気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、nodayshalleraseyou氏開発、Windows/Mac/Linux向けに10月14日に早期アクセスが開始された借金返済ハッキングアクション『Deadeye Deepfake Simulacrum』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、借金返済のために様々なミッションに挑むアクションゲーム。武器で戦う、見つからないように潜入する、様々なものをハッキングするなど、プレイヤーが好きなプレイスタイルで進んでいくことが可能です。ハッキング以外にも、時間を止める、透明になるなど、様々な能力が登場。記事執筆時点では日本語未対応です。
『Deadeye Deepfake Simulacrum』は、1,320円で早期アクセス配信中。
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――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?
Samこんにちは、Samです。ネット上ではnodayshalleraseyouという名前を使っています。26歳で、現在はコンピュータサイエンスの博士課程です。時間がある時はたいていゲームをプレイしたり、ゲームを作ったり、アウトドアを楽しんだりしていますよ。一番好きなゲームを一本選ぶとしたら、おそらく『ダークソウル2』ですね。
――本作の開発はなぜ始まったのですか?
Samゲームに関して、私はとても選り好みするタイプでして、なかなかプレイしたいと思うゲームが見つかりません。おそらく、私は自分が遊びたいゲームを作りたかったのだと思います。DANG!というインディースタジオにいる昔からの友人が、当時『IO Interloper』というハッキングゲームを作っており、それがクールだったので、私もハッキングシステムを搭載したゲームを作りたいと思いました。開発最初の一週間がとても楽しく、そのまま続けていこうと思ったのです。
――本作の特徴を教えてください。
Sam本作はミッションをクリアしていくゲームです。難しいミッションも出てくるので、プレイヤーは幅広いラインナップの道具を使い、これらを遂行していくこととなります。本作においてプレイヤーは、透明になったり、時間を止めたり、馬に乗ったり、サキュバスを召喚したり、光よりも速く移動したりなど、とても多くのことができますよ!
また、本作ではテキストベースのハッキングシステムが搭載されており、ほとんどすべてのものをハッキングすることができます。カメラ、タレット、セキュリティシステムなどを乗っ取ることができるだけでなく、敵やグレネード、そしてなんと銃口から発射される一つ一つの弾丸までハッキングすることができるのです!
――本作はどんな人にプレイしてもらいたいですか?
Sam本作はできる限りプレイしやすくしたいと思っていますので、この質問への答えは「楽しんでいただけそうな人すべて」ですね。キャラクターカスタマイズやテキストベースのハッキングシステム、そして奥深くチャレンジングな体験をお望みでしたら、本作はピッタリですよ!
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――早期アクセスはどれぐらいの期間を予定していますか?今後どのような要素が追加されるのですか?
Sam早期アクセスはおよそ6ヶ月を計画しています。主にサイドクエストを追加する予定で、これらはメインストーリーを進めながら体験できる、ちょっと短めのストーリーとなっています。各サイドクエストはいくつかの新しいミッション、新しく出会うキャラクター、新しい選択といったもので構成されています。また、新しい能力やクラスの追加、システムの洗練、バグ修正にも取り組んでいますよ。
――早期アクセスとしてリリースしてみた感想を聞かせてください。
Sam早期アクセスは正しい選択だったと思っています。本作はとにかくプレイヤーに高い自由度を与えるゲームですので、こうプレイして欲しい、というようなものはありません。しかしそれゆえ、私1人ですべてをテストするのは難しいですし、様々なタイプのプレイヤーがどのように感じるかを知るのも難しいのです。早期アクセスを実施することで、以前よりも多くのプレイヤーからフィードバックをいただくことができ、結果として正式リリースする際により良いゲームにすることができると思っています。
――本作が影響を受けた作品はありますか?
Sam本作はたくさんのものから影響を受けています。10年ほど前に『Hotline Miami』をプレイした時、私はそのエレガントなゲームプレイに魅了されました。危険なミッションをクリアし、居心地の良いアパートに帰ってくるというものですね。
本作もまた、自由度と思いがけないゲームプレイを搭載した、没入型シムです。『System Shock』や『Deus Ex』のようなゲームから多大な影響を受けました。その中でも特に『E.Y.E: Divine Cybermancy』からの影響が一番大きいですね。この作品はおそらく、良くも悪くも最もクレイジーな没入型シムだと思います。プレイヤーは完全にルールを破壊することができますし、とにかくたくさんのことをすることができるのです。自分のクローンを作ってとんでもなく高くジャンプし、着地する際に脚の骨を折ったりすることもできますよ。本作でも同じように、度を超えたキャラクターカスタマイズができるようにしたいと思ったのです。
ゲーム以外ですと、「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」から多くな影響を受けました。シーズン2の第一話に、テロリストが電話経由で警察にハッキングされ、仲間を殺してしまうというシーンがあります。これと似たような戦術を使うことができるゲームを作りたいと思いました。
――本作の日本語対応予定はありますか?有志翻訳は可能ですか?
Samローカライズというのは今まさに私が取り組んでいるものです。開発者としての経験不足から、本作は簡単に翻訳できるように作られていません。今月の私の目標は、ファンやプロの翻訳家が本作のテキストを翻訳できるようにするということです。多言語に対応できるのがいつになるかはわかりませんが、その時は公式に日本語に対応させる予定ですよ。翻訳が可能になった時点で、Steamページに有志翻訳のやり方について掲載するつもりです。
――新型コロナウイルスによる開発への影響はありましたか?
Sam新型コロナは本プロジェクトをスタートさせるきっかけの一つでした。パンデミックの初期は自宅で過ごしていることが多く、暇を潰すためにクリエイティブなことをしたいと思ったのです。また、在宅勤務も時間に余裕を作ってくれることとなり、本作の開発にかける時間も増えました。
――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?
Samはい、もちろんです!配信や動画は本作のような小規模タイトルの支援になります。収益化も歓迎です。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Sam日本の皆さん、こんにちは!何を言えば良いのかよくわかりませんが、私はたくさんの日本の音楽、ゲーム、そしてテレビ番組が大好きですので、私も皆さんに何か面白いものをお返しできると嬉しいです。
――ありがとうございました。
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本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に500を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。
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(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)