
米サンフランシスコの現地時間3月18日、GDC 2025に合わせる形でXboxのインディゲームプログラム「ID@Xbox」のイベントが開催されました。
本稿では、GDC会場近くのイベントスペース兼バーで行われたイベントの様子と、「ID@Xbox」のディレクターであるGuy Richards氏へのインタビューをお届けします。
世界10ヵ国から12タイトルが集結!

「ID@Xbox」のイベント会場は、GDCの会場であるモスコーンセンターから徒歩10分ほどの場所にあるVictory Hall & Parlorというイベントもできるバーで行われました。招待制の会場では、12のインディータイトルが試遊可能となっており、開発者もその場に常駐していました。


国産タイトルとしては、White Owlsが開発、SUDA51氏も関わるハードコアローグライクアクション『Hotel Barcelona』が、日本人ディレクターのタイトルとしては『塊魂』で知られる高橋慶太氏が手がける『to a T』が出展されていました。(この2本は別記事でも紹介予定です。)

「ID@Xbox」ディレクター、ガイ・リチャーズ氏にインタビュー

――ガイ・リチャーズさんはID@Xboxのディレクターですが、それまではどのようなポジションで働かれていたのでしょうか。
ガイ・リチャーズ氏(以下リチャーズ):XBoxチームでID@Xboxの開発に携わって9年になりますが、それ以前にも独立系デベロッパーと仕事をしたことがあります。2009年から2010年にかけてデジタルパブリッシングのキャリアをスタートさせました。私のキャリアは、スタジオを支援し、さまざまなプラットフォームでデジタルパブリッシングされたゲームを成功に導くことに集中してきました。
そして、ID@Xboxのチームに参加する前から、チームが開発者を第一に考え、Xboxで成功するための力を与えようとしている姿に憧れていました。そして、チームに入ってからの過去9年間、その一翼を担えたことは素晴らしいことでした。
――10年以上続いているID@Xboxですが、開始当初と現在で、インディデベロッパーとの関わり方が変わった部分、変わってない部分を教えてください。
リチャーズ:そうですね。このプログラムが始まって以来、インディペンデント・デベロッパーに50億ドル以上を支援できたことは本当に感激しています。これは独立系デベロッパーに支払ってきた金額としては莫大なものですが、私たちは本当に必要なことだと考えていいるのです。
近年の大きな変化としては、2013年にプログラムを開始した当時よりも多くの独立系デベロッパーを支援できていることです。今日のイベントでも、独立系デベロッパーと共に、コンソール、PC、クラウドでプレイしてくれるプレイヤーとゲームを結びつける手伝いをしています。また、一度購入すれば他のプラットフォームでもプレイできる「Xbox Play Anywhere」プログラムに対応したゲームのリリースを選択するデベロッパーが多いです。
――今回のイベントでは12タイトルが出展されています。
リチャーズ:ID@Xboxプログラム全体としては、現在、世界149カ国のデベロッパーと協力しています。私たちがデベロッパーとどのように協力してどのようなゲームをこのプラットフォームに提供するか、あるいはデベロッパーとどのように協力して今日のようなイベントをサポートするかということを常に考えています。さまざまな規模のゲーム、さまざまなアートスタイルのゲーム、さまざまなストーリーを体験してもらうことがとても重要なのです。
私たちは今日、10カ国のスタジオと一緒にイベントに参加していますが、どのスタジオのゲームもXboxプラットフォームにさまざまな視点をもたらしてくれるでしょう。素晴らしいことだと思います。

日本からもWhite Owlsの『Hotel Barcelona』が出展されていますし、とても面白いゲームです。 私たちも大好きです。 他の企業も彼らのタイトルをリリースしますが、私たちはできるだけ早い段階でスタジオと協力し、彼らの目標やXboxでのサポートできるようにしています。ですから、インディデベロッパースタジオがID@Xboxプログラムの一員になることを決めたとき、私たちはスタジオが必要とするすべてのリソースとテクノロジーにアクセスできるようにします。
Xboxでのゲーム制作がどのようなものなのか、さらにはマーケティングの機会についてもアドバイスやベストプラクティスを共有しています。今週のGDCで行っているようなショーケースや、先月IGNと行ったオンラインショーケースのようなプロモーションも行っています。このように私たちはパートナーと協力して、多くの発見と発展の機会を提供しているのです。
マルチプラットフォーム展開のゲームであっても、私たちは手助けします。また、さまざまなデバイスでゲームをプレイできるようにしたい場合、すべてのデバイスで可能な限り最高の体験ができるべきだと考えています。例えばストリーミング機能を使ってスマートフォンでプレイする場合でも、デベロッパーはその画面サイズに合わたフォントやUIに変更できるようにもなります。
――これからゲーム開発者を目指す人に伝えるとして、インディーデベロッパーにとって大事なこととは何でしょうか。
リチャーズ:他の開発者とたくさん話して、自分のゲームにアドバイスやフィードバックをしてくれる人たちとのネットワークを作ることですね。開発者が利用できるさまざまなツールや機会を利用して、早くからコミュニティに参加したり、コミュニティを作ったりすることも大切だと思います。
そして、ID@Xboxの立場としては、私たちにも早めに声をかけてください。そこで私たちはXboxでのゲーム販売についてどのようなものであるか、そしてどのようにすればよいかをお伝えできます。
――日本のインディーゲーム開発者やゲームファンにメッセージをお願いします。
リチャーズ:私は日本のインディゲームを世界に送り出すのが大好きなんです。今回はWhite Owlsの『Hotel Barcelona』 と一緒にGDCに参加できて本当にエキサイティングです。このゲームがプラットフォームに登場するのが待ちきれません。
ID@Xboxには情熱的な素晴らしいチームがあり、日本のクリエイターをサポートし、彼らがXboxでゲームを発売し、私たちのプラットフォームで世界的な成功を収めるのを支援しています。日本のインディーゲームファンの皆さんもXboxコンソール、PC、あるいはクラウドストリーミングサービスに対応したデバイスをお持ちであれば、そちらでプレイしていただくことも可能です。世界中の多くのスタジオと協力してXboxで体験できることをとても楽しみにしています。
――ありがとうございました。
世界中のゲーム開発者が集うイベント「GDC 2025」は現地時間の3月21日まで開催されています。