気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Shiny Shoe開発、PC向けに5月23日に早期アクセスが開始されたターン制ローグライクRPG『Inkbound』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、不思議な世界を舞台に、魔法などを駆使して敵と戦闘をこなしながら様々なマップを駆け抜けるターン制ローグライクRPG。ソロでもパーティによる協力プレイのどちらも可能ですが、プレイにはオンライン接続が必須です。記事執筆時点では日本語未対応。より詳しいゲーム内容については、プレイレポをご覧ください。
『Inkbound』は、2,300円(7月14日までは20%オフの1,840円)で早期アクセス配信中。
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――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?
Mark Cooke氏(以下Mark)Mark Cookeです。本作の開発兼パブリッシャーであるShiny Shoeの創設者兼CEOです。私たちのスタジオは受賞歴のあるデッキ構築カードゲーム『Monster Train』の開発も行ってきました。私たちは12年間この業界におり、PC、コンソール、モバイル向けに様々なゲーム開発に携わっています。
私は子供の頃からゲーム開発をしてきており、386でQBasicを使ってプログラミングを学んでいました。アメリカと日本の両方でプロとして働いてきましたよ。
昔からずっと好きなゲームは、『ストリートファイター2』『DOOM2』『エバークエスト』『ICO』などですね。
――本作の特徴を教えてください。また、そのアイデアはどのように思いついたのでしょうか?
Mark本作はローグライクとターン制ストラテジーとMMORPGを掛け合わせたようなゲームです。ソロプレイも可能ですが、友人や知らない人とパーティを組んで2~4人でローグライクを楽しむこともできます。本作は『ディアブロ』のようなクォータービューでプレイしますが、ゲームプレイのコアとなるのは、戦闘がターン制であるということです。私たちはプレイヤーが自由に動けて、素早く行動できるように配慮しました。ゆっくり時間をかけて行動したいときはそうすればいいし、判断が簡単なときは素早く行動することもできるようになっているのです。
私たちは『Monster Train』で学んだこと…つまり、面白い決断が満載のローグライクをベースにしつつ、マルチプレイというゲームプレイも追求しようと思いました。私たちの開発チームは非常に変化に順応するのが早く、最初からこのゲームプレイコンセプトがあったわけではありません。自分たちが楽しいと思うものができるまで、日々変化させ続けたのです。
本作の舞台ですが、特別な作家たちが本に書き込んだことが現実になる世界です。「Unravelled」と呼ばれる悪の勢力が、「Atheneum」と呼ばれる中央図書館にあるすべての本を破壊しようとしているのです。プレイヤーは本の中に飛び込み、Unravelledの脅威を一掃して物語を助けようとするのです。
――本作の開発にあたって影響を受けた作品はありますか?
Markゲーム業界の内外様々なものからインスピレーションを得ています。ゲームで言えば、『XCOM』『Hades』そして様々なMMORPGですね。それに、日本一ソフトウェアのPS2用ストラテジーゲーム『ファントム・ブレイブ』からも少しインスピレーションを受けています。
――本作の開発中に一番印象深かったエピソードを一つ教えてください。
Mark私にとっては、Atheneum中央図書館のハブで20人が初めて同時に走り回った時ですね。同じ空間にいる大勢のプレーヤーが互いにコミュニケーションをとっているのを見るのは、私たちのマルチプレイヤー/オンラインというアプローチがうまくいくことを証明するという意味で刺激的だったのです。
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――早期アクセス開始後のユーザーのフィードバックはどのようなものがありましたか?特に印象深いものを教えてください。
Markたくさんの人が本作を遊んでくれているのを見るのは嬉しいですし、Steamの「Very Positive」の評価は誇りに思います。個人的には、ゲーム内での成果を披露するプレイヤーたちを見るのが好きなので、最高レベルのチャレンジをどのようにクリアしたのかを披露するプレイヤーたちを見るのが楽しいですね。
――ユーザーからのフィードバックも踏まえて、今後のアップデートの方針について教えてください。
Mark私たちは頻繁に本作をアップデートしており、これまでに6つのパッチをリリースしてきました。2023年8月には、新しいキャラクタークラス、新たな冒険ができる本、リーダーボード付きのデイリーチャレンジ、その他多くのものを含むメジャーアップデートを予定しています。およそ2~3ヶ月に一度、メジャーアップデートをリリースしていく予定です。
――本作の日本語対応予定はありますか?有志翻訳は可能ですか?
Mark現在、本作は英語にのみ対応しています。将来的にはローカライズする予定で、日本語も検討するつもりですが、どの言語にローカライズするかはまだ決定していません。ゲームが頻繁に変化しているという状態のため、有志による翻訳は現実的ではないと思いますが、もし私が間違っていることを証明したいという方がいらっしゃれば、Shiny Shoeのウェブサイトからご連絡ください。
――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?
Markはい、もちろんです。私たちは配信者やYouTuberたちと一緒に仕事をするのが大好きですし、積極的に動画を作ったりゲームを配信している人たちに様々なゲーム内プレゼントを用意しています。もしあなたがコンテンツクリエイターで、こういったことに興味があるのであれば、私たちのウェブサイトか本作の公式Discordを通じて私たちにご連絡ください。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。(訳注:この回答のみ日本語でいただきました)
Mark現在『Inkbound』の日本語版がありませんが、欲しければ我々に教えてください!(間違えてごめん、日本語を上手に書けません)
――ありがとうございました。
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本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に700を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。
※UPDATE(2023/7/1 0:20):記事公開時のSteam評価から変化があったため、見出しを修正しました。