最新ゲームが毎日大量にリリースされる昨今。メーカーやストアのゲーム紹介だけでは「どんなゲームかわからない!」とお嘆きのGame*Spark読者も多いのではないでしょうか。そこで“なるべく早く”ゲームの生の内容をお届けするのが本企画「爆速プレイレポ」となります。
今回はBad Yolk Gamesが開発を、Team17がパブリッシャーを担当して、2021年01月27日にSteamにてPC(Windows)向けに製品版としてリリースしたマシン製作サンドボックス『Main Assembly』について生の内容をお届けしたいと思います。
『Main Assembly』とは?
本作は、早期アクセスとして開発が進められていたタイトルで、マシンデザインを楽しめるサンドボックスゲーム。シャシー(枠組み)単位で構成されるマシンは、物理演算に則った挙動をするため、動作させるにあたり推力や重心など様々な要素を検討する楽しみがあります。またシングルとマルチプレイ両方に対応しており、フレンドを呼んで協力プレイも可能……ですが、今回は筆者のシングルプレイの模様をお届けしていきましょう。
チュートリアルで操作を学ぼう
本作は『Portal』シリーズに登場しそうな球体ドローンを主人公?として操作します。基本的な移動などはTPSスタイルですが、マシンの組み立て画面に入る際はFPSモードへシームレスに切り替わって操作することになります。基本的にはキーボード&マウス操作が中心ですが、一部マシンの操作にはコントローラも使用可能です。
こういう物理演算に忠実なサンドボックスゲームは、シンプルを目指すものの結局はやれることが膨大故に操作や画面の情報が煩雑になりがちです。ところが本作は、比較的わかりやすい操作でまとまっているので動きが覚えやすく遊びやすいですね。
マシンの形はフレーム、ジョイント、パネルで構成されており、これらをクリック&ドラッグすれば大抵のものが作れます。マシンを動かすには動力とプログラムが必要で、例えば車両型を作る場合、モーターブロックを動力に車輪と組み合わせ、最後にステアリングやアクセルと言った操作系をプログラミングして繋ぎます。テキストにすると難解にも思えますが、画面の表示デザインと簡単な注釈のおかげで、直感的に想像・理解できるはずです。
またチュートリアルでは、それらの操作方法を説明する際、ほぼ完成形のメカを叩き台にパーツを付け足し調整するため、非常にとっつきやすいはずです。全体的な視野として「最終的にこの段階に持っていく」と学習できるのがありがたいですね。
それでいて知育教材めいたカッチリとした雰囲気でなく、ユーモアも忘れないのが本作の良いところ。試験用マネキン人形が毎度ひどい目にあっていますが、そうやって本作の基本的なイロハを学んでいく導線となっているんですね。
しばしば暴走しつつもチュートリアルをすべて終えることが出来ました。これで筆者も一人前のマシンデザイナー。このゲーム世界に混沌をもたらすべく早速自分のオリジナル機を作ってまいりましょう。
ワークショップに並ぶ力作の数々
その前に、有志のプレイヤーが作り上げた素晴らしい作品を紹介したいと思います。微に入り細に入り丁寧に仕上がっている彼らのマシンを調べることで、リバースエンジニアリング的に学習することが可能。己の技量向上のためにも先達からたくさん学ばせてもらいましょう。まずこちらは多脚型マシンでs……、
……?どうやって動いてるの……?え、どうやって動いてるの……?
続いてフォーミュラカー型のマシン。コックピット保護デバイスの「ハロ」がしっかり取り付けられていることからなかなかマニアックな作り込みが為されていますね。さきほどの多脚マシンと比べると、車両なのでプログラムなどもきっとわかりやすくまとまってるに違いありません。さてどれどれ……。
………………………。
こちらは航空機です。なんと本作は陸海空を制覇して遊ぶことができる優れたシミュレーション。空力と操作系を整えて画像のように大空を自由に飛べちゃいます。なお仕組みはさっぱりわかりません。リバースエンジニアリングとは!?
チャレンジモードで遊ぼう
とりあえずチュートリアルで保存した車両をベースに自分のオリジナル機体を作ってみます。わからないならわからないなりに、こうしてシャシーをいじくり回していると、チュートリアルで学んだ知識に血が通い始める感覚を得ます。手を動かして理解を深める一連の流れが楽しい。はい、できました。
みんな大好きスパくんです。
パネルやパーツは単位ごとにカラーリングを変更でき、またステッカーも貼ることができるので、このようにゴリ押しでそれっぽい形に整えました。
斜めから見るとこんな感じ。うっす!とか言われるとその通りです。本当はサッカーボールの要領で球体にまとめたかったのですが、現在の技量だとこれが限界。ステッカーに頬っぽいデザインを見つけた瞬間これだ!と思いました後悔はありません。
さてせっかくなのでこのスパくんを用いてチャレンジモードを遊んでみましょう。チュートリアルでもそうでしたが、こちらのモードでは各チャレンジを行っていく中で、同時にいくつかのサブ目標を達成するとパーツ等がアンロックされていきます。そのため、ただチャレンジ完了するよりは、制作できるマシンにバリエーションが増えるという意味において、サブ目標も狙っていくと良いでしょう。
簡単なチャレンジとは言うものの意外な場所で少しだけ苦戦する難易度というのがちょうど良い塩梅。画像は傾斜に負けて転がり落ちていくスパくんの図です。
対策としてホイルベースを長く取って後転しづらい形にしました。シャシーの延伸につられて顔面がナナメに崩壊してしまいましたがむしろスパくんらしいのでこのまま続行。
無事に傾斜を登ることが出来ました。
その後も軽快に各チャレンジをクリアしていくスパくんでしたが……
こちらのステージでバスケットボールによる集中砲火を浴びて大破してしまいました。改良する必要がありますね。
こうして出来たのがこちらヘヴィスパくん。顔に横幅をもたせて足回りをパワーアップ。
いかに勢いよく投げつけられるといえど所詮はボール、このガッチリ硬い体つきになったスパくんの敵ではありません。
荒々しくマッシヴな走りを見せてコースクリア。ついでにパーツもアンロック。
次のステージもバスケットボール集中砲火をかいくぐってゴールを目指さなければなりません。
なあに先程余裕だったんです、このコースも楽勝楽勝……、
スッ……スパくんッッッ
流石に四方向から同時のクロスファイアを食らうとは思わなんだ……そこでグリップを向上しつつ出力をさらに上げた足回りに、耐衝撃バンパーを装着。ついでに目線も入れたヘヴィスパくんMk-IIを開発。
これで勝利は間違いありません。
そうか、プレートが軽量素材だったので簡単に負けてしまっていたのか。
それならば今回の改良では全パーツメタル化、重くて強度の高いスチールで固めたスーパーヘビィスパくんMk-IIで出撃します。
おお強い!これだけ集中砲火を浴びても顔面がボコボコになるくらいで走行に支障はなさそうです。このままゴールを目指しましょう。
……まさかまた坂道が登れなくなるとは……。
その後も試行錯誤は続き……、
最終的にほぼゴリ押しで走り抜けて見事ゴール。やっとクリアしました。
サンドボックスモードで遊んでみよう
ちょっと宇宙まで行ってくる
チャレンジモードで鍛えられたおかげで多少はマシン製作の技量向上が出来たはずです。そこで全パーツが自由に使えるサンドボックスモードでちょいと腕試しと洒落込もうではありませんか。ということで、さっそく宇宙にやってきました。
……浮いとるがな。
真空の空間がやけに静かで、果ての先まで見通せそうな景色の深さに見とれている場合ではありません。自慢の出力もグリップ力も、せっかくの足回りが地面を噛まなければ何の意味もない。
このままでは2001年宇宙の旅よろしく漂流してしまうのでブースターを取り付けました。目分量ですが重心位置を貫くように推力の軸線を調節。
しかしいざ起動すると無限に回転を始めてしまい、
宇宙に漂う星屑のひとつとなってしまいました……。
ちょっと湖畔まで行ってくる
宇宙は考えなければならない要素が複雑なので、ここはやはり母なる地球に舞い戻ることにしました。宇宙船が難しいのであれば、この湖畔でボートを作って水遊びを楽しみましょう。
こちらはベースとなるスパくんからタイヤなどを取り外してシャシーとプレートを舟状に整えたもの。プロペラ装備がいかにもスイスイと進めそうな印象を与えてグッド。素材もカーボンに変えたので水の抵抗対策もバッチリです。さっそく漕ぎ出しましょう。
「こちらは、毎年この時期になると産卵のため故郷に戻ってくるスパくんの珍しい一瞬を捉えた写真です」みたいな感じになっちゃってます。開始早々船体が水底に沈んでいくのはおそらく浮力が足らないのでしょう。
そこでこのようにスラスターを取り付けてプログラミングも紐付けました。特攻野郎AチームのBGMがどこからともなく聞こえてくるパワー理論でゴリ押しです。
浮かねえ!
おわりに
記事中でも紹介したように、自分のマシンを作ってはその結果をもとに試行錯誤していく過程がたまらなく面白いです。これは同ジャンルの他タイトルにも共通するのですが、本作は、今まで触れてきたサンドボックス系作品と比べると、かなり熱中して遊んでいました。個人的にシャシーを自由にいじれる部分がまさにドンピシャ。この操作のやりやすさは、はじめてこのジャンルに手を出そうという方にとっても良き入門タイトルになるかもしれません。
対応機種:PC(Windows)
記事におけるプレイ機種:PC(Windows)
発売日:2021年01月27日
記事執筆時の著者プレイ時間:5時間
価格:通常価格 2,050円、セール価格 1,640円(2020年2月3日まで)