気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Grumpy Owl Games開発、PC(Windows,Mac)向けに8月29日にリリースされたタクティカルRPG『Untamed Tactics』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、色鮮やかな世界が舞台のタクティカルRPG。生き生きとした動物キャラクターたちや、敵と対話する「パーレイシステム」が特徴です。記事執筆時点では日本語未対応。
『Untamed Tactics』は、2,300円で配信中。
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――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?
Milan Lefferts氏(以下Milan)本作のゲームディレクター、Milan Leffertsです。ここ数年、たくさんの素晴らしいゲームがリリースされてきているので、一番好きなゲームを答えるのは難しいですね。昔からずっとお気に入りのひとつは『ファイナルファンタジー6』です。
――本作の特徴を教えてください。また、そのアイデアはどのように思いついたのでしょうか?
Milan本作の自慢は、プレイヤーが戦場の敵と会話できる「パーレイシステム」です。パーレイはアビリティを使用することでチャージされ、使用すると新しいインターフェイスが開き、ユニークなアビリティとセリフを持つ3枚の「パーレイカード」から1枚を選択できるようになり、プレイヤーは剣の代わりに言葉を使って戦闘を解決できるようになるのです。
パーレイシステムは、伝統的な「ダンジョンズ&ドラゴンズ」にインスパイアされたもので、プレイヤーは特定のセリフを選択することで、戦闘を完全に回避できることが多くあります。純粋なタクティカルRPGでは、このようなことはできませんし、他のキャラクターと会話する機会もないことが多いです。私の知る限りでは、『ファイアーエムブレム』だけが、特定の特別なキャラクターを勧誘することで、ごく限られた場合だけではありますが、このようなことができます。私たちは伝統的な会話とテンポの良いシステムを組み合わせ、「パーレイ」を作り上げたのです!
――本作の開発にあたって影響を受けた作品はありますか?
Milan本作は、『ファイナルファンタジータクティクス』『タクティクスオウガ』『ファイアーエムブレム』といった古典的なTRPGから多くのものを取り入れています。さらに、『Wildermyth』や『Into the Breach』など、より最近のゲームの改良点やQOLの機能も付け加えています。
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――本作の開発中に一番印象深かったエピソードを一つ教えてください。
Milan開発中に最も印象に残っていることのひとつは、プロジェクトの途中で、本作の構造をほぼ完全に変更することとなったことです!本作は当初、直線的で古典的なストーリーのローグライトゲームとして開発していました。しかし、多くの要素がランダム生成された場合、古典的な設定ではストーリーを語るのが非常に難しくなることに気づいたのです(『Hades』では成功していますけどね)。緊急会議の後、私たちはストーリーとローグライクな構造をほぼ完全に切り離すことに決めました。つまり、本作の最も重要な部分を一から作り直さなければならなかったのです!
――リリース後のユーザーのフィードバックはどのようなものがありましたか?特に印象深いものを教えてください。
Milan多くのプレイヤーがパーレイシステムを楽しんでおり、それが本作に戦術的な奥深さを与えていると言ってくれています。さらに、アートワークとキャラクターデザインが、本作の最大の魅力だと言う声もあります。私たちのアーティストであるJoeが作り上げたキャラクターたちが大好きで、皆さんが楽しんでくれていることをとても嬉しく思っています!
――ユーザーからのフィードバックも踏まえて、今後のアップデートの方針について教えてください。
Milanリリース以来、我々はホットフィックスとパッチに取り組んでおり、改良、洗練させるためにいくつかのアップデートをリリースしてきました。リリース時の状態はバグに関して望ましいものではありませんでしたが、のちにリリースしたアップデートのおかげで、ゲームは安定し、非常にプレイしやすい状態になっています。新たな問題が発生した場合は、本作を最高の体験にするためにアップデートを続けていきます!
――本作の日本語対応予定はありますか?有志翻訳は可能ですか?
Milan日本のファンの方たちがそれを望むのであれば、私たちはいつでもオープンです!しかし有志翻訳は現時点で少し難しいと言わざるを得ません。というのも、このゲームにはSteamワークショップがありませんし、日本語翻訳を判断する適切なスタッフもいないからです。
――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?
Milanはい!音楽もすべて私のスタジオが所有していますし、人々に本作をシェアし、遊んでいただけるのは喜ばしいことです。より多くの人に楽しんでもらえれば、ゲームディレクターとしての責務を果たせたと思っています。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Milan本作がインスパイアされたゲームの多くは日本産であり、このジャンルは日本では昔も今も根強い人気を誇っていますので、特に日本のゲーマーの皆さんに本作を遊んでいただきたいですね!
――ありがとうございました。
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本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に700を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。