
2月15日~16日に東京・浜松町でインディーゲーム展示会「東京ゲームダンジョン7」が開催されました。Game*Sparkでは複数の注目タイトルのレポートを掲載していきますが、本稿ではデッキ構築ローグライト『メンヘラリウム』の試遊レポをお届けします!
本作をざっくり説明すると、謎の少女に拉致監禁され、血液をBETする“命を賭けたチンチロ”を7日間行うというゲームです。メンヘラちゃん目線で言うなら一週間ゲームして愛を確かめあう物語。イカサマどんとこいのデスゲーム……そして可愛い女の子に命を握られる体験を手軽に味わう事ができます。
先んじてプレイフィールを書いておくと「チンチロ要素、ガチだな!」という感想です。それもそのはずで、聞いたところ開発においてまず着手したのがチンチロという要素だったとのこと。肝心となるゲーム性が非常に面白い一作でした。こちらではそんな『メンヘラリウム』の様子をお届けしていきます。
◆死んでたまるか!イカサマに手を染めてでも生きてやるっ……!

ゲームを始めると真向いには部屋着の女の子「メンヘラちゃん」がいました。趣味を反映した可愛らしいカラーリングのインテリアが可愛らしく、枕の下には血にまみれた写真がワンポイントに、プレイヤーの手首には手錠、赤い糸のように伸びるチューブにスマホには血液残量……ドキドキするね!

プレイヤーは彼女に拉致監禁されてきた何も知らない人間とのこと。メンヘラちゃんが仕掛けるチンチロを勝ち続け、7日間生き残れば勝ち。破滅的な状況が秀逸でワクワクします。メンヘラちゃんも可愛いし……。
ちょっと気になった筆者は、会場にいた開発者へ「メンヘラちゃんは命賭けないんですか?」と無理心中を望む質問してみます。しかし「メンヘラちゃんが圧倒的優位なポジションなので、ギャンブルで血を賭けるのはプレイヤーのみです」との答えが返ってきました。残念! しかしチンチロのプレイスタイルでメンヘラちゃんの好感度(?)が変わるマルチエンディングらしく期待が高まります。

メンヘラちゃんはいわゆる理不尽なゲームマスター。1日を過ぎるごとに更なる無理難題を仕掛けてきます。たとえば「メンヘラちゃんの使うサイコロがすべてシゴロ賽になる」とか。試遊では固定されていましたが、正式版ではローグライトのようにランダムとなるらしく、メンヘラちゃんの無理難題に追い詰められることも多くなりそうです。

さて、ゲーム開始前にチンチロおよび『メンヘラリウム』の基本ルールを軽く説明すると「3つのサイコロを振って、役が大きい方が勝ち。役の大きさによってポイントが変動する」です。『メンヘラリウム』では、BETした“血液”は勝敗に関わらず抜き取られるので無血勝利とはいきませんが、その前にクリアポイントを貯めれば次の日には血液フルの状態で次の日のチンチロに挑めます。

というわけで、命を賭けた勝負が始まりました。毎日メンヘラちゃんが理不尽なルールを敷いてはきますが、こちらはイカサマ&アイテムあり。ダイスの出目にも効果が付与されていて、「倍率(獲得ポイントに補正)」「賭血(かける血液量アップ)」「回復(血液回復)」などが付与されます。

この場合のデッキ構築とは、通常「1、2、3、4、5、6」の出目を「1、4、5、6、6、6」などに改ざんしていくこと。役を作りやすく改変し、同時に出目に付与される「倍率(獲得ポイントに補正)」などの能力で勝利を目指します。

どんな鬼かと思えば、メンヘラちゃんはチンチロを振る時の不正はあまりしてきません。賽の出目を操ったりもなさそうなので、運が良ければ普通に勝てます。1日目は危なげなく勝つ事ができました。

2日目は「サイコロが一つ増える」という、どちらにも得がありそうなルール。こちらにはノーマルダイスが増えるので、やや不利になりそうな程度です。

しかし「BETした血液は絶対に抜かれる」わけで、短期決戦を狙いたいところ。幸いこちらには回数制限アリの振り直し(リロール)があり、リスクなく賽を振りなおす事ができます。アイテムには「出目ドリンク(サイコロの出目をひとつ変えられる)」「ハンバーガー(血液回復)」などがあるので、ここぞというときに使いましょう。パッシブ効果を付与する「お守り」もあり、こちらは純粋な効果アップから、BETする血液量を増やす“ギャンブラー”な効果まで様々です。

しかし試遊における最終日、3日目には「メンヘラちゃんの使うサイコロがすべてシゴロ賽になる」という、極悪なルールが追加されてきました。しかしデッキ構築(イカサマ)は万全! 返り討ちにしてやりましょう。


しかし、良い出目を出したりはしたものの、3日目のクリアラインが高い! もたついているうちにメンヘラちゃんが良い出目を連発……あっという間に血が抜かれていきました。

メンヘラちゃんが良い出目を出した時にはあえて負けるのも選択肢のひとつですが、それにも限度があります。追い打ちをかけるように良い出目を出してきたメンヘラちゃん。3日目はシゴロ賽を使っているから当然です。この女、本格的にこちらを殺しに来たぞ……!

死にたくない! 死にたくない!


かくして血液がすっからかんになるまで搾り取られた筆者。「私をひとりにしないで…」という理不尽極まりないセリフを聞きながらゆっくりと目を閉じていきました。
『メンヘラリウム』を試遊した総評としては、理不尽なデスゲーム感が非常に強く、ゲームとしても体験としてもとても面白いものでした。特にチンチロまわりがこちらを白熱させてくれます。
細かいルールが多く見えるのですが、チンチロ自体が「良い出目を出せば勝ち」というシンプルなルールかつ、それをベースとして崩していないためわかりやすかったです。 筆者はチンチロのルールすらあやふやでしたが、遊んでいるうちに自然と理解することが出来ました。メンヘラちゃんが科す条件も変動するという正式版ではどういうエンディングが待っているのか、要チェックです。