アニメやゲームの定番ジャンルのひとつに「ロボット」があります。創作物のロボットは巨大な搭乗型、意志を持つような自立型、マスコットのような可愛いタイプなど多彩な種類があり、いずれも違った魅力を持っているものです。
ゲーマーのみなさんが現行機で遊べる素敵なロボットゲームを紹介する企画、それが【ゲムスパロボゲーカタログ】です。今回紹介するのは、2023年11月7日にリリースされたローグライトFPS『Roboquest』です。
少女とロボが荒廃した未来を変える!
『Roboquest』は、フランスのゲーム開発スタジオRyseUp Studiosが手がける作品(パブリッシングはStarbreeze Entertainmentも担当)。同デベロッパーは2014年に設立され、これまで『The Burning Descent』『Winter Break』といったVR向けのゲームも開発しています。
本作は2020年6月にティザー映像が公開され、同年8月21日にPC向けの早期アクセスをスタート。2023年11月7日には正式リリースとともにXbox Series X|S/Xbox One版がリリースされています(Game Pass対応)。また、2024年10月にはPS5/PS4向けの展開がアナウンスされました。
物語の舞台となるのは28世紀、荒廃した世界では、人類が懸命に生き延びている状態です。スカベンジャーの少女「Max」が、砂の中に埋もれていた旧式ロボット「Guardian」と出会うことで、人類の希望を見つけるべく、恐るべきロボット軍団へと立ち向かう戦いを描きます。
ゲームはステージ攻略型のローグライトFPSで、プレイヤーはロボを操作しながらマップ内を探索しながら戦闘を行います。豊富な武器種やアップグレードの組み合わせ、恒常的な強化やアンロックなど、高いリプレイ性ややりこみ要素が充実しているのも特徴です。

本作は正式リリース後もアップデートを重ね、記事執筆時点での最新アップデートでは、新たなモードの追加や中断セーブといった機能が追加されました。また、アナウンスされたPS5/PS4では、60fps対応やコントローラー機能を活かしたプレイが楽しめるようです。

己を強化して強敵に挑め!
ゲーム内では「Max」と「Guardian」の出会いから始まり、チュートリアルステージをプレイすることになります。チュートリアルでは戦闘方法からダブルジャンプなどを駆使した移動といった基本的な項目から、特殊なステージやバッドステータス、「Max」のアビリティなどの要素も学べます。
チュートリアルクリア後は砂漠で見つけたキャンプを復興させて冒険の拠点へ。ここから少女とロボの冒険が始まります。キャンプでは難易度調整や永久的なパワーアップ、オンラインマルチプレイなど、冒険の向けてのさまざまな準備を行う施設が用意されています。



本作の基本的なプレイ方法は、マップがランダム生成される各ステージで、敵のロボと戦いながら進み、ゴールを目指すことです。ステージは峡谷やオアシスと言った自然が残る場所から、研究所や立派な街まで多彩で、最後にボスが待ち受けているステージもあります。
各マップ内に登場する敵ロボは、突撃してくるものから狙撃してくるもの、スタンやハッキングなどの特殊行動をしてくるものなどバラエティ豊か。「Guardian」は初期状態でハンドガンともう開始時にランダム選択できる武器しかありませんが、敵との戦闘やマップ内で新しい武器や強化アイテムが拾えます。





また、戦闘で経験値が貯まればレベルアップし、新しいパッシブスキルを入手可能です。装備とスキルをいかに組み合わせるかが本作のポイント。属性をより強くしたり、アビリティを特化させたり、組み合わせによっては驚くほどのシナジーを発揮します。





遊べば遊ぶほど強くなる!
ローグライク作品の本作は、戦闘中に倒されれば武器やスキルをすべて失ってベースキャンプに戻されてしまいます。ただし、そのプレイ中に得た「レンチ」というリソースは持ち帰り可能で、これはベースキャンプ内のワークショップで恒久的なアップグレードをアンロックするために使用します。
ワークショップで強化できる項目は、ステータスアップから「Max」がステージの中の休憩エリアにサポートロボを配置する、チェストから良い武器が出るようになるなどで、内容は段階的に解放されていきます。レンチは敵との戦闘だけでなく、マップに隠された「データログ」を集めることでも入手できます。




また、プレイ内容に応じて「Guardian」の新しいクラスも入手できます。初期の【バスティオン】は防御と近接攻撃が可能なクラスで、他にも火力に特化した【コマンドー】、ドローンを展開する【エンジニア】など複数あり、大きくプレイスタイルが変わります。
『Roboquest』は「データログ」を含めて隠し要素が非常に多く、ステージ内でマップの中を探索しているだけではゲームを堪能できません。乗ることで高速移動できるレールを使って崖上に移動したり、くぐり抜けられそうな場所を見つけたり、友好的なロボを助けたりすることで、新要素やルートも発見できるのです。



「明らかに上の方に穴が空いてるな」などの発見があれば、多くの場合実際に行けるなど、発見が成果につながりやすい本作の探索は楽しいもの。複数回のプレイを通じてアンロックされる要素もあり、遊べば遊ぶほどプレイヤーの冒険は有利なものになっていきます。



「少女meetsロボット」の良さもバッチリ
ゲーム内で注目したいのは「Max」と「Guardian」の関係性です。砂漠の中で機能停止していた「Guardian」は、数百年の眠りを経て「Max」に再起動され、彼女を新たな冒険の地へと導きます。
イベントシーンはアニメ調のイラストで描かれ、そのどれもが魅力的です。ゲーム内で2人の会話はないのですが、イベントシーンでは必ずといっていいほどロボが少女を守り、また、少女はロボの行動を信じています。その結果として冒険の先にある、荒廃した世界の原因や真実に繋がっていくのです。



個性豊かな敵やNPCロボットのデザインの良さはもちろん、文明の名残を見せるステージ、そして発見できる「データログ」で明かされていく在りし日の世界の様子など、ストーリー面でも想像の余地もたっぷり。純粋にローグライク作品としても面白いのですが、ふと少女とロボが懸命に生き抜こうとしている世界を見て回りたくなるような、不思議な魅力に溢れています!




『Roboquest』は、ローグライク作品としてハイスピードな戦闘のテンポの良さ、武器とスキルのビルドを考える高い戦略性、多くのアンロック要素と、ゲームを何度もプレイしたくなるような魅力が詰まっている作品です。ランダム要素はあるものある程度は狙ったビルドを作りやすいのも嬉しい点で、ゲームに慣れると圧倒的な火力やユニークな戦術も試せます。
日本語翻訳の質も高く、個人的に推したい「少女meetsロボット」で世界を救うストーリーもたっぷり楽しめます。もちろん翻訳の質の高さはアイテム説明がわかりやすいということでもあり、装備のビルドを考えやすいことにも繋がります。難易度選択やオプション項目も多彩で、カジュアルにもやりこみにも向いている『Roboquest』は、遊んでいてとにかくストレスを感じさせない作品という印象です。



シングルプレイでじっくりやり込んでも良いですし、最大2人でのオンラインマルチプレイも楽しめます。継続的なアップデートはもちろん、今後さらに対応プラットフォームも増えていくなど、遊びやすいローグライクFPSとしてとてもおすすめしやすい一作です!最新アップデートではエンドレスモードも登場し、ますますやりごたえが増しています!