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自由度が高い恋愛シミュレーション『リフレインラブ2』
文章書く彦:
僕は、『ワールド・ネバーランド』シリーズでお馴染みのリバーヒルソフトが手掛けたPlayStation向けソフト『リフレインラブ2』を紹介したいと思います。前作『1』の影によって隠れてしまった……というわけではなく、シリーズそのものがギャルゲーブームの中で隠れてしまった感があります。『2』はとにかくヒロイン数が多くて、舞台となっている街を自由に移動できる、非常に面白いギャルゲーです!
真ゲマ:
まるでRPGみたいですね!
SHINJI:
1999年発売っていうのがまた、ギャルゲーブームが終わりゆく中でしたから余計に隠れちゃったんでしょうね。
文章書く彦:
あと主題歌がちょっと異様なカッコよさなので、それも興味があったら聴いてみてほしいです……!
SHINJI:
余談なんですが、リバーヒルソフトってすごくユーザーにフレンドリーで、『プリンセス・ミネルバ』をPCエンジンに移植した時に、年賀状を出したら絵はがきが返ってきてビックリしましたよ。
真ゲマ:
そういえば『Project OCTOPATH TRAVELER』の開発陣も年賀状企画をやっていて、ファンを大切にする姿勢というのがとても伝わってきました。そういう事をやってくれると、やっぱり応援したいって気持ちになりますよね。友達に布教したり、グッズを買ったりとかに繋がりますし。
SHINJI:
ですね!
文章書く彦:
あ、これも余談ですが、レベルファイブの日野社長もリバーヒルソフト出身という。
Daisuke Sato:
その辺の日野さんの話は、以前の黒川文雄氏のインタビューで語られてましたね。
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パンデミック・スタジオが手掛けた『The Saboteur』
SHINJI:
あ、もうひとつ紹介したいのがPC向けオープンワールドアクション『The Saboteur』です。第二次世界大戦の時代を舞台に、ナチス占領下にある街で工作員として活動する内容です。ゲームとしては『GTA』シリーズに似ているんですが、あそこまでオープンワールドしていないです。この作品も日本語は含まれておらず、有志翻訳MODを当てる事が必要になります。コンシューマー向けにも展開されていましたが、ローカライズはされていませんね。PC版は、現在でもOriginで購入できますよ。
真ゲマ:
ありましたね!場面によって白黒画面になったりして……かなり独特な作品だったなと思います。
SHINJI:
ナチス占領下にある場所は基本的に白黒画面で、そこを解放すると色が付く、つまりプレイが進むにつれてゲーム画面に色彩が戻るっていうシステムが、当時の自分にとってはかなりクールに感じられましたねー。
Daisuke Sato:
ストーリーも非常に映画的でしたよね。
SHINJI:
映像にフィルムグレインを加えるなどの演出を行っていますし、映画的なアプローチはかなり意識されていたと思います!……PCゲーマーはSteamをメインに使っている人が大半だと思うので、Originで販売されている『バトルフィールド』シリーズ以外のゲームは隠れてしまう気がします。
文章書く彦:
『キングダムズ オブ アマラー:レコニング』とか『Syndicate』とか、Steamでは購入できない名作がいっぱいあるんですけどね……。
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中古価格が高騰している『Serial experiments lain』
Daisuke Sato:
私がもうひとつ紹介したいのは、パイオニアから1998年に発売されたPlayStation向けソフト『Serial experiments lain』です。これをゲームと呼んでいいのかわからないのですが、基本的には画面に表示されている音声や映像データを観覧していくと、他のデータがアンロックされていく、という内容です。
元々は、アニメとゲーム、雑誌連載でメディアミックス展開するはずが、ゲームだけ開発が遅れてしまい、アニメの放送が終了して3ヶ月後に発売されたという経緯があります。『serial experiments lain』のメディアミックス展開をリアルタイムで楽しんでいたユーザー層にとっては、評価は高いと思われます。もちろん私も発売当時プレイしましたし、関連作品を買い漁るほどハマっていました。
結局、どの作品も「レイン」はなんだったのかはっきり描かれてないんです。でも、すべての作品を通して「レイン」という存在を感じることができるという、非常に観念的な作品群でした。とはいえ、ゲーム版は奇妙なゲーム性という事もあり、名作と言っていいのか賛否両論があるのかもしれませんね。
文章書く彦:
中古価格が高騰しているのでプレイしたくてもプレイできないんですよね。
Daisuke Sato:
ソフトは大事にとってあります。
真ゲマ:
おぉ、家宝じゃないですか!
SHINJI:
『Serial experiments lain』は、パイオニアLDCの恋愛シミュレーション『NOeL』シリーズを彷彿とさせますね。
Daisuke Sato:
開発スタッフの一部は『NOeL』と同じですね。
SHINJI:
なるほど!すごい納得!
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音楽のクオリティが向上した『パラッパラッパー2』
文章書く彦:
七音社が手掛けたPlayStation2向けリズムアクション『パラッパラッパー2』を紹介したいです。
真ゲマ:
え!?……かなり有名なシリーズですよね?
文章書く彦:
存在が大きすぎる初代『パラッパラッパー』、シリーズ2作目『ウンジャマ・ラミー』に比べて隠れているのではないかと。シリーズで最も楽曲のクオリティが高いのですが、あまりそこを語られる事は無い感じがします。七音社は、他にも『モジブリボン』などの忘れ去られた傑作があるのですが……。
Daisuke Sato:
確かに、初代のインパクトが強すぎて存在を忘れていました。
文章書く彦:
『パラッパラッパー』と『ウンジャマ・ラミー』はPlayStation Storeで配信されているのに『パラッパラッパー2』は配信されてないんです。
真ゲマ:
『パラッパラッパー2』は、前作と比べてどんな特徴があるんですか?
文章書く彦:
先ほども言いましたが、やはり最大の特徴は「とにかく曲が良い!」ってことですね。PS2専用ソフトなのでPS1の頃より音質も断然良いです。そうそう、対戦モードも搭載されています。
Daisuke Sato:
対戦モード……ラップバトルみたいな感じですか?
文章書く彦:
それに近いです。基準のラップがあって、それよりよい点数を対戦相手と目指すみたいな感じになります。
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パンチライン制作の『ルール オブ ローズ』
文章書く彦:
あ、最後にもうひとつ。パンチラインが制作したPlayStation2向けサイコミステリー・アドベンチャー『ルール オブ ローズ』を紹介したいです。
犬が登場するという事もあって、よくカプコンの『DEMENTO』と比較される事が多いのですが、異常に構築された世界観や裏設定があり独特なゲームなんですよ。もちろん、中古価格は高騰しています(笑)
Daisuke Sato:
犬ゲー好きの友人に猛プッシュされた記憶があります。
文章書く彦:
良さがわかるまでに相応のプレイ時間を要するんですけどね。
SHINJI:
スロースターターであると。
文章書く彦:
攻撃判定が異常に狭くてストレスフルですし、色々な問題点があるのですが、それを補うような魅力を発しているゲームです。だからこそ、中古価格が高騰しているんじゃないかと思っています。
真ゲマ:
さて、興味を惹くようなタイトルが次々と飛び出してきましたね。我々が紹介したタイトルの中には有名なものもあり、「隠れているのかいないのか」は個人の判断に委ねられそうです。 こうやって4人で「隠れた名作」をオススメし合うのは、自分の知らない世界に触れるようでワクワクするものがありました。 読者の皆さんも、友人と一緒にこのような座談会を開いて、熱く語り合ってみてはいかがでしょうか。