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90年代日本のアーケードパズルゲームを作る気持ちで開発―ブロック連鎖パズル『Petal Crash』開発者ミニインタビュー

日本のパズルゲームが本当に好きで、かなりの種類をプレイしているようです。

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90年代日本のアーケードパズルゲームを作る気持ちで開発―ブロック連鎖パズル『Petal Crash』開発者ミニインタビュー
  • 90年代日本のアーケードパズルゲームを作る気持ちで開発―ブロック連鎖パズル『Petal Crash』開発者ミニインタビュー
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気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Friend & Fairy開発、PC/Mac/Linux/海外PS4/スイッチ向けに10月13日リリースされたブロック連鎖パズル『Petal Crash』開発者へのミニインタビューをお届けします。

本作は、6種類あるブロックをぶつけて消していくパズルゲーム。一度動かす方向を決めたブロックは壁か他のブロックにぶつかるまで進み続け、同じ種類のブロックにぶつかった場合爆発して消滅。爆発に巻き込まれたブロックも同じように何かにぶつかるまで吹き飛ばされます。この時、上手くブロックを移動させていると、吹き飛ばされたブロックがまた同じ種類のブロックにぶつかって連鎖が発生します。記事執筆時点では日本語未対応。

『Petal Crash』は、1,010円で配信中





――まずは自己紹介をお願いします。

Tim Ashley Jenkins氏(以下Ashley)こんにちは!Tim Ashley Jenkinsです。Ashleyと呼んでください!私は米国西部に住むインディーゲーム開発者で、GalaxyTrailがパブリッシングとサポートをしてくれています。GalaxyTrailは『Freedom Planet』というゲームの開発もしていますよ。私は昔のアーケードゲームが大好きで、趣味はTRPG、リサイクルショップめぐり、そして天気がいい日に遠くまで散歩に行くことです。あと、私は現実世界で妖精さんだったりします。(笑)

――本作の開発はいつどのようにして始まったのでしょうか?

Ashley私は過去に『Grapple Force Rena』というゲームを何年もかけて作りました。しかしこれをリリースしたものの、多くの人の目に止まらず落ち込んでしまったのです。気を紛らわせるため、私はいろんなアーケードパズルゲームをプレイしました。このジャンルが大好きだったので、私はこれまでに遊んだことがなかった『ランドメーカー』『クレオパトラフォーチュン』『エメラルディア』といった、それほど知られていないタイトルもプレイしてみました。

たくさんのパズルゲームを遊んでみると、パズルゲームのことばかり考えるようになり、ピースをスライドさせて色を合わせ、色が合うと爆発が起き、周りのピースを外側に吹き飛ばし連鎖が決まる、というアイデアを思いついたのです。このアイデアを思いついたのが、2019年4月18日、まさにこれから寝ようとベッドに向かっていたときでした。私はこれをすぐ書き起こし、翌日の朝にはプロトタイプを作ったのです。私は長い連鎖ができるボードとブロックの配置を夢中で考え始めていました。これは面白いものになると思い、私はこれを自分の次のプロジェクトに決めたのです!


――本作の特徴を教えてください。

Ashley本作は90年代の日本のアーケードパズルゲームを作る気持ちで開発しました。しかし特定のゲームのコピーではありません。コアとなるシステムはオリジナルです。アドベンチャーゲームではブロックをスライドさせるパズルが登場したりしますが、それ自体がメインとなるパズルゲームはなかなかありませんし、特に色を合わせて連鎖ができるものはないと思います!

このアイデアがユニークなものだと思ったので、実は開発が半分ほど進むまで本作は秘密にしていました。私が完成させる前に他の大きなゲームスタジオが同じようなものをリリースしてしまわないかと心配になったのです。無駄な心配だったかもしれませんが、他の小さな開発チームで実際にそのような作品があったと聞いたことがあります!

本作はパズルのベテランプレイヤーに楽しんでいただけるのはもちろん、ルールはシンプルですので、初心者の方も楽しめるでしょう。パズルゲームファンでなくても、ぜひ多くの人に本作を触っていただきたいと思っています。

――本作が影響を受けた作品はありますか?

Ashleyあります!コアとなるシステムはオリジナルですが、連鎖が重要な対戦型パズルゲームとしては、相手にゴミブロックを送ることができるように『ぷよぷよ』の影響を強く受けています。本作の見た目や雰囲気は、可愛く女性的なパズルゲームである『パネルでポン』や『マネーアイドルエクスチェンジャー』からの影響を受けています。

本作の見た目に一番影響を与えたのは、1997年にタイトーから発売されたアーケードゲーム『プチカラット』です。調べ物をしているうちにこの作品のキャラクターとストーリーの大ファンになってしまいました。しかしこの作品がそれほど人気が出なかったと知り悲しくなり、私はこの作品の魂を自分の作品で受け継ぎ、忘れられないようにしようと思ったのです。本作の見た目は、この『プチカラット』のゲームボーイカラー版から多大な影響を受けています。両方とも遊ぶ機会がありましたら、似ている部分を見つけられるでしょう!

――本作の日本語対応予定はありますか?有志翻訳は可能でしょうか?

Ashleyまだはっきりとは決まっていないのですが、現在日本語版の制作に向け、ある会社と話をしているところです!日本のアーケードゲームから多大な影響を受けましたので、品質の高いローカライズをし、日本のプレイヤーの方々に楽しんでいただくというのは、私にとってとても大切なことです。本作のゲームエンジンは、すでにひらがなとカタカナに対応していますよ!

ローカライズにおいて困難となる部分は、本作のストーリーでしょう。Zack Morrisonによって書かれたのですが、言葉遊びがたくさんあるのです。それでも、プロの方々が素晴らしいローカライズをしてくれると信じています。それが実現するまで、有志翻訳は大歓迎です!ストーリーのテキストは外部ファイルになっているので、それほど難しくはないでしょう。

――新型コロナウイルスによる開発への影響はありましたか?

Ashleyはい、新型コロナのパンデミックにより、開発は遅延してしまいました。本プロジェクトに携わっていた人たちは皆様々な形で影響を受けましたので、すべての作業が遅れてしまったのです。特にアメリカ政府は1,200ドルの小切手以外、自営業の人への支援はほとんどしてくれませんでしたので、Kickstarterキャンペーンで得た支援に頼る期間が予定よりも長くなってしまいました。本作が完成した後も、新型コロナのせいでコンソール版の認証に時間が余計にかかってしまいました!なんとかすべて乗り越えることができ、本作は完成しましたが、当初予定していた春のリリースが秋になってしまったのです。

――本作の配信や収益化はしても大丈夫でしょうか?

Ashley本作の配信も収益化もまったく問題ありません!何より、本作のストーリーやキャラクターのファンアートを見てみたいです。もし描いていただける人がいましたら、ぜひ見せてくださいね!

――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。

Ashley言語の違いにも関わらず、本作に興味を持っていただき、とても嬉しく思っています!日本人開発者によるゲームは、私にとても大きな影響を与えてくれましたので、そんな日本の皆さんに私の作ったゲームを楽しんでいただける日が来るのを楽しみにしています。私が影響を受けたパズルゲームを作った開発者の方が、本作を手に取り、遊んでいただけるような日がいつか来るんじゃないかと、考えずにはいられません。そんな時がきたら、ぜひ本作を楽しんでいただきたいですね!

――ありがとうございました。



◆「注目インディーミニ問答」について
本連載は、リリース直後インディーデベロッパーメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に300を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。
《Chandler》
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