日

  • 価格:1,200円

異形の存在が恐すぎる!廃村探索ホラーADV『鳴蟇村』

◆概要

本作は、一人称視点のホラーアクションアドベンチャー。時は2000年代の日本、インターネット掲示板に書き込まれた奇妙な情報に興味を惹かれ、主人公は地図に存在しない禁足地「鳴蟇村(なりびきむら)」に足を踏み入れます。出口が見つからず焦る彼は、脱出を図るため不気味な廃村を探索していくのですが……。

デベロッパーのDorsalFin Studioは、他にも『真砂楼(まさごろう)』、『米砂原醫院(よねさわらいいん)』といった作品もリリースしており、それぞれのゲーム内資料に本作の地名が出てきたり、関連する人物が回想されていたり、直接的な繋がりはないが全作品が同じユニバースを共有しているのも興味深い点です。


◆特徴

プレイフィールとしては、良くも悪くも一般的な主観視点の探索型ホラーといった手触り。ですが、日本に実在する廃村や廃墟を参考に制作された「鳴蟇村」の風景は、リアルかつ没入感高め。ジャンプスケア要素もゲームの雰囲気を壊さない程度に上手く挿入され、良い塩梅でした。

さらに、取り憑かれた村人やグロテスクな異形「ヂウ様」とのチェイスも、探索に程よい緊張感を生んでいました。謎めいた日本の廃村を舞台に「深い恐怖」を味わうことが出来る、非常にオススメの作品です。

ちなみに、ホラー要素のない「廃墟探索モード」を実装しているので、朝~夜の好きな時間帯に思う存分美しい村内を見て回ることも可能です。

  • タイトル:『鳴蟇村』

  • 対応機種:PC(Steam

  • 発売日:2024年8月16日

  • 価格:1,320円


さて、最後までお付き合いくださりありがとうございます!Steam配信中の最恐「和風ホラー5選」いかがでしたでしょうか。Steamという大海原には、まだまだ埋もれた傑作や日の目を見ない良作ゲームがいっぱい!身体に無理をしないという前提で、夜更かしつつハードコア・ゲーム道を極めていきましょう


《DOOMKID》

心霊系雑食ゲーマー DOOMKID

1986年1月、広島県生まれ。「怖いもの」の原体験は小学生の時に見ていた「あなたの知らない世界」や当時盛んに放映されていた心霊系番組。小学生時に「バイオハザード」「Dの食卓」、中学生時に「サイレントヒル」でホラーゲームの洗礼を受け、以後このジャンルの虜となる。京都の某大学に入学後、坂口安吾や中島らもにどっぷり影響を受け、無頼派作家を志し退廃的生活(ゲーム三昧)を送る。その後紆余曲折を経て地元にて就職し、積みゲーを崩したり映像制作、ビートメイクなど様々な活動を展開中。HIPHOPとローポリをこよなく愛する。

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