最新ゲームが毎日大量にリリースされる昨今。メーカーやストアのゲーム紹介だけでは「どんなゲームかわからない!」とお嘆きのGame*Spark読者も多いのではないでしょうか。そこで“なるべく早く”ゲームの生の内容をお届けするのが本企画「爆速プレイレポ」となります。
今回はBrilliant Skiesが、2020年11月07日にSteamにてPC(Windows/Mac/Steam+Linux)向けにリリースした製品版『From the Depth』について生の内容をお届けしたいと思います。
『From the Depth』とは?
本作は、2014年からおよそ6年にも及ぶ早期アクセスが行われていた、サンドボックスタイルのゲーム。ブロック単位でパーツを組み合わせ、小型のイカダから中型の戦車、果ては大型の空中浮遊要塞も作成可能です。陸海空そろい踏みでありながらさらにはAIによる自動操作によって艦隊戦を行うことも出来る濃密なプレイを体験できます。ゲーム内はすべて英語ですが、ブロック遊びは万国共通ですしきっとなんとかなる。早速やってまいりましょう。
チュートリアルで心折れたで御座るの巻き
テストプレイ時に何も考えずストーリーモードを始めたところ、敵戦闘マシンから一方的に蹂躙され海底に沈められてしまいました。英語以前の話です。
本当に全くわからないまま「?」マーク浮かべて右往左往したゲームは初めてかもしれません。幸いなことにタイトル画面に「Learn to play」という、いわゆるチュートリアル項目があったので、本作の基本的な操作やルールを確認して参りましょう。さて内容は……、
多くね?
この画面構成は昔、飛行機の訓練でeラーニングの学習ソフトを使用していた時を思い出します。これらをひとつずつ段階を踏んで学習することで、より複雑なマシンを作ることができるのでしょう。
まずはBasic Trainingから。海の上にポツンと浮かぶボート、そして船上の機械人形。敵かと思いきやこれが操作キャラ、すなわちこの世界におけるプレイヤーの分身です。基本的な操作方法はマウス&キーボード。WASDで移動、マウスで視点操作ですね。ちなみに視点についてはFPSとTPSを切り替えることができます。さて、のっけから情報量の多さにちょっと面食らってしまいますが、すぐにこのチュートリアルが大変わかりやすい作りであることに気が付きます。
ナレーターによる音声ガイダンスは、同じ内容が画面右上に説明文としても表示されています。これにより聞き逃してしまっても再度確認が可能。しかも説明中は、初見では理解しづらい箇所のアイコンを光らせたり強調表示をしてくれます。どのボタンを押せば何が起きるのか、メニュー画面のどの項目で何を確認できるのか……といった際に大変便利。もちろん、Enterキーを押すことでスキップすることも可能です。これはわかりやすい。どんどん学んでいきましょう。
まずはブロックの置き方ですね。一部パーツは取り付ける向きも気をつけなければなりません。
次にボートの作り方。
ミサイルの作り方、使い方。
さらにエンジンの作り方。
難易度がグッと上がり始めます。内容が結構ヘビーですし、予想よりもかなり長い。
艦隊運用のやり方。
高出力エンジンの作り方。
蒸気機関の作り方。
レーザーカノンの作り方。ここまでくるとほとんど教科書を音声が読み上げる状態です。
AI制御のやり方などなど……。
(数時間後)……全チュートリアル……完了……いや……長い道のりでした……。ここまでで2-3時間はかかったと思います。もっと早めに切り上げて遊びながら覚えたほうが早かったのではないかなと思ったり。
ストーリーモードで御座る
さあ、無限に続くかとも思われたチュートリアルを無事クリアしたことですし、改めてストーリーモードを楽しみましょう。ありがたいことにこちらのモードでは画像のように、既に出来上がっているマシンに乗り込んで敵との戦闘を楽しむことができます。
とはいえ船体が傾き気味でバランスが悪いようですし、装飾も少々寂しい。ここは、先ほどチュートリアルで学んだことを活かして少し強化することにしましょう。
まずはバランスのためにも土台を後部に作って……。
大きな球状に整えたら……はい、完成!
みんな大好きスパ君です!
ご覧ください。四連ミサイル(既製品)を目の前に構えたこの雄姿を。チュートリアルで学んだこと(ブロックの配置、回転、色変え)をふんだんに盛り込んだ自信作です。……動力系を取り付けることで首を回そうと何度かチュートリアルを読み直したのですが、うまく動かせなかった……申し訳ない。
ともあれ戦闘です。いま、マップ東から2体の航空型マシンが爆弾を撒きつつ迫ってきています。
我々スパ君号は味方マシンを守りつつ、敵を撃退しなければなりません。よく狙いを定めてミサイルを当てていく必要があります。
良い感じに敵の耐久を削りました。これならあと数発で落ちるハズ。
あっ……。
良かった。味方の頭上に爆弾の雨を降らせて壊滅的なダメージを与えたくらいで大丈夫、まだスパ君は無事でした。しかし、わざわざこちらの上を飛ぶなど舐められたものです。スパ君自前のミサイルで懲らしめてやりましょう。
発射!
あっ。
ちょっと削れてしまいましたが、敵を撃墜することができました。
砲撃の際にうっかりキー操作を誤って手元のマシンガンを乱射してしまい、さらにぼろぼろになってしまいましたが大丈夫、これがスパ君です。
最後には敵の珍妙な飛行船(?)も撃墜してミッションクリア。
ワークショップに並ぶ力作の数々
オリジナルマシンを自力で作ろうにも、ブロックを一つ置いたらその後は腕組みしたまま「どうしたらよいのだ……」と思考が迷宮入り。いったいどうすれば、いつになったら専用機を作ることができるのかと嘆きたくなります。
そんな時に目に入ったのがSteamワークショップ。そうだ、6年間も早期アクセスをやっていたのなら、ここにはきっと先人たちの素晴らしい叡智が詰まっているに違いない。早速カタログを見てみましょう。……想像の10倍くらいバケモノじみた作りこみのマシンが並んでいます。
なんですかこれ!?巨大ロボット!?
うおっ観客席にはしっかりソーシャルディスタンスが設けられている!?芸が細かい!!
スーパーホーネットもいる……。
しかも着水用に浮袋も展開している……。すごい……。
可変式多脚戦車にくわえて、
SPAMまで空を飛んでます。もうやりたい放題。
ここからブロックを「リバースエンジニアリング」、つまり分解することで、各部の機構をより深く理解しようと試みましたが……案の定さっぱりわからないままただ悪戯に機体を破壊するだけに終わりました。すまねえスーパーホーネット。
おわりに
今回のプレイレポを書くにあたり、プレイ時間が6時間をちょっと超えていました。しかもそのうちの半分以上はチュートリアルで頭をひねってウンウン唸っていたと思います。
ところが、「なんでい!難しいばっかりで全然楽しめないじゃないか!」と投げだすことはなく、むしろ「これはどうなっているんだ」「あれはどうやったらできるんだ」と興味が深まり、どんどん試行錯誤をしている自分が。
たとえばエンジンが動かない。どうするか?動力系の構造は、エンジンを構成する小さなブロック達が集合して成り立っています。その各部の向きや接続をひとつひとつ丁寧に確認していく作業、そこが面白く、時間を忘れて集中していました。
初心者にとっては敷居が高いかもしれません。しかし公式のWikiや本編中のチュートリアルが充実しているため、何度も繰り返し見直すことでいつの間にか知識が自分の血肉になっていくはず。
僕の場合は残念ながら、完全オリジナルのマシンを作るのにまだまだ時間はかかりそうですが、引き続きプレイして自立稼働型のスパ君ロボットを作るべく頑張ります。
読者の皆様の中に、もしガッツリとエンジニアリングを楽しみたい方がいらっしゃれば、本作は是非ともおすすめの逸品だと思います。
対応機種:PC(Windows)
記事におけるプレイ機種:PC(Windows)
発売日:2020年11月07日
記事執筆時の著者プレイ時間:6時間
価格:通常価格2,570円、セール価格2,056円(2020年11月14日まで)