気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Max Inferno開発、Windows/Mac/ニンテンドースイッチ向けに11月9日にリリースされたお片付けパズル『A Little to the Left』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、家の雑貨を並べたり、積み上げたりして、ちょうど良い場所に整理整頓していくパズルゲーム。乱雑に配置された段ボールの山、中身が散らかった工具箱、規則性がありそうな食器の柄…家の中にはそんな荷物に紛れてさまざまなパズルが隠されており、整理整頓しながら全部で75種類以上のパズルを解いていきます。日本語にも対応済み。
『A Little to the Left』は、1,700円で配信中。
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――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?
Anne Macmillan氏(以下Anne)こんにちは、Anne Macmillanです。本作は私の夫であるLukas Steinmanと2人で作りました。パズルのアイデアは2人で一緒に考え、私がイラストとアニメーション、Lukasがプログラミングを担当しました。私が一番好きなゲームは『Riven』で、私は子供の頃にこのゲームをプレイし、環境パズルと探索というものに興味を持つようになったのです。
――本作の開発はなぜ始まったのですか?
Anne本作の開発は2020年、私たちが48時間で行われるゲームジャムに参加した時に始まりました。私たちは本作の小さなプロトタイプを作ると、人々にとても喜んでいただけたので、開発を続けることとし、より大きなゲームとなったのです。このイベントのテーマは「制御できない」というものでしたので、私たちのプロジェクトでは、家の中のものを慎重に動かし、制御できなくなろうとする感情をうまく処理しようとする人をイメージしました。写真フレームの角度を少しだけ直したりするものから、すべての鉛筆を同じ方向に並べる、といったものまでです。
――本作の特徴を教えてください。
Anne本作において、パズルは何気ないところに隠れています。これにより、プレイヤーは家の中にある何気ないものに目をむけるきっかけとなるでしょう。本作ではいたずら好きな猫が時折現れ、プレイヤーの作業を邪魔してきます。この猫はゲームを面白くするための存在であると同時に、なぜ最初から家の中が散らかっているかの説明となっています。人間が秩序をもたらそうとする一方、この猫は混沌をもたらすのです。本作には75個以上のパズルが搭載されており、その多くが一つ以上の回答を持っています。もし行き詰まってしまっても、楽しくヒントを手に入れられます。プレイヤーは答えを隠している鉛筆で書かれた落書きを消しゴムで消していくのです。このデザインにより、プレイヤーは必要なだけヒントを手に入れられます。小さなヒントから、パズルの答えそのものまでを見ることができるのです。
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――本作はどんな人にプレイしてもらいたいですか?
Anne本作はパズルが好きな人、整頓好きな人、そしていたずら好きな猫が好きな人、すべてに向けたゲームです。プレイするのに他のゲームプレイ経験は必要としませんし、リラックスできるゲームですので、気楽に遊んで楽しむことができます。穏やかな気持ちになりながらも、満足感が得られるゲームとなっており、すべての年齢層の人のためのゲームです。
――本作が影響を受けた作品はありますか?
Anne本作を作る上で、他のゲームのことを考えることはありませんでした。本作は私たちがパンデミック中、自宅にいなければならず、不安な気持ちになったということから影響を受けています!本作に登場する多くのものは、実際に私たちの家にあるものから影響を受けています。本作に登場する猫も、うちにいるRookieという猫から影響を受けているのです。また、うちにやってくると姪っ子や甥っ子のために遊びを考える、ということからも影響を受けたと言えるでしょう。
――新型コロナウイルスによる開発への影響はありましたか?
Anneはい、もちろんです。本作は2020年の外出自粛期間中に開発が始まりました。そして本作は「制御できない感情」への返答として作られたのです。本作は、プレイヤーが家の中のものと満足する関係性を見つけるゲームなのです。
――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?
Anneはい、大丈夫です。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Anne本作に興味を持っていただき、ありがとうございます!本作は私たちのデビュー作です。世界中の人たちが、ここカナダ・ノバスコシアで作られたゲームをプレイしているというのを想像すると、本当に素晴らしいです。家の中を片付けながら、楽しんでいただけると嬉しいです!
――ありがとうございました。
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本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に500を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。