皆さん海はお好きですか?私は子どもの頃、水泳が得意でなかった苦手意識のせいか、浅瀬は大丈夫ですが、底が見えない海の深い色に少し恐怖を感じます。クルーズとかでワイワイやる分には楽しいのですが、ふと海を覗き込んだ時に感じるあの引きずり込まれるようなイメージは私だけでしょうか。
その意味において、深海探査艇などの動画で海底に住まう住人たちを見る時というのは、私にとってちょっとしたホラー映像になります。仮に自分が現場にいて突然目の前に深海生物が現われたら失神することでしょう。
ともあれ今回は、そんな海の恐怖をたっぷり感じる作品をご紹介。Daedalic Entertainmentがパブリッシャーを、FakeFishとUndertow Gamesが開発を担い、2023年03月14日にSteamにてPC(Windows/Mac/Linux)向けに正式リリースした潜水艦サバイバルホラー『Barotrauma』について、実際プレイしてみた手触りはどんなものかをお届けしたいと思います。
『Barotrauma』とは?
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本作の具体的なジャンル分けについては線引きをハッキリとつけるのは難しく、Steamストアの説明文によれば、宇宙サバイバルホラー・潜水艦シミュレーターにRPGを足した作品とのこと。たしかに行く先々でミッションを受けては薄暗い海の底を潜水艦で進み、未知の脅威に対処していくというゲームの基本的な流れは、説明文通りかつ上質なデザインでした。
とはいえこちらの特集記事にもあるように、基本的なプレイフィールについては、上質な体験はそのままにあまり変化はありません。
ところが、筆者が遊べばたちまち「パニックホラー映画」のノリで軽やかに死んでいくプレイ体験に。なぜだ。どうして浸水しているんだこの船。闇より深いこの深海でいったい何が起きたのか……。
まったくの初心者である私のソロプレイ珍道中を、特にベテラン勢の方々におかれましては生暖かい目で見守っていただけたら幸いです。キャンペーンモードを中心に、早速やってまいりましょう。
設定・操作・言語
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本作の設定項目はグラフィック、オーディオ、操作と基本的なものが並びます。協力プレイ用にボイスチャット機能の調整項目があるのと、MODの導入ページがあるといった部分は特徴的でしょうか。操作系はキーボードとマウスで、WASDキーによる移動、マウスによる視点移動と選択/アクションといった具合です。これらキーバインドは自由に割り当てを変更できます。
言語については日本語にもばっちり対応。早期アクセス版と比較して、製品版は翻訳レベルが大いに向上したようです。実際筆者もプレイしている時、世界観を損なうようなトンデモランゲージが登場した記憶はありませんでした。いやほんと、ゲーム体験を大切にした翻訳というのは大変ありがたい話であります。
チュートリアル
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キャンペーンセクションのトレーニング項目から「基本事項」と「役割」を学べます。どちらも本作をプレイするにあたり、イロハのイ……基本的な操作や、役割に基づいた必要行動が説明されます。
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それほど時間はかからないので、各項目のレクチャーを受けるのが良いでしょう。なお私は、長年のゲーマー経験を生かして説明書はあえて読まずにテストプレイしたところ、海の藻屑と消えました。
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チュートリアルは説明が丁寧で、本編であるような「死の恐怖」と隣り合わせではありません。あえてあちこち出歩いては、アクション可能なオブジェクトを触って回ることで、現場の様子をより具体的に把握できるのではないでしょうか。
本編開始!
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さあ、キャンペーンモードからニューゲームを選択して、この『Barotrauma』世界で新しい人生を始めましょう。
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私は己の力を過信しないタイプの初心者なので、潜水艦のタイプは迷わず「バルスク」を選択。この船の断面から予想するに、慣れないうちから広い船内のタイプを選択すると、もし対応案件が同時多発的に現われたらワークロードで押しつぶされてしまいます。あえて小さな船を選ぶことで、そもそものリスクを軽減するひらめきの選択といえましょう。
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もしゲームをさんざんと遊びつくして、もう本作を極めに究めたという人であれば、エディタでオリジナルの潜水艦を組んで、実際のゲームプレイで使用するといったこともできましょう。このゲームはサンドボックス的な遊び方もできるので、こういった機能を組み合わせることで無限に遊べますからね。
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次は乗組員です。艦長、整備士、技士という3人に「スパくん」の名を与え通し番号を付けました。今からこの船はバルスクあらため「ゲムスパ」号。なんだか一気にろくでもない事件に巻き込まれそうな雰囲気になりました。
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ちなみにこれも、キャラクターエディタを使えばより細かく造形を極めることができますが、まずは普通にプレイをしていきましょう。
最初の仕事を受けよう
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ともあれ、船も乗組員も揃って物語が始まります。よぉし新規ゲームを始めたはいいがさっぱりわからないまま死んだぞぉ!…という事態を防ぐためかは知りませんが、本作が表示してくれるガイド機能は非常に優秀です。基本的には画面右上にあらわれるウィンドウを確認し、その下に並ぶ現時点でのタスクリストを埋めていけば、プレイが迷子になることはありません。
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ステーション内部では、乗組員のリクルートや物資の補充ができる場所があります。故障だ整備だとなにかと物資は入用ですし、また将来的には乗組員も増やした方が良いでしょう。資金の許す限り、手持ちは充分に用意してきます。
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またステーション内部には、仕事をあっせんしてくれる人物がいたりするので、話しかけてミッションを開放する作業も大切です。あちこちのステーションを手ぶらで移動しても、物資が減るだけで実入りがありませんからね。
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この世界には様々な勢力が存在し、引き受けるミッションなどプレイヤーの行動はこれら勢力との友好関係に影響を与えます。
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例えばここでミッションをくれる人を撃ち殺すと、当然そのステーションが所属する勢力からの評判は下がります。下がりました。
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さあMerrivale Lineaへ資材搬送の旅に出発です。こちらは航法装置の画面。ここでプレイヤーはレーダーを頼りに潜水艦を移動操作して、このどこまでも闇が広がる深海を航行します。船の動きには慣性が働くため、最初の立ち上がりは遅く、急停止は難しい。そのため操作のタイミングを誤ると、ステーションなどにドッキングするはずが突撃をかましかねないので要注意です。
また暗闇の海は、潜望鏡で周囲を見回してもほとんど何も見えません。基本的にはソナーを利用して浮かび上がる周辺情報を頼りに、障害物を回避していきます。
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こちらのマップ画面を開き、行き先を選択。ロードが挟まりつつ、今回のミッション概要と各種情報のサマリーが表示されます。
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マウスのホイール中央をクリックしてコマンド用のショートカットを呼び出します。この機能を使うことで、他の乗組員へ指示を出し、的確な船のオペレーションを行えます。原子炉を起動しろ、水漏れを修理しろ、侵入者を迎撃せよなどなど……侵入者くんの?(トレーニングでの出来事を思い出しつつ)
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こちらは潜水艦が岩盤(?)にひっかかったようで、身動きが取れなくなった図。
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慌てて潜水服を着込んで外の様子を見に行く艦長。
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全く何も見えない暗闇のまま、船が自動操縦でどこかへいってしまった艦長。帰る場所を失った艦長とも言います。
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死亡してリスポーン(セーブデータロード)後にやり直した結果、無事目的地へ到着。ミッションも達成しました。
死の恐怖
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意外とすんなりいけたので、新しいミッションを受けます。今回は近くの「故障したビーコンステーション」を復旧させるべく現場へ向かいます。
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レーダーを眺めていると何か動く点があるような。画像にはこのあと表示されたのですが、動く影が見えるとかなんとか警告も出てきました。
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気になって潜望鏡を使って周囲を索敵するものの、もちろん何も見えない。いやこれはきっと何かの見間違えに違いn……
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事件発生。大きな振動(?)と破壊音が聞こえたと思った次の瞬間、潜水艦に浸水が始まりました。こういうときは慌ててはいけません、冷静に落ち着いてパニックになりましょう。じゃなかった、他の乗組員へ指示を出しましょう。
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キャンペーンモードにおいては乗組員すべてをプレイヤーが操作可能ですが、同時に複数ではなく、ひとりずつしかコントロールできません。そのためソロでプレイする場合は、私一人では緊急事態に手が回らないため、基本的に指示を出して各人に動いてもらうことにします。
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しかしそれでも事態の進行スピードの方が速く、状況が悪化をじぇhhrjlふぃsjぎljsl
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こうしてまず1人目が、水中で息を引き取りました。他の乗組員もやれ怪我だなんだと大変な状態なので、様子を見てみましょう。
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誰だお前。
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そうなんです、先ほどレーダーで見えた光点はエイリアン。やつらがこの潜水艦に突撃してきた結果、このお祭り騒ぎが引き起こされました。
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当然といえば当然なのですが、当たり前に皆殺しにされてゲームオーバー。幸いなことに、最初からすべてやり直しということはなく、最後のセーブポイントから再出発できるので、デスペナルティは現時点ではそこまで重くはない感じですね。
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その後も、新しいスパくんなどを生み出してこの危険なエイリアンたちに挑みましたが、正直序盤も序盤で武器装備が足りない時に挑むべきではなかった……!
おわりに
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先ほどの敗因はおそらく「自分ですべてのオペレーションを行おうとした」ことにあると思います。様々なハプニングが発生する潜水艦、例えばマルチプレイで協力できたならば、各人がそれぞれの役割に集中できるため、もっと効率的な動きができるでしょう。
それこそボイスチャットを使用すれば、チャットよりも素早く情報共有が可能ですし、連携がとりやすくなる分さらに高度なミッションにも挑みやすくなるはずです。
そんなマルチプレイですが、タイトル画面のマルチプレイヤー項目より、サーバーブラウザにアクセスすることで開始できます。ブラウザでは世界中の部屋をのぞくことができ、条件を絞り込んで自分好みのひとつを見つけやすくなります。
とはいえ私が探した段階では、日本語のカジュアル野良部屋というのはなかなか見つけることが難しい状態でした。もちろん英語に自信があれば、基本的にはパスワード無しの野良部屋に突撃はできましょう。ただし、慣れないうちに参加者がシリアスで本気プレイしている部屋に迷い込んでしまうと、先方が楽しんでいる雰囲気を壊しかねないリスクもあるため、部屋に書いてある説明文はよくよく注意して読むことをお勧めします。
個人的なコメントですが、自分がホストの部屋を作るか、フレンドなど気心知れたプレイヤーと部屋を作った方が安全快適なプレイが楽しめるのかなと感じます。
『Barotrauma』は、PC(Steam)向けに4,800円で発売中。現在は3月24日まで25%オフの3,600円で購入できます。
ここから恐怖の深海探査に飛び込もう!『Barotrauma』Steamストアページはこちら